- カメラ
- 2025.01.11
フィルムカメラ巻き上げに失敗する原因と対策!失敗を防ぐ練習方法も
フィルムカメラの巻き上げに失敗した経験はありませんか?フィルムカメラは、シャッターを押したタイミングで、装填(そうてん)されたフィルムが感光して撮影できる仕組みです。
そして、写真を1枚撮るごとに感光したフィルムを送る作業、「巻き上げ」が必要です。巻き上げに失敗すると、感光したりフィルムがちぎれたりと、撮影した写真が台無しになってしまうことも。
当記事では、フィルムカメラの仕組みに加え、フィルム巻き上げの重要性や失敗する原因と対策について詳しく解説いたします。
目次
フィルムカメラの仕組み
フィルムカメラは、デジタルセンサーの代わりにフィルムを使用して像を記録するカメラです。シャッターを押した瞬間に、装填したフィルムへ光を当てて撮像する仕組みです。
フィルムにはいくつか種類があります。モノクロフィルムは、フィルムの表面に塗布された臭化銀が光に当たり、金属の銀へ化学変化することでフィルムに像を残します。さらに、環境や道具がそろっていれば自身でも現像が可能です。
カラーフィルムは、赤・緑・青に反応する感光色素の層があり、それらの感光色素が対応している光を吸収します。
光を吸収した色素は周囲の臭化銀にエネルギーを与え、臭化銀が金属の銀へと還元される仕組みです。これらの仕組みによって、吸収した色に応じた像を残すことができます。
フィルムカメラで記録した像は、デジタルカメラのように撮影直後の画像が確認できません。
撮影した写真を確認するためには、フィルムの巻き上げを行いカメラから取り外した後、フィルムを現像する必要があることを押さえておきましょう。
フィルムを現像するには、フィルムに残った臭化銀を取り除く必要があります。現像液で洗い出した後、過度の洗い出しを防ぐために停止液に浸します。
そして、定着液で固定すると、フィルムに記録された像が浮かび上がる仕組みです。この状態のフィルムを、「ネガ(ネガフィルム)」と呼びます。
ネガの状態になったフィルムは、焼き付け機を使って印画紙上にプリントすると写真として確認できます。
最近では、フィルムスキャナを利用してデータ化したり、専用のプリンターで印刷したりが可能になりました。
「フィルムカメラの特徴」についてより詳しく知りたい方は、下記の記事もご参考にしてください。
▶︎ フィルムカメラとは?【カメラの豆知識】
フィルムカメラの巻き上げに失敗するとどうなる?
フィルムカメラは、写真を1枚撮影するごとにフィルムを送る作業が必要です。そして、一連の作業を「巻き上げ」といい、フィルムが適切な位置に送られることで映像を適切に残せるのです。
巻き上げに失敗した場合、撮影済みのフィルムが光にさらされて全体が感光し、撮像も失われるという事態になりかねません。
また、フィルムを強く巻き上げてカメラの中でちぎれてしまうと、現像やプリントが難しくなるケースもあるため注意しましょう。
フィルムカメラの巻き上げに失敗する主な原因と対策
フィルムカメラの巻き上げに失敗すると、せっかく撮影した写真がきれいに現像されない恐れがあります。フィルムカメラの巻き上げに失敗する主な原因は、以下のとおりです。
- ✔︎ フィルムが適切に装填されていない
- ✔︎ フィルムがちぎれてしまった
- ✔︎ 巻き上げを忘れて撮影
- ✔︎ 本体の電池切れや故障
カメラ本体やフィルムに不具合が発生した場合は、無理に操作したりカメラの裏蓋を開けたりせず、フィルムカメラの専門店に相談しましょう。
また、フィルムカメラの巻き上げの失敗は、対策次第で未然に防ぐことが可能です。
フィルムカメラの巻き上げに失敗する主な原因と対策について詳しく確認し、フィルムを無駄にしたり写真を全滅させたりしないための対処法をチェックしましょう。
フィルムが適切に装填されていない
フィルムカメラの巻き上げに失敗する原因の1つとして、フィルムが適切に装填されていないことが挙げられます。カメラの中でフィルムが外れて感光してしまわないよう、正しい方法で装填することを心がけましょう。
フィルムの正しい装填方法
直射日光が当たらない場所で、カメラの裏蓋を開けましょう。「巻き戻しクランクを上に引き上げる」「側面のレバーを引っ張る」などの方法で開けられるケースがほとんどです。
