カメラの三脚を選ぶポイントを7つ解説!主要メーカーの特徴も
カメラ撮影の際に三脚を使えば、自分でカメラを持つ必要がなく、手ブレを抑えて撮影したい構図を長時間キープできます。三脚があることで撮影の幅が広がり、撮影スキルも磨かれるでしょう。ただし、三脚は撮影スタイルや使用するカメラに合わせたものを選ばなければ、上手に活用できない場合もあります。
当記事では、カメラの三脚を選ぶポイントを7つ解説します。三脚の主要メーカーの特徴も上げるため、三脚購入の際にぜひお役立てください。
目次
三脚の選び方のポイント
写真撮影にカメラ三脚を使用することには、多くのメリットがあります。
- ✔︎ 手ブレを抑えられる
- ✔︎ 狙った構図を長時間キープできる
- ✔︎ ローアングルや高い位置からの撮影が容易になる
- ✔︎ 夜景撮影や光跡の撮影など撮影技法の幅が広がる
三脚が活躍する撮影シーンは多く、カメラを使う機会が増えるほど三脚の必要性を感じることでしょう。三脚を使った撮影は写真のクオリティを上げ、撮影スキルを磨く点でも役立ちます。
ここでは、ニーズに合った使いやすい三脚の選び方を紹介します。以下の7つのポイントを比較検討しましょう。
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カメラの種類
カメラの種類によって、適した三脚が異なります。一眼レフカメラやミラーレス一眼、ビデオカメラなど一般的なカメラは国際規格のネジ穴が付いていて、どの三脚でも設置可能です。
しかし、スマートフォンで撮影するなら、ホルダーの付いたスマホ用三脚が適しています。カメラ本体にネジ穴のないアクションカメラの中には、アダプターを使って三脚に取り付けられるタイプもあります。
積載重量
三脚に載せるカメラの本体重量は、最大耐荷重の1/2〜1/3程度に抑えるのが一般的です。最大耐荷重を超えるカメラを三脚に設置すると倒れて、カメラが破損する恐れがあります。
一眼レフカメラやミラーレス一眼は、レンズの重量も加わります。望遠レンズなど長さのあるレンズは、三脚の固定部分に機材重量以上の負荷がかかるため注意が必要です。耐荷重は目安とし、使用機材に合わせて安定性の高い三脚を選んでください。
大きさと高さ
センターポールのサイズと伸縮範囲を確認しましょう。屋外撮影には、脚の段数が多くて縮長が短くなり、コンパクトに持ち運べるタイプがおすすめです。パイプ径が太いほど安定性が高くなります。
植物や小動物などのローアングル撮影には、一番低い位置である「最低全高」は10cm台まで下げられる三脚がよいでしょう。風景や人物撮影は、目線の高さでカメラを構えるのが理想的なため、一番高い位置である「最高全高」は撮影者の身長より20〜30cmほど低い高さが必要です。
パイプの素材
一般的に三脚の脚パイプの素材は、アルミかカーボンのどちらかです。アルミ製は重くて安定感があるため、室内での撮影におすすめです。安価なものが多いため、三脚を使うのが初めての人でも購入しやすいでしょう。しかし振動に弱く、屋外でのスローシャッター撮影には向いていません。
カーボン製は軽くて振動が伝わりにくいのが特徴で、外への持ち運びに適しています。ただし軽量さはメリットになる反面、重量のあるカメラとレンズを設置した際に安定性に欠ける場合があります。
脚の固定方法
三脚の脚ロックの方式は、4種類あります。
固定方法によって操作性やロック状態の視認性が異なります。使い心地を確かめ、使い勝手がよいと感じる固定方法の三脚を選ぶことをおすすめします。
雲台のタイプ
- ✔︎ 3way雲台
- ✔︎ 2way雲台
- ✔︎ 自由雲台
- ✔︎ ギア雲台
- ✔︎ ジンバル雲台
- ✔︎ ビデオ雲台
カメラを連結する部分を雲台(うんだい)と言い、雲台タイプは上記のように大きく6種類に分けられます。
