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- 2025.03.04
ミラーレス一眼カメラのセンサーサイズとは?種類によって変わること

センサーサイズは、ミラーレス一眼カメラの購入を検討している方にとって、カメラ選びの重要なポイントです。
センサーサイズの種類によって画質・画角のほか、ボケ感や階調が変わるなどが理由として挙げられるでしょう。
ミラーレス一眼カメラのイメージセンサーには、主に「35mmフルサイズ」「APS-C」「マイクロフォーサーズ」といった3種類のサイズが採用されています。
当記事では、ミラーレス一眼カメラに採用されているセンサーサイズの種類と、種類が違うと何が変わるのかといった点について解説いたします。
目次
ミラーレス一眼カメラのセンサーサイズとは

センサーサイズは、カメラの心臓とも呼ばれている「イメージセンサー」の大きさをあらわす言葉です。
イメージセンサーは、撮影時に取り込んだ光を電気情報に変換するためのパーツです。光を電気情報に変換し、画像や映像などのデジタルデータを再現する役割があります。
撮影素子とも呼ばれており、ミラーレス一眼カメラではレンズを外したときに見える角形のパーツを指します。
センサーサイズにはさまざまな種類があり、サイズによって画質や焦点距離、写る範囲が異なるため、カメラを選ぶ際の重要なポイントといえるでしょう。
ミラーレス一眼カメラのセンサーサイズは、一般的に「35mmフルサイズ」「APS-C」「マイクロフォーサーズ」の3種類です。
センサーサイズの大きさによって、カメラ本体のサイズや質量、価格帯も大きく異なります。自身の使用用途に合わせて、カメラのセンサーサイズを選択しましょう。
ミラーレス一眼カメラにおけるセンサーサイズの種類

ここからは、代表的なセンサーサイズを5種類ご紹介したうえで、ミラーレス一眼カメラに採用されている3つのセンサーサイズについて詳しく解説いたします。
センサーサイズの種類 | イメージセンサーのサイズ |
---|---|
35mmフルサイズ | 36mm × 24mm |
APS-C | 23.4mm × 16.7mm |
マイクロフォーサーズ | 17.3mm × 13mm |
1型 | 13.2mm × 8.8mm |
1/2.3型(コンデジ・スマホ) | 6.2mm × 4.6mm |
ミラーレス一眼カメラには、基本的に「35mmフルサイズ」「APS-C」「マイクロフォーサーズ」が採用されています。
「35mmフルサイズ」は、昔のフィルムカメラの大きさを引き継いだイメージセンサーです。画素数と感度が高くノイズも低い点が特徴で、多くの高性能カメラに採用されています。
「APS-C」は、35mmフルサイズの次に大きいイメージセンサーです。多くのミラーレス一眼カメラで採用されており、メーカーやモデルによって多少大きさに違いがあります。
「マイクロフォーサーズ」は、OLYMPUSやPanasonicの小型軽量モデルに採用されているイメージセンサーです。APS-Cよりもやや小さく、縦と横の長さが35mmフルサイズの約半分です。
センサーサイズの種類が違うと何が変わる?

