一眼レフカメラで「ボケ」を上手く撮ろう!撮影ポイントを紹介

一眼レフカメラでは、被写体にピントを当てて背景を綺麗にぼかした写真が撮れます。ぼけた写真はふんわりとした雰囲気や、被写体を目立たせる演出ができます。初心者でもボケた写真は撮れますが理想のボケ感ある写真を撮るには、ぼかす方法をいくつか知っておくのがおすすめです。

当記事では、一眼レフカメラで背景をぼかすポイントを7つ、またぼかしの撮影テクニックを4つ紹介します。一眼レフカメラの撮影技術を伸ばしたいという方は、ぜひご一読ください。

一眼レフカメラで背景をぼかすポイント7つ

一眼レフカメラで背景をぼかすポイント7つ

  • ✔︎ 絞り(F値)
  • ✔︎ 焦点距離
  • ✔︎ 撮影距離
  • ✔︎ 被写体と背景の距離

一眼レフカメラの魅力は、撮り方の工夫次第で狙った部分へぼかし表現を取り入れられることです。ぼかすために重要となる要素として、上記の4つが挙げられます。

カメラ本体の設定でぼかしを入れる方法が、絞り(F値)や焦点距離です。F値の数字や焦点距離を調整するとボケの範囲を指定できます。活用次第で1つまたは複数の被写体を目立たせたり、背景のみをぼかしたりできます。

カメラ本体や被写体の位置取りでぼかしを演出できる方法が、撮影距離や、被写体と背景の距離です。カメラ本体の設定を行わなくとも被写体に近づいて撮影したり、ぼかしたい対象をピントから遠ざけたりすると、背景にボケを入れられます。

4つの要素を念頭に置きつつ、下記ではより具体的なポイントを解説します。

絞り優先モードで撮る

一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラを使用する場合、もっとも手軽にぼかしを入れる方法が絞り優先モードの活用です。設定が難しいシャッター速度を、自動でコントロールしてくれます。メーカーによってAモード、Avモードと表記は異なるものの、基本的な動作に違いはありません。

絞り優先モードに切り替え、任意のF値を設定すれば初心者でも魅力的なぼかしを入れられます。接写やマクロ撮影を行うときは、F値を小さく設定しすぎないことがピントボケを防ぐコツです。

手ブレが気になる方はISO感度を自力で調節せず、オートモードでカメラ本体に任せることをおすすめします。

F値を小さくする

絞り機能でカメラのレンズに入る光量を調節すると、狙った部分のみぼかせます。調節するときの目安が、絞り具合を表すF値です。

F値の数字が小さくなるほど、広範囲にぼかしを入れられます。同じ距離から撮影したとき、小さいF値を設定して1つの被写体のみ際立たせることもできれば、大きめの値で複数の被写体をくっきりと写すこともできます。

注意点は、レンズの品質ごとにF値の数値が異なることです。同じようなボケを演出しようと思った場合、レンズによって異なるF値を設定する必要があります。

被写体に近づく

効果的にボケ味を演出するには、被写体とカメラの距離を可能な限り短くすることも重要です。被写体との距離が開いていると背景はボケにくくなり、F値を調節しても思うような効果が現れません。

背景がイメージ通りにボケるよう、被写体に「あと一歩でピントが合わなくなる」距離まで近づいて撮影しましょう。ただし、近づきすぎると背景に対して被写体の占める割合が大きくなるリスクもあります。全体のバランスも考慮しつつ、可能な範囲で近づくことがポイントです。

ズームをする

背景をぼかすのに初心者向けの手軽な方法が、ズーム機能を活用することです。ズームレンズで可能な限りズームさせて撮影しましょう。

ズームをするときはズームレンズの構造上、F値は大きくなります。F値が変化するのは普通のことで故障ではないため、安心して写真を撮ってください。

同じ距離で被写体を撮影しても、ズームの大きさ次第でボケの範囲はさまざまです。ズームの距離が短ければ、背景の木や葉など細かい部分の形を多少残しつつ撮影でき、長ければ抽象画のように大きなボケを入れられます。

単焦点レンズを使う

ぼかしの方法に慣れた方へおすすめの次のステップが、単焦点レンズです。単焦点レンズはズーム機能がなく、シンプルな構造をしています。

単焦点レンズの最大の魅力は、ぼかしに重要なF値を小さくしたレンズ設計が採用されていることです。ミラーレスカメラを購入したときに付属することのある「パンケーキレンズ」も、単焦点レンズにあたります。

