カメラのフルサイズとは?APS-Cとの違いやメリットを解説!
本格的なカメラを選ぶ際に避けて通れないのが、カメラの性能や機能に対する知識です。よく分からないまま購入を決めると、必要な機能が搭載されていないカメラを選んだり、反対にオーバースペックなカメラを選択したりすることもあります。カメラを選ぶ場合は、撮影したい被写体や撮影スタイルに合わせて選ぶことが大事です。
当記事では、カメラのフルサイズのメリットやデメリット、フルサイズカメラの選び方やAPS-Cとの違いについて解説します。自分に合ったカメラを選びたいという方は、ぜひ参考にしてください。
目次
カメラのフルサイズとは?
カメラのフルサイズとは、一眼カメラに内蔵されている撮像素子(イメージセンサー)の大きさのことです。一眼カメラのイメージセンサーは、一般的に4種類です。
- ✔︎ ラージフォーマット(約43.8mm×32.9mm)
- ✔︎ フルサイズ(約36.0mm×24.0mm)
- ✔︎ APS-C(約23.6mm×15.8mm)
- ✔︎ マイクロフォーサーズ(約17.3mm×13.0mm)
このなかで2番目に大きなセンサーサイズを有しているのがフルサイズイメージセンサーになります。スポーツや報道、ポートレート、風景などさまざまな用途で使われることから多くの企業からフルサイズカメラが販売されています。
フィルムカメラ用のフィルムサイズ(35mm)と、フルサイズ(約36.0mm×24.0mm)が近いことがフルサイズの名前の由来です。この35mmのフィルムのサイズをフルフレームとして、イメージセンサーの大小を図っているため、サイズの近いフルサイズカメラがフルサイズと呼ばれています。
フルサイズは製造コストが高いものの、生成される写真の質は非常に高く、高画質・高精細な写真撮影が可能です。引き伸ばした際の鮮明さや、ボケ感が綺麗に映し出されます。
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APS-Cとは
APS-Cもまた、カメラのセンサーサイズのことを指します。こちらもフルサイズの由来と同じ様にアドバンスフォトシステム(APS)からきており、さらに細かくHサイズ、Cサイズ、Pサイズがあるのが特徴です。
デジタルでは、おもにCサイズに近いものが採用されており一つの規格としてAPSCと呼ばれています。また、CanonのEOS-1D MarkIVやSIGMAのsd Quattro HのようにAPS-Hのセンサーサイズを用いたカメラも存在します。
一般的にはフルサイズの廉価版として扱われることが多く、初級機から中級機に広く使われているのが特徴です。
また、センサーサイズが小さいことから、望遠で撮影する際にフルサイズよりも1.5〜1.7倍の画角で撮影が可能です。そのため、プロのフォトグラファーでも、意図的にAPS-Cのカメラを使用することもございます。
カメラのフルサイズとAPS-Cの違い
画角 | フルサイズ: センサーの面積が大きいため、広い範囲が写せる | APS-C: 撮影範囲が狭いが、被写体を大きく写せる |
---|---|---|
ボケ量 | フルサイズ: 大きくボケる | APS-C: フルサイズに比べるとボケ量は少ない |
暗所性能 | フルサイズ: 暗いシーンでも多くの光を取り込み、ノイズを抑えたディティールの細かい写真が撮影可能 | APS-C: 暗いシーンも鮮やかに撮影できるが、ノイズが入りやすい |
階調 | フルサイズ: 白飛びや黒つぶれを抑えることが可能 | APS-C: 明暗差の大きなシーンでは、白とびや黒つぶれが発生しやすい |
サイズと重さ | フルサイズ: APS-Cセンサーモデルと比べるとやや大きく、重くなりがち | APS-C: 軽量でコンパクト |
イメージセンサーの大きさ | フルサイズ: 約36.0×24.0(mm) | APS-C: 約23.6×15.8(mm) |
フルサイズカメラとAPS-Cカメラは、レンズの大きさの違いはもちろん、画角やボケ量、諧調など写真の性能が大きく異なります。フルサイズカメラは、APS-Cカメラと比べて1画素あたりの面積が大きいです。多くの画像情報をセンサーに取り込めるため、高画質な撮影ができます。
フルサイズカメラのメリットとデメリット
フルサイズカメラがプロの写真家に愛される理由には、最新機能を搭載したカメラが多いことが挙げられます。近年では、4K動画撮影時のスローモーション撮影や動画撮影時の手ブレ補正、写真と動画の独立設定などです。
レンズの選択肢が多いことや外部ボタンが多く設定を瞬時に操作できるモデルが多いことも、フルサイズカメラが人気な理由の1つでしょう。カメラは長く使うアイテムのため、撮影シーンやスタイルに合わせて選ぶのがオススメです。
以下では、フルサイズカメラのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
カメラのフルサイズのメリット
フルサイズカメラのメリットは、写真のクオリティの高さとカメラの使いやすさです。以下では、フルサイズのカメラのメリットを解説します。
フルサイズカメラは、APS-Cやマイクロフォーサーズに比べてボケが大きくなるため、比較すると写真のクオリティの違いは一目瞭然です。フルサイズカメラを好んで使用する方の大半が「ボケ味」を魅力の1つに挙げています。ボケの大きさは動画撮影時も効果を発揮するため、雰囲気のある作品作りに貢献してくれます。
