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  • 2024.12.19

一眼レフで逆光撮影を成功させるコツは?逆光の意味や難易度も解説

一眼レフで撮影をするタイミングや場所によって、「逆光」が発生するリスクがあります。逆光で思うように撮影できない、後で見返したときに被写体が真っ黒になっていたなど、お悩みを抱える方も少なくないでしょう。

この記事では、逆光に関する基本情報や、撮影が難しいといわれている理由を踏まえて、一眼レフで逆光撮影を成功させるためのコツを詳しく解説いたします。
逆光撮影に失敗したくない方や一眼レフをさらに使いこなしたい方は、ぜひご参考にしてください。

一眼レフ初心者必見!そもそも逆光とは?

一眼レフ初心者必見!そもそも逆光とは?

逆光とは、光源が被写体の背後にある状態です。逆光のほかに光源と被写体、カメラの位置関係を表す言葉には順光・サイド光などがあり、それぞれ次のような違いがあります。

逆光被写体の背後から光が当たり明るくなることで、被写体がシルエットのように写ります。正面から見ると、被写体の輪郭が明るくぼやけて見えます。
順光光源が被写体の正面、もしくはカメラの背後にある状態です。被写体の前面に光が当たって色もはっきり見えるため、風景写真などに向いています。
サイド光被写体の横方向に光源がある状態です。被写体に対して横から光が入るため、被写体の立体感や陰影を感じられる写真が撮影できます。
斜光・反逆光被写体に対して、斜めの方向から光が当たる状態です。サイド光よりやや前方から当たると斜光、やや後方から当たると反逆光です。
トップ光被写体に対して、上から光が当たる状態です。真上から光が当たるため被写体の影が短くなり、凹凸や奥行きが出にくい構図です。

光源と被写体の位置関係が変わると、写真の印象も大きく変わります。表現したい雰囲気や被写体によって、光源の位置関係を考えて撮影することで、表現方法の幅が広がるでしょう。

逆光での撮影が難しいといわれる理由

逆光での撮影が難しいといわれる理由

一般的に、逆光での撮影は難しく、失敗しやすいといわれています。逆光での撮影が難しい理由は、写真中の明暗差が大きくなり、被写体が暗くなりやすいからです。

人間は明るい場所と暗い場所を行き来すると、自然と明暗に目が慣れます。一方、カメラは人間の目と違って柔軟な明暗の調節機能がありません。

カメラの場合、写真の中で明るいほう、もしくは暗いほうのいずれかを基準に明るさを調節するのです。

逆光で撮影すると、背景が明るく被写体は暗くなるため、背景の明るさに合わせると被写体の暗さが際立ちます。

逆に被写体に明るさを合わせると、背景が暗くなりすぎてしまい、程よく調節することが困難です。

逆光を生かして魅力的な写真を撮影できるケースも

逆光にもメリットがあり、特徴を生かせれば豊かな表現を生み出せ、魅力的な写真を撮影できるでしょう。

また、逆光の明暗差を利用すれば、被写体の立体感や透過光の美しさを際立たせた写真の撮影が可能です。

輪郭を光にぼやけさせたり、光の様子を表現したりと、順光にはない手法で幻想的な絵づくりにも役立ちます。

逆光を生かすと魅力が引き立つ写真には、下記のようなものがあります。

✔︎ ポートレート
✔︎ 料理
✔︎ 光が透ける被写体
✔︎ フレア
✔︎ ゴースト

✔︎ ポートレート

人物を被写体とした写真です。逆光を髪に当ててやわらかいイメージを演出したり、被写体が暗くなるのを利用してシルエットを撮影したりできます。

✔︎ 料理

料理によって、ツヤやみずみずしさを演出できます。食品広告において視覚的魅力を誘う「シズル効果」を生み出し、食欲を刺激する画が撮影可能です。

✔︎ 光が透ける被写体

光が透過する花びら・葉・ガラスなどの被写体を、逆光によって美しく捉えることが可能です。

とくに、ステンドガラスやデザインガラスであれば、逆光を利用することで神秘的な写真が撮影できます。

✔︎ フレア

レンズやカメラの中で反射した強い光で、全体が白っぽく写る現象です。写真全体がぼかされるものの、使い方次第でやわらかい表現を演出できます。

✔︎ ゴースト

レンズ内で強い光が反射し、光の玉などが写り込む現象です。基本的には抑えたい現象といわれていますが、撮影テクニックの1つとして利用されることもあります。

ゴースト」についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事をご参考にしてください。

▶︎ カメラに写り込む「ゴースト」とは?対策やフレアとの違いも

一眼レフで逆光撮影を成功させるコツ

一眼レフで逆光撮影を成功させるコツ

逆光撮影は、初心者にとって難しい撮影方法といえます。ただし、使いこなせれば逆光ならではの味わい深さや美しさが表現でき、写真撮影の幅が広がるでしょう。

ここでは、一眼レフを用いて逆光撮影を成功させるためのコツを紹介いたします。逆光撮影にチャレンジする際はぜひ、ご参考にしてください。

撮りたいイメージを定める

逆光撮影では、被写体の明暗によって大きく写真の印象が変わります。被写体を暗くしてシルエットを撮影するのか、光に重点を置いて明るく撮影したいのかなど、撮影したいイメージを明確にしましょう。

