カメラで背景をぼかすには?綺麗な写真を撮るポイントも解説
綺麗なぼけた写真が撮れることは、一眼レフカメラの大きな魅力の1つでしょう。被写体が浮かび上がった写真は被写体が主役となり、人の目を引く効果があります。またぼけることで柔らかい雰囲気が演出できるのも効果の1つです。一眼レフカメラで背景をぼかすには、いくつかのテクニックがあります。
当記事では、一眼レフカメラで背景をぼかすテクニックを7つと、ぼかした綺麗な写真を撮るポイントを3つ紹介します。一眼レフの背景のぼかし方が分からない方は、ぜひご活用ください。
目次
一眼レフカメラで背景をぼかすテクニック
背景をぼかした写真とは、被写体にピントが合い後ろの背景にはピントが合っていない状態の写真です。背景をぼかして写真撮影すると、以下のようなメリットがあります。
全体にピントが合っている写真よりも背景がぼけている写真のほうが、被写体に目がいき、主役を際立たせることが可能です。肉眼だけでは見られない、写真特有の世界観を楽しめます。
ごちゃごちゃとした背景の場合、ぼかして写真を撮ると背景をすっきりさせられるのもメリットの1つです。たとえば、枝に止まっている鳥を撮影する際に背景にある複数の枝をぼかすと、すっきりとした印象の写真になります。
被写体のみにピントを合わせて撮影すると、被写体の手前や背後がぼけて、距離感を出すことが可能です。距離感を出すと、写真に奥行きや立体感も生まれます。
背景をぼかした写真は、撮影テクニックを習得すれば、初心者でも簡単に撮影可能です。ここでは、一眼レフカメラで背景をぼかす撮影方法を7つ紹介します。
絞り開放でF値を小さくする
絞りとは、カメラのレンズに入る光の量を調節する数値です。絞りの数値は「F値」で表され、F値を小さくするほど絞りが開放され、背景がぼけやすくなります。また、F値を大きくすると絞りを絞り込み、全体的にピントが合ったくっきりとした写真が撮れます。
カメラレンズによってF値の最小の数値が異なるため、持っているレンズを確認して、F値を設定することが大切です。
望遠レンズを使う
写真撮影の際に望遠レンズを使用して撮影すると、背景をぼかせます。望遠レンズとは、レンズに記載されている数字が100mm以上で、ズームできるレンズを指します。標準のレンズより、画角が狭いのが特徴です。
望遠レンズを一番ズームアップして被写体にピントを合わせて撮影すると、背景がぼけた写真になります。望遠レンズを使用して背景をぼかす方法のデメリットは、ズームアップして撮影するため被写体とカメラとの距離を大きく離さなければならない点です。人物やペットなど動くものの撮影には不向きと言えるでしょう。
被写体を背景から遠ざける
被写体と背景の距離を遠くすると、背景がぼけた写真が撮りやすくなります。カメラは被写体にピントを合わせると、ピントから遠いものはぼけが大きくなるという特徴があります。そのため、室内よりも背景と被写体との距離を大きく離せる屋外のほうが、キレイにぼかした写真を撮ることが可能です。
被写体と背景との距離が近い場合、F値を小さくしてもぼけにくくなるため、注意が必要です。
絞り優先モードにする
一眼レフカメラには、さまざまな撮影モードがあります。背景がぼけた写真を撮影するには、絞り優先モードを使用すると初心者でも簡単にぼけた写真を撮ることが可能です。絞り優先モードはカメラメーカーによって表示が異なり、一般的には「A」または「Av」と表記されます。
絞り優先モードは、F値を自分で設定し、ISOやシャッター速度をカメラが自動で調整する機能です。背景をぼかす場合、F値は一番小さな数値に設定して撮影しましょう。
被写体に近づく
カメラと被写体の距離を近づけると、レンズの種類に関係なく背景がぼけた写真を撮りやすくなります。被写体に近づいて撮影する際には、レンズの最短撮影距離を意識することが重要です。
