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  • 2025.04.23

500円札の価値と相場は?高く売れる特徴と見極め方をわかりやすく紹介

紙幣は時代とともに新しいデザインや安全性が求められ、改刷や硬貨への切り替えが進んできました。

その中でも「500円札」は、現在ではほとんど見かけることがなくなったものの、実はまだ使用可能な貴重な紙幣です。

そのような500円札においては、コレクターズアイテムとしての価値も注目されています。

本記事では、500円札の基本的な情報から種類、そして具体的な換金方法買取業者を利用するポイントまでを詳しく解説いたします。

500円札とは?基本情報を解説

500円札の価値と相場は?高く売れる特徴と見極め方をわかりやすく紹介

500円札は、かつて日本銀行から発行されていた紙幣であり、「五百円券」や「岩倉具視500円札」とも呼ばれます。現在は500円硬貨が主流となり、紙幣としての新規発行はすでに停止しています。

しかし、日本国の法律上はいまだに有効な通貨であり、使おうと思えば支払に用いることも可能です。

そのような500円札には「B号券」と「C号券」の2種類が存在し、どちらも明治維新に深く関わった政治家「岩倉具視」の肖像が採用されています。

500円札の発行背景

500円札が世に送り出された背景には、戦後日本が直面していたインフレへの対処と高額紙幣の必要性という2つの大きな課題がありました。

第二次世界大戦後の日本経済は急激なインフレの波に揺れており、政府は当初、新円切替(A号券)の発行によってこの状況を乗り切ろうとしました。

しかし、インフレの勢いは衰えることなく進行し続け、当時最高額面だった百円札(A百円券)の発行量が著しく増加。

このような状況下で、百円札と千円札の間を埋める中間的な額面として、500円札の必要性が強く認識されるようになりました。

こうした社会的要請を受けて、1951年(昭和26年)にB号券として500円札が晴れて登場することになります。

当時はまだ戦後復興の途上にあり、経済的な不安定さが残る中で、新しい高額紙幣の誕生は国民生活の利便性を大きく向上させることになりました。

しかし時代が下るにつれて、より耐久性の高い500円硬貨が登場したことで、紙幣としての役割は徐々に薄れていきました。

長期的な流通コストの観点からも硬貨のほうが優位性を持つことから、1994年(平成6年)にはC号券の支払も公式に停止され、500円札は私たちの日常から静かに姿を消していったのです。

現在でも500円札は使える?

結論からいえば、500円札は今日でも法的に有効な通貨です。

日本国の法律上は「有効券」として認められているため、理論上はどのお店でも支払手段として受け入れられるはずです。

しかし、現実的な問題として、500円札の流通量が極めて少なくなった現在では、多くの店舗レジ担当者にとって馴染みのない存在となっています。

そのため、真贋の判断に自信が持てず、取り扱いを戸惑われたり、場合によっては丁重に断られたりする場面もあるでしょう。

また、自動販売機や駅の券売機、ATMといった自動化された決済システムでは、ほぼ間違いなく使用できないことも覚えておく必要があります。

このように日常的な買い物での利用は難しくなったものの、500円札はあくまで正式な通貨であるため、銀行での預け入れや両替など、基本的な金融サービスは受けられます。

ただし、最近では鑑定に時間のかかるケースが増えていることや、将来的には取り扱い手数料が発生する可能性もあることから、利用を検討する際は事前に金融機関への確認がオススメです。

古い紙幣であるがゆえの特殊な扱いを考慮しながら、有効活用の方法を考えていくとよいでしょう。

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500円札の「岩倉具視」はどんな人物?

500円札の表面を飾る「岩倉具視(いわくら ともみ)」は、日本の歴史において重要な転換期を生きた卓越した政治家です。

岩倉は幕末から明治維新という激動の時代に、公家の身分でありながら政治的手腕を発揮します。初めは公武合体派として朝廷内で影響力を持ち、後には明治新政府の中核的存在へと成長しました。

岩倉具視の名を歴史に刻んだもっとも有名な業績の一つが「岩倉使節団」の派遣です。

この大規模な外交使節団は、不平等条約の改正交渉という明確な目的を持ちながらも、同時に欧米の先進的な制度や技術、文化を学び入れるという壮大な文明開化プロジェクトでもありました。

岩倉自身が特命全権大使として団を率い、約2年にわたる欧米諸国訪問を通じて、近代国家建設のための貴重な知見を日本にもたらしたのです。

また国内政治においても、岩倉具視は廃藩置県をはじめとする大胆な近代化政策を推進し、中央集権的な国家体制の確立に多大な貢献をしました

彼の政治的手腕は、多様な勢力間の調整能力と長期的視野に立った国家戦略の立案にあり、まさに日本近代化の設計者のひとりといえるでしょう。

500円札に採用された岩倉具視の肖像は、イタリア人画家「エドアルド・キヨッソーネ」が描いた大礼服姿の肖像画を基にデザインされており、威厳と品格を兼ね備えた明治の元勲の姿を今に伝えています。

