【エルメス】刻印の意味とは?製品別にどこに刻印があるかも紹介
ブランド品には正規品であることを示すものとして、刻印が記されています。エルメスの製品にも刻印が記されており、刻印の種類や位置は製造年や製品によって違いがあります。では、具体的にどのような刻印が打たれているのでしょうか。
今回は、エルメスの刻印について種類や刻印位置などを解説します。刻印されたアルファベットと製造年の対応関係、さらにエルメスの製品に打たれた特殊な刻印についてもご紹介します。エルメスの刻印に興味のある人や製品を持っている人は、ぜひご一読ください。
エルメスの刻印とは?
エルメスの刻印とは、エルメスで製造されるバッグや財布などの商品に刻まれている文字列を指します。
エルメス刻印は、アルファベット刻印や数字刻印で構成されているのが特徴です。目視ですぐ確認できるほどはっきり刻まれた刻印もあれば、確認しにくいものもあります。
刻印の文字が示しているのは、製品の製造年やアトリエ番号、職人のイニシャルなどです。
刻印は、ハイブランドで名高いエルメス商品が、正規品であることを証明するための重要な役割を担っています。
アトリエや職人など製造者の内容を表す刻印は、ブランドの大切な情報として、一般には公開されていません。また、エルメス店舗の販売員にも伝えられないと言われています。
エルメスバッグがいつ、どのようなアトリエや職人によって作られたかという情報は日常には不要です。しかし、査定などを経てバッグを手放す場合、刻印は買取価格に影響します。
将来購入した商品を手放す可能性がある人は、刻印について把握しておきましょう。
エルメスの刻印によってわかる製品の製造年
エルメスの製造年刻印にはアルファベットが使われており、どの文字が刻まれているかでバッグの年式を確認できます。
製造年刻印は1964年以降のエルメス製品に見られ、「T」の文字からスタートし、1970年の「Z」までは囲みのないアルファベットが順番に続きます。
【1964年〜1970年】
1971年以降の26年間の製造刻印一覧は上記の通りです。「◯囲みのアルファベットAからZ」までが順番に刻印されています。
【1971年〜1996年】
1996年に◯囲みのZが使用された後は、1997年に「□囲みのA」が登場し、2014年の「□囲みのR」まで続きました。
【1997年〜2014年】
1964年〜1970年の刻印との違いは、アルファベットがランダムに登場している点です。
ただし、T刻印のように既に重複する刻印の製品が流通しているため、製造年を間違えないように注意が必要です。製品の販売時期や経年劣化の具合なども合わせて確認しましょう。
【2015年〜2022年】
2015年以降は、1964年〜1970年と同様に、囲みなしのアルファベットが使用されています。
2015年は1964年と同じく、「T」でした。2014年の「□囲みのR」に続いて「S」が使われなかったのは、ソルド品刻印との混同を避けるためと言われています。
【エルメスの製品別】刻印が記される位置
エルメスは製品ごとに刻印が打たれる場所が決まっており、同じバッグでも種類によって刻印の位置が異なります。
製品の種類ごとに刻印が打たれている位置を把握することで、刻印を容易に発見できるでしょう。
ここでは、バーキンやケリーなど、エルメスを代表する製品別に刻印の位置を解説します。
バッグの刻印位置
バッグの刻印位置は、それぞれ以下の通りです。
バーキン
バーキンは、気軽に何でも持ち運べるようにというテーマのもとに誕生したバッグで、豊富なサイズ展開と収納力が魅力です。バーキンの刻印位置はバッグの製造時期によって変化し、2015年が転換点となりました。
2014年以前は正面に付いているクロアベルトの裏側に刻印がありましたが、2015年以降はバッグ内部、かつ正面から見て左上部に変わっています。
ケリー
美しい台形が魅力のケリーバッグは、豊富なサイズ展開に加え、持ちやすさも人気の理由です。ケリーもバーキンと同じく、2014年以前と2015年以降の製造時期の違いによって、刻印場所が異なります。