フィルムを筒(パトローネ)ごとパトローネ室にセットします。シャッター幕に触れないよう注意しながら、巻き戻しクランクを元の位置に戻しましょう。
フィルムの先端をゆっくり引き出してスリットに差し込みます。スリットからフィルムの先端が抜けないよう注意しながら、巻き上げレバーで少し巻き上げましょう。
フィルム上下の穴が、歯車(スプロケット)に噛み合っていることを確認してください。
フィルムをセットできたら、「フィルムの先端が確実にスリットに入っている」「フィルムの穴と歯車が噛み合っている」の2点を確認したうえで、裏蓋を閉めてください。
巻き上げクランクを時計回りに軽く回し、フィルムの緩みをなくしましょう。
フィルムカウンターの表示が「1」になるまで、「シャッターを切る」「巻き上げる」の操作を繰り返しましょう。フィルムが正しく装填されていれば、巻き上げる際に巻き上げクランクが回ります。
巻き上げクランクが動かない場合は、フィルムの装填に失敗している可能性が高いため、フィルムのセットをやり直しましょう。
フィルムがちぎれてしまった
フィルムの最後まで撮影したにもかかわらず、さらに力を加えて無理にフィルムを巻き上げると、カメラの中でフィルムがちぎれる恐れがあります。
「既定枚数を超えてもシャッターが切れる」「巻き戻しがなかなか終わらない」などの場合は、フィルムがちぎれている可能性も。
フィルムがカメラ内でちぎれないためには、装填したフィルムの既定枚数よりも多く巻き上げないことが大切です。
「フィルムがちぎれてしまった」と不安に感じた場合は、裏蓋を開けずにフィルムカメラの専門店に持って行き、プロに相談するなどの対処を行いましょう。
巻き上げを忘れて撮影
フィルムの巻き上げ機構とシャッターを切る機構が連動している機種は、フィルムの巻き上げを行わなければ次のシャッターが切れません。
一方、2つの機構が連動していない機種は、巻き上げを行わずとも次のシャッターが切れます。
巻き上げを忘れた状態でシャッターを切ると、撮影済みのフィルム部分へ重複するように像が残る「多重露光」といった現象が起こります。
そのため、「巻き上げを行ったうえでシャッターを切る」と覚えておきましょう。
本体の電池切れや故障
フィルムの巻き上げを自動で行う機種は、本体の電池切れや故障により巻き上げの途中で動かなくなるケースがあります。
「レバーが固い」「歯車に引っかからない」などで巻き上げができない場合は、自身で無理に動かそうとせずプロへ修理を依頼しましょう。
また、巻き戻し完了と表示されているにもかかわらず、フィルムが筒(パトローネ)に収まっていない可能性があります。
巻き取りができていないフィルムを見つけた場合は、感光をなるべく防ぐためにすぐ裏蓋を閉めましょう。
本体の電池切れや故障によって巻き上げ・巻き戻しができなくなった際は、無理に操作を続けず専門の店舗に持って行き相談することが重要です。
さらに、何度も同じ失敗が起きる場合は、巻き上げ・巻き戻し以外の原因も考えられるため、一度カメラのプロに確認してもらうことをオススメします。
フィルムカメラの巻き上げ練習方法
フィルムカメラの使い方は、機種によって少し異なります。フィルムカメラ初心者はもちろん、使ったことがない機種を初めて使う際は、最初に巻き上げの練習をしておきましょう。
練習では高価なフィルムではなく、安価なフィルムや期限切れのフィルム、過去に失敗したフィルムの利用がオススメです。巻き上げの操作を解説した動画やサイトなどを確認して、機種に合った練習を行いましょう。
なお、購入時にカメラ専門店でやり方を教えてもらったり、練習させてもらったりできる場合もあります。プロに相談・質問しながら、フィルムカメラの適切な扱い方を勉強しましょう。
まとめ
フィルムカメラの巻き上げに失敗すると、感光や多重露光、さらにフィルムがちぎれるリスクがあります。
巻き上げの失敗を防ぐためには、フィルムをきちんと装填することが重要です。機種によっては、手動で巻き上げが必要な場合もあるので確認しておきましょう。
また、「機材の不具合でレバーが動かない」「フィルムが歯車に引っかからない」などのトラブルが発生した場合は、無理に自力で解決しようとせず、カメラ専門店などに持ち込むことをオススメします。