最短撮影距離とは、ピントが合わせられるカメラと被写体との最短距離を指します。定められた距離よりも被写体に近づくとピントが合いません。被写体の近くでの撮影には、ピンボケに注意しましょう。
レンズの望遠側を使う
望遠レンズの望遠側で撮影すると焦点距離が長くなり、背景がぼけた写真を撮影可能です。たとえば、焦点距離が24mmから105mmの望遠レンズの場合、105mmで撮影した写真のほうが背景がぼけやすくなります。
一般的なキットレンズは、焦点距離を長くするほどF値も上がってものをはっきり写す構造になっているため、ぼけ感が物足りなく感じる可能性があります。望遠レンズは撮影の際にブレやすいため、手ブレには注意が必要です。
単焦点レンズを使う
単焦点レンズとは、焦点距離が固定されておりズームができないレンズです。シンプルな構造で、F値が小さく設計されています。標準レンズよりも軽く、持ち運びにも便利です。価格も高額ではないので、カメラ初心者向けのレンズと言えるでしょう。
単焦点レンズはF値が小さく設定されているため、写真がぼけやすいという特徴があります。ピントが合っているか確認をしながら撮影しましょう。
一眼レフカメラでぼかした綺麗な写真を撮るポイント
- ✔︎ お気に入りの写真をお手本にする
- ✔︎ パソコンの画面で自分の写真を見直す
- ✔︎ 撮りたい被写体はどんどん撮影する
- ✔︎ 構図やフレーミングを工夫する
一眼レフカメラで、ぼかした写真を撮れるようになるには、上記ポイントを押さえることが大切です。
撮りたい被写体は、構図を意識しながら積極的に撮影しましょう。撮影後にパソコンの大きな画面で画像を見返して、お気に入りの写真を見つけるという流れを繰り返すことで撮影技術が上達します。徐々に自分なりの撮影スタイルを見つけられ、自分の撮りたい構図や好きな写真も理解でき、綺麗な写真を撮影できるようになるでしょう。
そのほかにも、写真を撮る際に意識したい撮影のコツを3つ紹介します。
ぼかし過ぎない
背景をぼかしたいという意識が強すぎると、ぼかしすぎることがあるので注意しましょう。特に単焦点レンズで被写体との距離をつめて撮影する場合は、ピントが合う部分が限られているため、引き立たせたい被写体までぼけてしまう恐れがあります。綺麗な写真を撮影するには、メインの被写体の輪郭にピントが合っているか確認し、背景のぼかし加減を調整することが重要です。
大きくぼかしすぎている場合は、F値を上げて被写体とカメラとの距離を調整してみることをおすすめします。
背景はシンプルにする
シンプルな背景にすると、被写体を引き立たせて、綺麗な写真を撮ることが可能です。背景に多くのものが写ってしまう場合は、アングルを変更したり被写体と背景の距離を広げたりすると、背景をすっきりまとめられます。
被写体を引き立たせるには、色が濃すぎる背景も不向きです。背景をなるべくシンプルにして、被写体のインパクトを大きくするのがポイントです。
キラキラしたものを背景にする
イルミネーションや夜景など、光ったものを背景にしてぼかして撮影すると、丸い宝石の玉のような背景になります。光が丸くなってぼけている状態を「玉ボケ」または「丸ボケ」と呼びます。玉ボケはキラキラとしたものを背景にしてF値を最小に設定した状態で、手前にピントを合わせて撮影すると、初心者でも簡単に撮影可能です。
玉ボケの写真は夜景だけでなく、木々の間から差し込む木漏れ日や、快晴の日の水辺でも撮れます。玉ボケの技術を使った写真は、被写体を引き立たせ、印象的な雰囲気の写真に仕上がります。
まとめ
一眼レフカメラで背景をぼかすテクニックは、F値を低くしたり望遠レンズを使用したり、被写体を背景から遠ざけたりなどいくつかあります。背景をぼかすことで被写体を目立たせられるだけでなく、写真の中の情報量を減らしてスッキリと見せることが可能です。
一眼レフカメラでぼかした綺麗な写真を撮るには、シンプルな背景でぼかしすぎないことが大事です。イルミネーションなどキラキラした光を背景にしてぼかすと、光が玉ボケして幻想的な写真が撮影できます。