カメラレンズを選ぶポイントを紹介!シーンに合ったカメラの特徴も
一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラの魅力の1つに、カメラのレンズ交換があります。レンズはいくつか種類があり、レンズを変えることで写真撮影の幅が広がります。広大な景色やバードウォッチングなどシーンに合わせてレンズを変え、理想の構図やボケ感を実現することで写真撮影をもっと楽しめるでしょう。
当記事では、カメラレンズを選ぶポイントを5つ、またシーンに合わせたカメラレンズの特徴を解説します。レンズの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
カメラレンズの選び方のポイント
カメラレンズは「写せる範囲」「ボケ感」「画質のよさ」などを左右する、重要な役割を担っています。同じカメラを使っていてもレンズを変えるだけで、写真の雰囲気を大きく変えられます。
ただ新たなレンズを買おうと思っても、製品が多すぎてどれがよいのか分からない方もいるでしょう。以下では、カメラレンズの選び方のポイントを解説します。
レンズのタイプ
カメラレンズは大きく分けて下記の種類に分類されます。
単焦点レンズは、ズーム機能がないシンプルなつくりのレンズです。背景をぼかし、手前にある物に焦点をあてた印象的な写真を撮影できます。他のレンズより価格が安く、手に入れやすいのも特徴です。ただし、ズームができないため遠くにあるものを撮りたいときは自分が近づく必要があります。普段ズームを使いこなしている場合は少し不便に感じることもあるでしょう。
標準レンズは、日常を写しやすい使い勝手のよいレンズです。ズーム機能を利用すると、同じ立ち位置でも違った画角の写真が撮れます。標準レンズを1つ持っていればさまざまな場面に対応できるため、カメラ初心者のレンズとしてもおすすめです。
望遠レンズは、遠くのものを大きく写したい場合に適したレンズです。電車や飛行機などの乗り物や子供の運動会など、被写体に近づけないときでも高画質な写真を撮影できます。
広角レンズは、広い範囲を撮影できるレンズです。山の上から撮る風景写真や、世界遺産や大きい建造物も、撮影したい範囲をしっかり捉えられます。写る範囲が広いので、1枚の写真でその場の雰囲気を伝えやすいレンズです。
カメラの種類について詳しくはこちら↓
カメラの種類を6つ紹介!自分に合ったカメラの見つけ方も
焦点距離
「焦点距離」とは、レンズの中心からカメラの内部にあるイメージセンサーまでの距離を指します。25mmや50mmのように「mm」を単位とした数値で、カメラレンズ購入時には必ず記載されている項目です。ズーム機能があるものは「20〜55mm」のように、焦点距離の範囲が示されています。
焦点距離は、数字が小さいと広い範囲を撮影でき、数字が大きいと遠くのものを拡大して撮影できるのが特徴です。
標準レンズは、人間の視野に近いと言われている35mmのものがほとんどです。35mmよりも数字が小さい10mmなどは広角レンズ、数字が大きい70mmなどは望遠レンズに分類されます。
対応マウント
「マウント」とは、レンズとカメラの接続部分のことです。マウントにはさまざまな種類があり、メーカーによっても名前が異なります。
マウントが合っていないとレンズとカメラを装着できません。レンズを別で購入する場合は、自分が持っているカメラとマウントが一致するかは必ず確認しましょう。
F値
「F値」は、シャッターボタンを押した際に絞られる、レンズ内の穴の大きさを数値化したものです。F1.8など数値が小さいほどレンズ内の穴は大きくなり、より多くの光を取り込めます。反対にF22など数値が大きくなると穴は小さくなり、取り込める光の量が少なくなります。暗い場所での撮影など写真を明るくしたい場合は、F値が小さいレンズがおすすめです。