使い方もF値を絞るのみでシンプルなため、カメラ撮影中級者はもちろん気軽にボケを楽しみたい初心者にも適したレンズです。

背景と被写体を離す

カメラ設定をせず手軽にぼかしを入れられる方法が、被写体と背景の距離を開けることです。被写体にピントを合わせると、自然に背景はボケた状態となります。

屋内で撮影する場合など距離を稼ぎにくいときは、下や上からのアングルがおすすめです。多少なりとも背景との距離ができ、ボケ感を加えられます。

レンズの望遠側を使う

ズーム機能の活用は、気軽にボケを取り入れられるテクニックの1つです。より効果的にぼかしたいときは、遠くまでズームできるタイプの望遠レンズがおすすめです。

ズームレンズと望遠レンズの違いは、遠くの被写体を大きく写せる能力の差にあります。望遠レンズのほうが長距離の撮影を得意としている分、広範囲にボケ味を入れられます。

一眼レフカメラのぼかし撮影テクニック3つ

一眼レフカメラのぼかし撮影テクニック

一眼レフカメラを使い始めて間もない方は、撮影のポイントを頭で理解しつつも、思うように実践できないことが多いのではないでしょうか。テクニックを知っていても、最初からイメージ通りにぼかした写真が撮れる方は珍しいです。

写真の腕を上達させるポイントは、練習を重ねることとテクニックを積極的に取り入れることです。ここからは、写真をうまく撮れるようになる、おすすめのテクニックを4つ紹介します。

前ボケで被写体に視線を集める

被写体を際立たせたいときは、前ボケを取り入れて奥行きを出すと、主題となる部分へ視線を集められます。前ボケとは、背景ではなく被写体の前に写っているものをボケさせる手法です。

たとえば、花畑で奥に咲く1本のみを目立たせたい場合、前ボケで手前の花々の存在感を薄めると美しく仕上がります。

具体的な撮影方法は、被写体にピントを合わせつつレンズ手前にぼかしたい対象物を置くことです。ぼかしたいものが広範囲を占めないよう、位置取りに注意しましょう。

後ボケで背景の情報を整理する

後ボケは、被写体の背後にぼかしを入れる方法です。ふんわりとボケた背景の中で、被写体のみを際立たせる演出ができます。

後ボケを活用するメリットは、背景の無駄な情報を排除して被写体のみに視線を集中できることです。美しい写真を撮るには、背景の情報を整理するテクニックも欠かせません。

手前に被写体を配置して被写体にピントを合わせるだけで、後ボケの写真に仕上がります。

玉ボケで雰囲気を演出する

水面やイルミネーションなど、輝きを効果的に演出したいときは、玉ボケの活用がおすすめです。玉ボケとは、水面に反射した陽光やイルミネーション、木漏れ日などの光を、玉が散りばめられたように写す手法のことです。ドラマのワンシーンのような、幻想的な演出ができます。

玉ボケの撮影方法では、演出要素となる光を見つけることが重要です。点光源と呼び、点光源は晴天時の水面や葉についた水滴、イルミネーションなど、あらゆる場所に存在します。点抗原を見つけたら一眼レフカメラのF値をもっとも小さい値に設定して、点光源をぼかすように撮影します。

フィルターで好きな形でぼかす

より個性的な作品に仕上げたい方は、フィルターを活用するのもおすすめです。フィルターをレンズに取りつけて撮影すると、玉ボケの光をハート型や星型に変えられます。

フィルターを使用するときのポイントは、F値を可能な限り低く、開放絞りにすることと、カメラと被写体の位置を調節することです。被写体との位置が近いほどボケが大きくなるため、細かな光を散らしたいときは距離をとって撮影する必要があります。

手持ちのレンズとフィルターのサイズが合わないときは、ステップアップリングまたはステップダウンリングで調節するか、自作する方法もおすすめです。

まとめ

一眼レフカメラで背景をぼかす方法はいくつかあり、簡単な方法は被写体に近づいて撮影するか、ズームを活用する方法です。また絞り優先モードの使用も、カメラが自動でシャッタースピードを調節してくれるため気軽にぼかしの入った写真が撮れます。カメラ撮影に慣れてきたら単焦点レンズを購入するのもよいでしょう。ズームはできないもののF値を絞るだけのシンプルな作りで、簡単にボケた写真が撮影できます。

一眼レフカメラで綺麗にボケた写真を撮るには、前ボケ、後ボケを撮りたい被写体に合わせて意識して撮影することです。水面やイルミネーションがある場所など煌びやかなところでは、玉ボケにすると輝きを効果的に演出できます。

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