2014年以前は正面に付いているクロアベルトの裏側でしたが、2015年以降はバッグ内側、かつ正面から見て左側のマチ上部付近に変わりました。
リンディ
可愛いらしいフォルムが目を惹くリンディは、2WAY仕様や収納力も魅力です。製造刻印はファスナープルの裏側と、比較的見つけやすい場所にあります。
ボリード
ボリードは、バーキンとケリーに続くエルメス三大バッグに数えられ、世界で初めてバッグにファスナーを採用しました。バッグ製造刻印は、正面に向かって右側のファスナーエンド付近についているタブ裏に記されています。
財布の刻印位置
財布の刻印位置は、以下の通りです。
アザップロング シルクイン
シルクインという名前の通り、内側がシルク張りになっているのが特徴で、エルメスの財布でも特に人気のラインです。製造刻印は、財布内部のタブに刻まれています。
ベアンスフレ
べアンスフレは、エルメス財布の定番とも言われ、シンプルなフォルムと使いやすさが特徴です。コインケースの裏側ポケット内に製造刻印が記されています。
エルメスの製品に記された特殊な刻印
エルメス製のアイテムに見られる刻印は、製造年やアトリエ番号、職人を示すのが通常です。しかし、刻印の中には特殊な情報を示すものが存在します。
ここでは、 「素材に関する刻印」と「製造・販売の方法を示す刻印」について、刻印の種類や意味などを解説します。
素材に関する刻印
エルメスで使用される高級素材の中にも複数の種類があり、例えば、一口にワニ革と言ってもワニの種類により素材はさまざまです。
製品の素材を分かりやすく示すために、エルメスのロゴ付近に下記のような刻印が使われています。
^ …クロコダイル・ポロサス
小さめで、整ったウロコが美しいポロサスには、体長約1mの小型ワニの腹部が使われています。希少価値が高く、エルメスの中でも最上級と言われるほど上質なワニ革です。ポロサスでできた製品には、「^」マークが記されています。
⚫︎⚫︎…クロコダイル・ニロティカス
ニロティカスとは、ナイル川を意味する言葉です。ポロサスより大型のワニが使われており、マットな質感から落ち着きが感じられるのが特徴です。ニロティカスで作られた製品には、「⚫︎⚫︎」マークが記されています。
□…アリゲーター
クロコダイルとは違う種であるアリゲーターで作られた製品には、「□」マークが記されています。アリゲーターは北アメリカに生息しており、クロコダイルよりも大きめのウロコが特徴です。
その他
上記の他にも、トカゲであるリザードを表す記号があります。具体的には、リザード・ニロティカスを表す「−」、インドネシア産リザードを示す「=」の2種です。
製造・販売の方法を示す刻印
これまで紹介した刻印とは別に、製造や販売方法の違いにより特殊な刻印が存在します。以下に紹介する刻印は、すべてエルメスのロゴ付近で確認できる刻印です。
馬蹄
オーダー品には馬蹄マークが刻印されます。エルメス側から声を掛けられた場合など限定的なため、馬蹄刻印はなかなかお目にかかれません。
流れ星
スターマークとも呼ばれる流れ星マークは、エルメス関係者限定の製品を示すと言われています。馬蹄刻印と同様に、極めて珍しい刻印です。
S
Sはソルド品マークを表します。「ソルド」はフランスのバーゲンを意味する言葉で、セールで販売されたエルメス製品に記される刻印です。
まとめ
刻印は商品が正規品であることを証明します。エルメスの刻印が示すのは、製品の製造年やアトリエ番号、職人のイニシャルなどです。
エルメスには、エルメスで製造されるバッグや財布などの商品に文字列が刻まれています。エルメスの刻印位置は製品によって違い、たとえばバーキンは正面のクロアベルトの裏側、バッグ内部に記されています。
また、エルメスの刻印は素材によっても異なり、ロゴの付近に素材を示すマークが打たれているのが特徴です。他にも、製造・販売の方法を示す刻印があります。
刻印は商品を査定してもらう際に重要な要素になるため、商品を購入する際は刻印をチェックするとよいでしょう。