フルサイズカメラの愛用者の中には、「夜間撮影時のクオリティの高さ」を最大のメリットとして捉えている方も多いです。ザラザラとしたノイズが入りやすい夜間撮影ですが、フルサイズカメラはノイズ発生防止機能があり、星空や夜景、室内などの暗いシーンを撮影イメージ通りに映し出せます。
フルサイズカメラは明暗差のある撮影シーンで活躍します。光を多く取り込めるため、白飛びや黒つぶれを抑えられるためです。明部や暗部でも階調を豊かに表現することが可能です。
より広い範囲を撮影するシーンで、フルサイズカメラは有利となります。一面に広がる風景写真や室内を広く見せたいとき、大きな被写体に近づいて全体を写したいときも、迫力のある写真を撮影することが可能です。
カメラのフルサイズのデメリット
メリットの多いフルサイズカメラですが、デメリットも存在します。フルサイズカメラのデメリットは次の通りです。
フルサイズカメラは、APS-Cカメラと比べて価格が高いモデルです。ボディとレンズをあわせて、数万円から数十万円単位の価格になります。カメラに数十万円という金額はかけられないという方は、APS-Cカメラの検討をオススメします。
フルサイズカメラはAPS-Cカメラと比べて、カメラ本体がひと回りからふた回りほど大きく、持ち運びや撮影時に苦労することがあります。重さもボディと撮影レンズを合わせて1kgを越えるケースも珍しくありません。
子どもやペットの撮影などでは、機材の大きさが仇となりシャッターチャンスを逃してしまう場面もあるでしょう。子どもやペットの撮影時にはサイズの小さなカメラが適していると言えます。
フルサイズカメラの選び方
フルサイズカメラには、一般的に一眼レフカメラとミラーレス一眼カメラがあります。一眼レフカメラとミラーレス一眼カメラの大きな違いは、鏡の有無です。
一眼レフカメラにはボディの内部に鏡が組み込まれ、鏡に反射する外光がボディのファインダーに映ります。一方ミラーレス一眼カメラは鏡がなく、被写体や景色は直接液晶モニターに映し出されます。
一眼レフカメラは歴史が長く、製品もミラーレス一眼カメラに比べ多種多様です。用途や環境に特化したボディや専用レンズが多く、工夫できるカスタム性も魅力です。
しかし、構造上ボディが重く大きくなりがちで、高価格な製品が目立ちます。
一方ミラーレス一眼カメラは小型軽量で、携帯性の高いボディが特徴的です。昨今は各カメラメーカーから一眼レフカメラに劣らない性能の機種も出てきました。カメラ初心者でもスマートフォンやデジタルカメラのように直感的に操作できるものが多く、手に取りやすい価格も魅力的です。
デメリットとしては、一眼レフカメラに比べて機種やレンズの種類が少ないことが挙げられます。より専門性が高く、高品質な画質を求める場合は一眼レフカメラがオススメです。
以下では、一眼レフカメラとミラーレス一眼カメラにおける、フルサイズカメラの選び方を解説します。
有効画素数
有効画素数とは、一枚の画像を表現するために使用している画素の数のことです。カメラ有効画素数は解像度に大きく影響します。
フルサイズの一眼レフは2,000万画素以上のモデルが主流で、2,000万画素があればA3のような大きい写真紙にプリントする場合も高精細で美しい写真を印刷できます。中には6,000万画素を超えるモデルもありますが、高価になるため必要性・予算に応じて選んでください。
AF性能と連写性能
AF性能と連写性能は、動体撮影の機会が多い方にとって重要な指標です。
AF(オートフォーカス)性能とは、カメラが被写体にピントを自動で合わせてくれる機能を指します。動きのある被写体に対して、どれだけ瞬時かつ正確にピントを合わせられるかがポイントです。一般的に新しいモデルほど、AFセンサーの性能が高い傾向にあります。
また、シャッターボタンを押し続け連続的にシャッターを切ることを「連写」といいます。1秒間に何コマ連写撮影ができるかという指標が連写性能です。
一眼レフカメラの連写速度は5コマ/秒〜14コマ/秒と幅広いのが特徴です。連写速度が速いほど(コマ数が大きいほど)瞬間的に撮影できるコマ数が多いので、決定的瞬間を捉えやすいというメリットがあります。
重さとサイズ
カメラを使用する際に意外と気になるのが、重さとサイズです。
フルサイズカメラは性能が高い分、重く大きくなる傾向にあります。
フルサイズ一眼レフカメラの重量は0.8kg〜1kgが主流ですが、中にはカメラボディとレンズで2kgを超えるモデルも存在します。
購入の際には、軽めの一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラも候補に入れて検討しましょう。
フルサイズカメラに乗り換えよう!
ここまで、フルサイズイメージセンサーの魅力をお伝えしてきました。
「でも、フルサイズカメラは高いしなあ……」と思われた方もいるかもしれません。
福ちゃんではAPS-Cのカメラはもちろん、古くなって動作するかわからないカメラも無料で査定を行っております。機材の乗り換えに少しでも貢献できるような価格を提案してまいりますのでぜひご利用くだささい。
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まとめ
カメラのフルサイズとは、光を取り込みカメラの映像となるイメージセンサーの大きさのことです。
フルサイズは、画質の良さやボケの利いた奥行きのある写真が撮れることから、プロからアマチュアまで幅広い層に使われています。
もちろん、フルサイズカメラが一番優れているというわけではございませんが、もしもまだフルサイズカメラを使ったことがない方であれば、ワンランク上の画質や質感を体験してみるのもいいかもしれません。