一般的なのは「3way雲台」で、2つのハンドルで上下左右にカメラを傾けられます。さまざまな構図に対応でき、風景やスタジオ撮影に向いています。ハンドルが1つの「2way雲台」はカメラアングルを変えやすく、屋外の動きのある撮影におすすめです。
可動性を重視するなら可動部がボールになっている「自由雲台(ボール雲台)」、微調整して厳密に構図を決めたい撮影には「ギア雲台」が適しているでしょう。「ジンバル雲台」は重心のバランスが調整でき、望遠レンズなど重い機材を設置する際に使われます。
「ビデオ雲台」は、動きが滑らかで動画撮影向けの雲台です。重いレンズを付けてもスムーズに向きを変えられるため、望遠レンズでの静止画撮影にも使われます。
設置時の機能
設置や構図決めに役立つ機能性も、三脚選びでのチェックポイントです。カメラが水平か確認できる水準器が搭載されている三脚もあり、写真の傾きを防げます。
ほかにも、可動部分を滑らかにするフリュー機構やワンタッチでカメラの着脱ができるクイックシュー機構が付いていると、三脚の利便性が向上するでしょう。
三脚の主なメーカーを紹介
カメラ用三脚を製造しているメーカーは数多くあります。個性豊かな三脚がシリーズ展開されているため、メーカーごとの特徴や製品の傾向を把握し、メーカーを絞った選び方もおすすめです。
ここでは、三脚を製造しているメーカーの中から、代表的な3社の特徴を紹介します。
ベルボン(Velbon)
- ✔︎ Made in Japanの品質管理
- ✔︎ ウルトラロック方式を主に採用
- ✔︎ カーボン三脚・小型トラベル三脚・中型アルミ三脚の3シリーズ展開
ベルボン(Velbon)は1955年に創業した三脚の国内メーカーで、現在ではカメラ用品を手がけるハクバ写真産業のブランドの1つとして三脚を展開しています。
国内メーカーとして品質の安定性が高く、安心してカメラを設置できます。携帯性に優れた三脚が多く、3つのシリーズに沿って用途に合う三脚を絞りやすいでしょう。
マンフロット(Manfrotto)
- ✔︎ 高性能かつデザイン性の高いアイテムが多
- ✔︎ プロ使用から手頃な価格のモデルまでラインナップが豊富
- ✔︎ 本格的な三脚をメインにニーズやトレンドに合った製品も展開
イタリアの老舗三脚メーカーのマンフロット(Manfrotto)は、世界の最大手三脚ブランドです。1972年創業の伝統を反映させた老舗メーカーの三脚には、上記のような特徴があります。
マンフロットの三脚は、おしゃれなデザインながら使いやすさにこだわった設計が人気です。
世界中のフォトグラファーが愛用している上級者向けの三脚とトラベルタイプの両タイプがあり、プロから初心者まで使用できます。
スリック(SLIK)
- ✔︎ レバー式とナット式の両方がある
- ✔︎ テーブル三脚から高さ1720mmの大型三脚までバリエーション豊富
- ✔︎ 雲台やクイックシューなどアクセサリー充実
スリック(SLIK)も、長年に渡って三脚を製造している国内メーカーです。
1948年に最初の三脚を作り、先進技術を追求した高品質の三脚を数多く販売しています。カメラの付け替えを容易にするクイックシューや開脚角度の調整を確実に設定できる開脚ストッパーなど先進技術を反映しています。
豊富なアクセサリーとラインナップで商品の選択肢が多く、自分に合った三脚を見つけやすいでしょう。
まとめ
カメラの三脚を選ぶ際は、三脚の大きさや高さ、パイプの素材、脚の固定方法などを撮影スタイルに合ったものを選ぶことが大事です。三脚は素材によって重さが異なり、野外での撮影には軽量のものが役立ちます。
ただし、耐荷重が軽いとカメラの重さに耐えられず、三脚が倒れることもあるため、カメラの重さと最大耐荷重のバランスには注意しましょう。
三脚で有名なメーカーには「ベルボン」「マンフロット」「スリック」があります。ベルボンとスリックは国内メーカーで、高品質で安定性の高い三脚を販売しているのが特徴です。マンフロットはおしゃれなデザインで使いやすさにこだわった設計が人気の、イギリスの老舗三脚メーカーです。