レンジファインダーカメラとは?【カメラの豆知識】
目次
【レンジファインダーカメラ】ってどんなカメラ?
レンジファインダーカメラとは、カメラに内蔵された光学視差式距離計でピントを合わせるカメラのことです。「レンズ交換式」と「レンズ固定式」があります。
ピント合わせの仕方が独自で、”レンジファインダー”の名前どおり、撮影対象との距離(レンジ)で適切なピントを見つけます(ファインダー)。
上記の画像にあるように、カメラ本体には2つの窓が設けられています。
それぞれの窓から入った像がファインダーに映り込むようになっているため、ファインダーには2つの像が映り込みます。これは”二重像”と呼ばれているものです。レンズのピントリングを回すと二重像がちょうど重なる位置があり、この位置こそがピントの合っている場所となります。
レンジファインダーカメラはこのように、異なる2点からの見え方の差から距離を測る仕組みを持ったカメラです。少しクセのある機構をしていますが、一眼レフカメラよりコンパクトでありながら、しっかりとピント合わせができます。
カメラの初心者からすると難しそうに感じてしまいますが、慣れると一眼レフカメラでピント合わせするよりも簡単でコンパクトであることから、今でも愛用者の多いカメラです。特にスナップ写真を撮るカメラマンたちに、広く愛用されています。
レンジファインダーカメラといえば、超高級カメラとして知られる「Leica(ライカ)」が有名です。特にM型ライカは世界最高峰のフィルムカメラとも言われる存在で、今でも憧れのカメラとして大人気です。1954年に発売されたライカM3をはじめ、M型ライカは買取市場でも高額買取されています。
「なぜライカが高いのか?」という理由については、下記の記事も合わせてご覧ください。
【レンジファインダーカメラ】の特徴
レンジファインダーカメラの特徴でわかりやすい部分として、「メリット」と「デメリット」をそれぞれ解説いたします。
下記より、それぞれの詳細についてお伝えします。
コンパクトで持ち運びやすい
レンジファインダーカメラは一般的に、一眼レフカメラよりも小さいボディサイズをしています。これは一眼レフカメラのように、レンズに入った光をファインダーに届けるためのミラーや、ペンタプリズム(ガラス製の多面体)を必要としない構造をしているからです。
カメラ本体がコンパクトで持ち運びやすいという点は、スナップ写真の愛好家から絶大な支持を得ています。
シャッター音が静か
レンジファインダーカメラは上述の通り、一眼レフカメラのようなミラー駆動がない分、一眼レフカメラと比べてシャッター音が小さく静かであることもメリットです。
プロ用の一眼レフカメラは特に大きなシャッター音がしますが、レンジファインダーカメラは対照的に静かな音で撮影が可能なので、被写体にカメラを意識させることなく、自然な姿を撮影することもできます。
シャッターショックが少ない
一眼レフカメラでは、”シャッターショック”が発生します。
これはシャッターを切るとミラーが動き、そのときの振動で手ブレしたような写真になってしまう現象のことです。
しかし、レンジファインダーカメラはミラーのない構造をしているため、シャッターショックが少なく低速でシャッターを切っても手ブレしにくい、というメリットもあります。
ブラックアウトしない
レンジファインダーカメラはシャッターを切った瞬間、一眼レフカメラのようにファインダー内の画面がブラックアウトすることはありません。一眼レフカメラはシャッターを切る瞬間にミラーが跳ね上がる構造になっており、その際にブラックアウトが起きます。
ミラーを持たない構造のレンジファインダーカメラはブラックアウトしないため、常に被写体を見続けることができる、というメリットがあります。シャッターを押した瞬間に何かが起きても、見逃すことはありません。
レンズ設定型の自由度が高い
一眼レフカメラのようなミラーボックスを持たないレンジファインダーカメラは、レンズとフィルムの間隔を狭くすることができるため、レンズ設計の自由度が高くなります。
レンズ鏡筒の後ろ部分をカメラ本体のフィルム面の直前にまで延ばすように設計されたレンズも、レンジファインダーカメラでは使用可能です。レンズ設計の自由度が高く、コンパクトで高性能なレンズの搭載を実現しています。特に広角レンズにおいては、一眼レフカメラとの性能差が見られます。