被写体に焦点を絞るなら、背景の写りを妥協するなど、イメージを定めることが大切です。

撮影したいイメージが曖昧なままだと、写真全体の明るさが中途半端となり、全体的にぼやけてメリハリのない写真に仕上がります。

カメラの設定を変更する

逆光できれいに撮影するためには、カメラの設定も重要です。

カメラの機種によって設定項目の名称が異なる場合があるため、説明書などでしっかり確認しながら設定を行いましょう。

逆光撮影時の設定と補正方法は、下記のとおりです。

✔︎ 露出補正を行う
✔︎測光モードを変更する
✔︎ マニュアルフォーカスにする

✔︎ 露出補正を行う

露出補正とは、写真の明るさを調整する機能のことです。ほとんどの機種がダイヤルやボタンで露出補正を調整できます。

明るくしたい場合はプラス方向に補正をかけ、暗くしてシルエットを撮影したい場合はマイナス方向に補正しましょう。

明るくしすぎると白飛びし、暗くしすぎると写真全体が暗くなりすぎます。1段階ずつ補正をかけながら撮影を進め、イメージ通りの明るさに調整する方法がよいでしょう。

✔︎ 測光モードを変更する

測光モードとは、撮影時の光量を自動で決める機能のことです。カメラの初期設定では、画面全体の明るさを平均した明るさに合わせてくれる、「評価測光」が選択されています。

しかし、逆光撮影ではピントを合わせた部分の明るさを基準に測光する、「スポット測光(部分測光)」の設定がオススメです。

スポット測光を使用することで、被写体の明るさをピンポイントで測光できるため、シルエット撮影にも向いています。

✔︎ マニュアルフォーカスにする

マニュアルフォーカスとは、撮影者が手動でピントを合わせる設定のことです。カメラが自動でピントを合わせる機能を「オートフォーカス」と呼び、切り替えは専用のスイッチで行います。

明暗差が極端な逆光撮影では、オートフォーカスで適切な場所にピントを合わせにくい場合があるため、マニュアルフォーカスでピントを合わせる方法を覚えておきましょう。

レフ板やストロボを活用する

カメラだけではなく、レフ板やストロボなど、補助的なアイテムを活用することでも光量を調節できます。レフ板は、被写体に対して弱くやわらかい光を当てて、明るさを調節するアイテムです。

レフ板がない場合は、白い発泡スチロールやケント紙などで代用できます。

一方ストロボは、強い光を当てるフラッシュと同様に、暗い場所で光量を足すアイテムです。

そして、明るい場所でストロボを使用すると、逆光撮影ならではの明暗差を緩和できます。自然光が当たる明るい場所でストロボを利用するテクニックを、「日中シンクロ」と呼びます。

太陽の高さを意識する

自然光の光源となる太陽は、方向だけではなく高さも重要です。

逆光撮影時は、基本的に太陽が高い時間のほうが明暗差は小さくなるため、撮影しやすいといわれています。自然な明暗差で撮影したい場合は、太陽が高いうちに撮影しましょう。

逆に、夕方など太陽が低い時間帯は、光も強く明暗差がはっきり出ます。シルエット撮影など明暗差をはっきり出したい撮影の際は、太陽が低くなってから撮影するのがオススメです。

ただし、逆光が強い夕方はシルエットが暗くなりすぎるため、撮影時間には注意しましょう。

編集アプリ・ソフトを活用する

カメラや光源による調整が難しい場合は、編集アプリ・ソフトで補正するのも1つの方法です。

編集を視野に入れる場合は、写真データの保存形式にも注意しましょう。

写真編集の際には、RAW形式で保存するのがオススメです。データサイズは大きいものの、色数も4兆3980色と多く、仕上がりがきれいになります。

暗い写真を明るくしたい場合は、「シャドウ」を上げると、真っ黒なシルエット部分でも白飛びさせずに明るく仕上がります。

また、黒い部分の強さを調整する「黒レベル」や色味、シャープ補正などをかけて、好みの写真に微調整しましょう。

まとめ

まとめ

逆光撮影は一見難しい技術ですが、適切なアプローチを行えば素晴らしい写真が撮影できます。撮りたいイメージを明確にしたうえで、カメラの設定を調整し、必要に応じてレフ板やストロボを活用することがポイントです。


また、太陽の高さを考慮して撮影時間を選ぶことや、目指す仕上がりになるよう編集アプリの使用も検討してみてください。

一眼レフカメラでの逆光撮影は、撮影方法を工夫することで、被写体の美しさと魅力を引き出すことが可能です。さらに、写真の表現力を向上させることにもつながるでしょう。

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