500円札の種類

500円札の価値と相場は?高く売れる特徴と見極め方をわかりやすく紹介

500円札には大きく2種類あり、「B号券」と「C号券」と呼ばれています。

いずれも表面には岩倉具視の肖像、裏面には富士山の図柄が採用されていますが、偽造防止技術や印刷方法、紙質やサイズなど細部に違いがあります。

またB号券は前期・後期で紙質が分かれているなど、コレクター向けの細かい分類も存在するのです。

ここでは、それぞれの特徴や価値の違いを詳しく見ていきましょう。

岩倉具視500円札(B号券)の特徴や価値

✔ 発行開始:1951年(昭和26年)
✔ 支払停止:1971年(昭和46年)
※執筆現在、現行紙幣として使用有効

B号券の500円札は、1951年(昭和26年)に日本銀行から初めて世に送り出されました。

誕生の背景には、戦後の激しいインフレーションによる通貨価値の目減りと、それに伴う百円札(A号券)の発行急増という事情がありました。

支払の利便性を高めるためには、百円と千円の間を埋める中間額面の紙幣が切望されていたのです。

B号券のデザインは、当時の日本紙幣としては画期的なものでした。

表面の右側には岩倉具視の肖像が配されており、肖像はもともとのポートレートを左右反転させ、さらに大礼服から背広姿へと変更したものが採用されています。

紙幣の中央部には美しい地模様が広がっており、じっくりと観察すると、そこには正倉院宝物の文様をベースに「五百」「500」という文字や日本銀行の行章が組み込まれていることがわかります。

このような緻密なデザインは、当時の印刷技術の粋を集めて作られたものでした。

裏面に描かれた富士山は、象徴的な図柄ではなく、山梨県大月市の「雁ヶ腹摺山(がんがはらすりやま)」から実際に撮影された富士山の写真を基にしています。

この視点から見る富士山の美しい姿は、日本の象徴として人々の心に残るデザインとなりました。

B号券は製造期間が長かったこともあり、使用される用紙や印刷技術にも変化がありました。大きく分けると「前期券」と「後期券」に区分されます。

前期券は発行初期に製造されたもので、三椏(みつまた)を主原料とした、やや黄味がかったクリーム色の用紙が使われていました。

前期の紙幣は製造数も比較的少なく、古銭市場では価値が高いとされています。

一方、後期券ではマニラ麻や木綿、尿素樹脂などが混合された、より白色に近い紙質へと変わりました。後期になるほど発行枚数も増加したため、前期券と比べると希少性はやや下がります。

岩倉具視500円札(C号券)の特徴や価値

✔ 発行開始:1969年(昭和44年)
✔ 支払停止:1994年(平成6年)
※執筆現在、現行紙幣として使用有効

C号券の500円札は、B号券の偽造防止技術が時代とともに陳腐化してきたことを受けて、1969年(昭和44年)に新たに発行が開始されました。

一見するとB号券と似たデザインを踏襲していますが、より高度な印刷技術が導入され、細部に至るまで洗練されたデザインへと進化を遂げています。

C号券の表面に描かれた岩倉具視の肖像は、B号券のものと比べるとやや大きく描かれており、より鮮明な印象を与えます。

肖像の周辺には精緻な模様が施され、偽造防止の観点からも、より複雑で再現が難しいデザインとなっているのです。

顔の表情や衣服のディテールも繊細に表現されており、印刷技術の向上が目に見えて表れています。

裏面の富士山の図柄も、B号券と同じく山梨県の雁ヶ腹摺山からの眺望をモチーフにしており、C号券ではより立体感が強調され、山の稜線や雲の表現も精緻になりました。

背景には桜花や月桂樹、宝相華(ほうそうげ)といった伝統的な文様が地模様として織り込まれており、日本的な美意識と格調高さを感じさせる仕上がりとなっています。

C号券では透かしの技術も大きく改良されました。B号券では透かしが印刷部分に重なると見えにくくなる問題がありましたが、C号券では透かし部分に印刷が重ならないよう工夫されています。

そのため、光に透かして見たときの透かし模様がはっきりと確認できるようになり、偽造防止効果も高まりました。

C号券は1985年(昭和60年)まで製造が続けられましたが、1994年(平成6年)には日本銀行による支払が停止されました。これは500円硬貨が普及し、紙幣としての役割を終えたことを意味しています。