レンジファインダーカメラはメリットだけでなく、もちろんデメリットあります。
下記より、それぞれの詳細についてお伝えします。
オートフォーカス非対応
レンジファインダーカメラは、オートフォーカス非対応です。
マニュアルフォーカス一択となります。オートフォーカスに慣れた方からすると、これはもう不便なカメラにしか思えないかもしれません。
しかし、レンジファインダーカメラには「操作する楽しさ」があります。
露出やピントを人間が考えて、カメラに設定する。
そこがレンジファインダーカメラの魅力でもあります。
マクロ撮影に弱い
レンジファインダーカメラは、レンズとファインダーの光学系が分かれているため、最短撮影距離がある程度長くなるデメリットがあります。ピント合わせの方式上、被写体に近づいて撮影するマクロ撮影(接写)を得意としません。
接写用のアタッチメントに対応したレンズも存在しますが、それでも超接近した撮影に関しては対応しきれないところが弱点です。
望遠レンズの使用には向かない
レンジファインダーカメラは、望遠レンズの使用には不向きです。
カメラの構造上、ファインダーと撮影用レンズが別々の所を見てしまうため、望遠レンズを取り付けても、ファインダー内の像は拡大されないためです。撮影自体は可能ですが、ピント合わせの精度には限界があります。
一眼レフカメラの場合、撮影レンズとファインダーが同じように見える構造をしているため、ファインダーで見たままの撮影ができます。
一部のメーカーが用意している、レンジファインダーカメラを一眼レフカメラ化するアタッチメントを使用すれば、望遠レンズでも確実なピント合わせが可能です。しかし、レンジファインダーの利点であるコンパクトさは失われ、一眼レフカメラとの差別化はなくなってしまいます。
このデメリットが、1960年代以降にレンジファインダーカメラから、一眼レフカメラが主流となる、きっかけのひとつになりました。
パララックス(視差)が発生する
上記でも少し触れましたが、レンジファインダーカメラはファインダーで見えた像と、実際に写真に映る像にズレが生じます。この現象のことをパラックス(視差)といいます。
撮影レンズとファインダーレンズが、それぞれ違う位置にあるために起きる現象です。一眼レフカメラのように、ファインダーに見えたままの撮影ができません。
一部のデジタルレンジファインダーカメラには、自動でこのパラックスを補正する機能が付いていますが、古いレンジファインダーカメラに補正機能は付いていません。そのため、パラックスを考慮した撮影が必要です。ほかには、「電子ビューファインダー(EVF)」を搭載しているカメラがありますが、こちらは電子的に像をファインダーに写しているので、見たままの撮影ができます。
慣れるまで時間がかかる
カメラ初心者の方からすると、レンジファインダーカメラは、仕組みや撮影方法が少し特殊なカメラであると言えます。オートフォーカスが使えないことをはじめ、ピント合わせの方法やファインダーの見え方の違いなど、慣れるまでに時間がかかるのがデメリットです。
一眼レフカメラに慣れきっていると、不便に感じてしまうこともあるかと思います。
しかし、慣れるまでに一定の時間を要するものの、カメラと一体になって「写真を撮る楽しさ」を存分に味わえるのが、レンジファインダーカメラの魅力でもあります。中古フィルムカメラのブームも手伝って、そんなレンジファインダーカメラは今でも根強い人気があります。
【レンジファインダーカメラ】買取なら福ちゃんへ
今回の福ちゃんコラムでは、【レンジファインダーカメラとは?】というテーマについて、カメラ初心者の方に向けて解説いたしました。
レンジファインダーカメラの特徴として、レンジファインダーカメラの「メリット」と「デメリット」についても触れましたが、当コラムを通じてレンジファインダーカメラの魅力や、カメラの豆知識が身についたのではないでしょうか。
レンジファインダーカメラについて興味を持たれた方は、手頃価格のレンジファインダーカメラから、その世界観を体験してみるといいでしょう。
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