F値は背景のボケ味にも関係し、数値が小さいとぼかしやすく、大きいとぼかしにくくなります。背景をぼかす印象的な写真を撮りたい場合は、F値を小さくできるレンズを選ぶとよいでしょう。
センサーサイズ
「センサーサイズ」は、カメラに内蔵されているイメージセンサー(撮像素子)の大きさを指します。サイズは「フルサイズ」「APS-C」「マイクロフォーサース」と、大きく3つに分けられます。センサーサイズが大きいほど多くの光を取り込めるので、色表現が豊かな写真を撮れるのが特徴です。
ただしレンズを選ぶ際には、持っているカメラのセンサーサイズに対応したものを選びましょう。それぞれのレンズは、カメラ本体のセンサーサイズに合わせて設計されています。相性のよいレンズとの組み合わせが、よりよい写真を撮るためのコツです。
シーン別のカメラレンズの選び方
カメラレンズは種類が多く、どれを選ぶべきか悩みがちです。価格も高いので「別のレンズにすれば良かった」と後悔もしたくないでしょう。
ただ、「星空の撮影は超広角レンズ」「ペットの撮影には単焦点レンズ」など、そのシチュエーションに合ったカメラレンズは存在します。撮影するものが決まっているのであれば、それに合うレンズの購入がオススメです。ここから撮影シーン別に、オススメのカメラレンズを紹介します。
人物
人物を際立たせた肖像写真を「ポートレート」と言います。ポートレート撮影では背景をぼかし主役を際立たせるため、背景がぼけやすい単焦点レンズや望遠レンズを選ぶとよいでしょう。
背景のボケに最も関係するのが、F値です。レンズに設定されているF値が小さいほど、背景がぼけやすくなります。主にポートレートをメインに撮影する場合は、F値の最小値である「開放F値」が小さいレンズを選びましょう。
風景
山頂からの景色や花畑など、風景撮影のときは「広角レンズ」がおすすめです。肉眼で見える範囲よりも幅広く写真に収められるので、実際に景色を見たときとは違った迫力のある1枚を撮影できます。広角レンズは写真全体のピント合わせをしやすいので、花などの一つひとつの物をよりくっきりと写してくれるのも魅力です。
広角レンズでF値を大きく設定して撮影をすると、全体的にピントが合ったシャープな印象の写真を撮影できます。雄大な風景を鮮明に写真に残せるでしょう。
テーブルフォト
1つの料理を主役に写したいのであれば、背景をぼかした写真が撮れる「単焦点レンズ」が適しています。
単焦点レンズには、F値の最小値である「開放F値」の小さいレンズが多くあります。背景をぼかし、料理を目立たせた写真の撮影が可能です。また、開放F値が小さいと光を多く取り込めます。レストランやカフェなど、やや暗いシチュエーションでも明るい写真を撮影できるでしょう。
鉄道
鉄道は遠い場所からの撮影が多くなるため、遠くからでも高画質で撮影できる「望遠ズームレンズ」が最適です。
桜や紅葉、田舎風景の中に鉄道を写したい場合は、電車が主役になるよう背景をぼかすと雰囲気のある写真を撮影できます。背景をぼかすために、F値が2.8以下のレンズを使用するのもよいでしょう。F値が低いとシャッタースピードが速くなり、短時間でより多くの写真を撮影できる利点もあります。
動き続ける電車をきれいに捉えられるよう、手ブレ補正機構があると鮮明な写真を撮れます。持ち運ぶことも考えて、重すぎない望遠レンズを選ぶのもポイントです。
まとめ
カメラレンズを選ぶ際はまず、カメラのマウントを必ず確認しましょう。カメラとレンズのマウントが異なるとレンズをカメラに装着できないため、購入しても使用できません。
レンズには単焦点レンズや標準レンズ、望遠レンズ、広角レンズといった種類があるため撮影スタイルに合わせてレンズを選ぶのがポイントです。人物を撮影する場合は、背景のぼけやすい単焦点レンズや望遠レンズ、また風景には広範囲を写せる広角レンズが向いています。