実は間違っているかも?ギターの正しい保管方法、注意点とは
「最近あまり弾いていないし、気にしていない」という方は要注意かもしれません。
ギターは非常に繊細な楽器であるため、正しく保管をしないと音色に影響が出たり、本体が傷んだりすることもあるのです。
今回のコラムではギターの価値を損なわないようにするための『正しい保管方法・注意点』についてご紹介します!
目次
ギターの敵は乾燥!
ギターの大部分は木製であるため、乾燥が一番の敵だといわれています。
乾燥が進むと表面・指板にひび割れが発生したり、ネックの逆反り・順反り、塗装クラック(塗装キズ)が発生したりするため、湿度は50%未満に保つようにしましょう。
さらにアコースティックギターの場合、上記に加え「ブリッジ浮き」や「トップ板の変形」などの不具合が起こることもあります。
また、
・高温になること
・直射日光に当たること
といったことも、湿度変化の原因に直結するため注意が必要です。
ほかに盲点となりがちなのが、エアコンです。
エアコンの風が直撃してしまうことは上記と同じ理由でよくありません。
すでに置いてしまっている場合は、エアコンの風向きを変更するか、エアコンの風が当たりにくい場所にギターを移動するなどの対策をするとよいでしょう。
ちなみに、ギターにとって快適な湿度は40~60%とされています。
湿度計を持っておいてこまめにチェックするのが理想ですが、そういうものがない場合は天気予報などをチェックして湿度を確認しておきましょう。
ハードケースを利用する
「しばらく弾かない場合はケースにしまう」、これを徹底するだけでも効果的です。
ハードケースは高価で重いため「はじめは不要」と思われている方も多いのですが、頻繁に弾かない方でしたら購入を検討してみましょう。
中でも「モールド式」と呼ばれる樹脂で覆われているタイプのハードケースがおすすめです。
多少の外気であればギターを守れるほか、飛行機の移動や地震などで大きな衝撃を受けてもギター本体が壊れることはほとんどありません。
一方ソフトケースは軽くて移動に便利というメリットがありますが、保管の観点では保湿性、堅牢性は期待できません。
フックやスタンドで保管しても大丈夫?
フックやスタンドで保管している、という方も多いかと思います。しかし、これらは保温対策にはならず、正しい保管とはいえません。
インテリアとしても映え、人気の高いギターグッズではありますが、「毎日弾いている」という方以外はやはりハードケースにしまっておいたほうがよいでしょう。
壁に立てかけ、床に直置きは厳禁!
あまり多くはいらっしゃらないかと思いますが、
・壁に立てかけておく
・床の上に置いておく
という行為はNGです。
まず「壁に立てかけておく」についてですが、ネックへの負担が大きく非常に不安定という点があげられます。
長時間立てかけておくことでネックに大きな負荷がかかると、これにより順反りやねじれが発生する場合があるので、「本体のみを譲ってもらった」などの場合であっても、必ず保管グッズを用意するようにしましょう。
また、「倒してしまってギターのネックが折れた」という経験をお持ちの方は少なくありません。
「ハードケースはまだ買えない」という場合は、取り急ぎスタンドやフックなどで対応することをおすすめします。
次に「床に直置き」ですが、こちらも厳禁です。
上から物が落ちてきたときに大きく破損してしまう可能性があるほか、誤って踏んでしまって表面を割ってしまう、ということが考えられます。
保管前にしておくべきこと
「ハードケースに入れておくとよい」とお伝えしましたが、長期間ギターを演奏しない場合はさらに下記2点をおすすめします。
湿気調整剤を使う
「梅雨の時期は湿気吸収剤を使っている」という方もいらっしゃるかと思いますが、それよりもおすすめなのが楽器専用の「湿気調整剤」です。
湿気が多いときには水分を吸い取り、乾燥が進んできたときには調整剤にたまった水分を吐き出し、湿度を一定に調節します。
湿度が一定に調整されるようになっているため、ハードケースにひとつ忍ばせておくことをおすすめします。
弦をゆるめる
そもそもギターの弦には40kgから70kgの張力がかかっているといわれています。これほどの力がネックにかかっているのですから、ネック反りが起こることは致し方ありません。
しかし、「ギターは弦を張った状態が基本である」という考え方もあり、あるメーカーでは「ゆるめなくてもいい」としています。
また、弦を張っている状態(大きな負荷がかかっている状態)からゆるめるという「緩急」こそ、ギター本体への負担だという考え方もあるため、頻繁に演奏をされる方であればまず必要ないといえるでしょう。
ただ、ネックの反りが発生してしまうことは避けられない事実であるため、「あまり弾かない」「ギターをきれいに保管したい」とお考えの方は、普段は弦をゆるめておくことをお勧めします。
弦のゆるめ方
適当に弦をゆるめてしまうと、「ネックねじれ」が起こる場合があります。
これは「反り」よりダメージが大きいため、注意が必要です。
弦をゆるめる場合は、すべて均一になるよう意識してください。例えば、すべての弦を半音だけ下げる、など自分が覚えていられるルールを決めておくことをお勧めします。
もしも「自信がない」という場合は、すべての弦を完全に緩めておきましょう。
夏場と冬場の注意点
夏場と冬場では注意点が異なります。
ここでそれぞれの注意点をご紹介しますので、参考にしてみてください。
夏場は汗に注意!
「ギターの敵は乾燥」というところで、直射日光とクーラー風の直撃に注意するようお伝えしましが、夏は汗も注意が必要です。
汗には塩分が含まれているため、ついた汗を放置してしまうとギターの表面が変質したり、弦が錆びてしまったりするなどの原因になります。
演奏後にはしっかりクロスで拭いておくようにしましょう。
冬場は気温差に注意!
ギターは急な温度差が苦手とされています。暖房で温まっている部屋で練習したあとに、極寒の場に持っていく、などはできるだけ避けましょう。
また、冬場はとくに乾燥が進みます。加湿をしっかり行い、ギターを守るようにしましょう。
弾くのが一番のメンテナンス
いかがでしょうか。今回はギターの保管方法と注意点についてご紹介させていただきました。
いろいろお伝えしましたが、結局は「たくさん弾いて、たくさん触れてあげる」が究極のメンテナンスといわれています。
しかし、
「仕事で忙しく弾く時間が減ってしまった」
「たくさん弾いてくれる人に売りたい」
とお考えの方もいらっしゃることと思います。
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