ミラーレス一眼カメラは、センサーサイズによって画質やノイズ、本体サイズなどさまざまな違いがあります。
カメラ選びの際は、センサーサイズによる違いを理解したうえで、用途に合ったものを選ぶことが重要です。
ここからは、下記6つのセンサーサイズによる違いをご紹介するため、ぜひカメラ選びのご参考にしてください。
- ✔︎ 画質・画角が変わる
- ✔︎ ボケ感が変わる
- ✔︎ 階調が変わる
- ✔︎ ISO感度を上げた際のノイズが変わる
- ✔︎ 本体サイズ・重量・値段が変わる
- ✔︎ 対応カメラレンズが異なる
画質・画角が変わる
同じ画素数のカメラでも、センサーサイズが異なると画質に違いがあらわれます。
35mmフルサイズとAPS-Cで比較した場合、35mmフルサイズのほうが多くの光を取り込み、白とびや黒つぶれがしにくいため豊かな色彩を再現できます。
また、ノイズ量も抑えられるため、センサーサイズが大きいカメラは画質がよいといえるでしょう。
カメラのセンサーサイズが変わると、同じ距離で撮影しても画角が異なります。35mmフルサイズは、イメージセンサーの面積が大きいため、広範囲を写すことが可能です。
APS-Cは、35mmフルサイズよりも写せる範囲は狭くなりますが、被写体を大きく写せるメリットがあります。
ボケ感が変わる
ボケ感はセンサーサイズとレンズの絞り値によって変化し、センサーサイズが大きいほどボケが強くなります。
そのため、同じ絞り値のレンズを使用する場合、ボケ感が一番強いのは35mmフルサイズセンサーといえます。
センサーサイズの大きさによってボケ感が変化する理由は、焦点距離の違いです。焦点距離は、レンズの中心からイメージセンサーまでの距離です。
焦点距離は35mmフルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズの順に長くなります。焦点距離が長いほどピントの合う範囲も狭くなるため、ボケ感の強い写真が撮影可能です。
APS-Cサイズのカメラでボケ感を強くしたいときは、絞り値が小さい単焦点レンズの使用をオススメします。
階調が変わる
階調は、色のグラデーションを指す言葉です。センサーサイズが大きいと、取り込む光も多くなるため、白とびや黒つぶれを抑えられます。
35mmフルサイズは、夕陽や暗い場所など明暗差の大きいシーンの撮影でも、豊かな階調表現が可能です。
階調を表現するためには、露出可能な光の範囲「ダイナミックレンジ」の値を大きくし、明暗差を出す必要があります。
ミラーレス一眼カメラは、ある程度ダイナミックレンジの値が大きいため、「35mmフルサイズでなければ撮影できない」などのシーンは少ないでしょう。
APS-Cのイメージセンサーが搭載されたカメラでも、オートHDR機能でダイナミックレンジの値を大きくすると、白とびや黒つぶれを抑えて階調豊かな写真が撮影できます。
ISO感度を上げた際のノイズが変わる
ISO感度は、イメージセンサーで捉える光量を数値であらわしたものです。夜景や花火など光量の少ないシーンを撮影する際は、ISO感度を上げての撮影がオススメです。
センサーサイズが大きいと一度に取り込む光量も多くなるため、ある程度ISO感度を上げてもノイズを抑えられます。
また、被写体の細かさは、APS-Cよりも35mmフルサイズのほうが優れています。夜間や暗い場所の撮影であれば、35mmフルサイズが向いているでしょう。
APS-Cのカメラでも十分な光を取り込めるため、鮮やかな写真に仕上がります。
三脚などでブレないようにカメラを固定し、絞り値を小さくしてシャッタースピードも遅く設定すると、ノイズが抑えられきれいな写真が撮影可能です。
本体サイズ・重量・値段が変わる
ミラーレス一眼カメラは、センサーサイズに合わせて製造されています。そのため、イメージセンサーが大きい35mmフルサイズは、カメラ本体のサイズや重量も大きくなります。
一方、35mmフルサイズよりもイメージセンサーが小さいAPS-Cは、コンパクトで軽量設計のカメラに採用されているのが一般的です。
また、センサーサイズによってカメラ本体の価格帯にも違いがあります。中でも35mmフルサイズは、写真の質が高く、中上位モデル以上の高級カメラに採用される傾向にあります。
APS-Cは、初心者向けのカメラに搭載されることが多く、35mmフルサイズよりも比較的価格が抑えられている点も特徴です。
対応カメラレンズが異なる
センサーサイズが異なる場合、カメラレンズの大きさも変化します。たとえば、35mmフルサイズのカメラで使用しているレンズは、APS-C搭載のカメラでは使用できません。
APS-C搭載のカメラレンズを35mmフルサイズのカメラに使用すると、四隅に「ケラレ」と呼ばれる黒い部分が写り込んでしまいます。
ほかにもオートフォーカス機能が使えなかったり、手ブレ補正効果が得られなかったりと、さまざまなデメリットもあるでしょう。
35mmフルサイズ専用とAPS-C専用のレンズを比較すると、35mmフルサイズのほうがレンズも大きくかつ重さがあります。
さらに、フルサイズのイメージセンサーを搭載したカメラは、レンズのラインナップが少ない点がデメリットといえるでしょう。
近年では、APS-Cのイメージセンサーが搭載されたカメラが主流で、APS-C専用の交換レンズも数多く販売されています。
まとめ

センサーサイズは、カメラに搭載されている「イメージセンサー」の大きさをあらわす言葉です。
ミラーレス一眼カメラはセンサーサイズによって、画角や画質、ボケ感・階調などが異なります。さらに、カメラ本体のサイズや値段も変わってくるため、カメラを選ぶ際のポイントともいえます。
センサーサイズを知っておくことで、カメラを購入する際も自身がカメラへ求めることが鮮明になり、製品選びにも役立つでしょう。
画質や被写体の細かさなど、写真のクオリティにこだわりたい方には、35mmフルサイズが向いています。
カメラ初心者であれば軽量で持ち運びしやすく、さらに35mmフルサイズよりも安価に販売されている、APS-C搭載のカメラがオススメです。