B号券と比較すると、C号券は発行期間が長く、発行枚数も多かったため、現存している数もかなり多いと考えられています。

実際、未使用の状態で1000枚単位の束が保管されていたものが市場に出回ることもあるのです。

古銭としての価値という面では、C号券も基本的にはB号券と同様の傾向があります。

汚れや破れのない美品状態のもの、連番でそろったセット、ゾロ目などの特徴的な記番号を持つものには一定のプレミアがつく可能性も あります。

しかし、一般的な市場価格は数百円から数千円程度にとどまることが多いようです。

極めて状態の良い未使用品や、特殊な記号券、印刷ミスなどのエラー券は例外的に高値で取引されることもありますが、そのようなケースは滅多にないといえるでしょう。

500円札の換金方法

500円札の価値と相場は?高く売れる特徴と見極め方をわかりやすく紹介

500円札を手にした際の換金・利用方法としては、買い物に使う・銀行で両替する・古銭買取業者に売るといった方法があります。

どの方法にもメリット・デメリットがあり、紙幣の状態や目的に応じて使い分けることが重要です。

ここでは、それぞれの換金方法の特徴や注意点をご紹介します。

お買い物で利用する

先述のとおり、500円札は現在でも法的に有効な通貨なため、対面の店舗で支払に使うことは可能です。しかし、実際に買い物の際に500円札を差しだすと、店員さんから驚きの表情を向けられることがほとんどでしょう。

とくに若い世代の店員さんにとっては見たこともない紙幣かもしれず、偽札ではないかという疑念を持たれることもあります。

そのため、受け取りの可否を上司に確認する時間が必要になったり、場合によっては丁重に断られることも想定しておくべきです。

また、自動販売機や駅の券売機などの機械類では、500円札の読み取りに対応していないため、ほぼ確実に使用できません。

したがって、500円札を日常的な買い物で使うのであれば、現金決済のみに対応している個人経営の小さな商店や、顔の見える対面のやり取りができる場所を選ぶことが賢明でしょう。

お買い物での利用はあまり現実的ではありませんが、昔ながらの商店街や市場など、地域に根差した商店では、受け入れてもらえる可能性が高いかもしれません。

銀行で交換してもらう

500円札をもっとも確実に現金化する方法は、銀行の窓口で現行の紙幣や硬貨に交換してもらうことでしょう。

日本銀行券はいったん発行されると正式に無効化されない限り、いつでも対価と交換できることが法律で保証されています。そのため、一般の銀行窓口でも基本的には対応してもらえるでしょう。

ただし、長い時間が経過した古い紙幣であるため、鑑定に時間がかかるケースもあります。とくに真贋の確認が難しい場合や、紙幣が破損している場合には、より詳細な検査が必要になることも。

また、今後は古い紙幣の取り扱いに手数料が発生する可能性も指摘されていることから、事前に利用予定の金融機関に問い合わせて、対応可否や条件を確認しておくことをオススメします。

古銭買取業者に買い取ってもらう

500円札を最大限に活用したいのであれば、古銭買取業者への売却がもっとも賢明な選択肢です。古銭の専門家による査定を受けることで、普通に使うよりも高い金額で換金できる可能性があります。

とくに状態の良い未使用品(いわゆる「ピン札」)や、連番でそろった複数枚セット、記番号にゾロ目や特殊な組み合わせがある紙幣などが挙げられます。

さらに、印刷ミスなどのエラー紙幣であれば、コレクターの間で希少価値が認められ、予想以上の高額査定が期待できるでしょう。

古銭市場は、コレクターの需要と供給のバランスによって価格が決まる特殊な市場です。そのため、タイミングや業者選びも非常に重要になってきます。

同じ紙幣でも、買取業者によって査定額に差が出ることも珍しくありません。信頼できる業者を選ぶことで、適正価格での取引が可能になるでしょう。

ただし、一般的な流通品、とくにシワや折り目、汚れが目立つような500円札では額面を大きく上回る査定額は期待しにくいのが現実です。

それでも、銀行に行く手間を省け、まとめて買い取ってもらえるという利点はあります。

古銭買取の「福ちゃん」では、岩倉具視500円札のような珍しい紙幣でも専門査定士が在籍しているため、適正な査定を受けられます。500円札の種類や状態次第では高価買取にも期待できるでしょう。

まとめ

500円札の価値と相場は?高く売れる特徴と見極め方をわかりやすく紹介

500円札はすでに発行こそ停止されていますが、法律上はいまだに使える「有効な通貨」です。とはいえ、自動販売機や券売機では使えないことがほとんどで、対面でのやり取りも戸惑われる可能性はあります。

銀行での両替も可能なものの、手間や手数料がかかることを考えると、コレクター向けに古銭買取業者へ売却することも選択肢のひとつです。

とくにプレミアがつきやすい種類や状態の良い紙幣をお持ちなら、一度プロに査定を依頼してみてはいかがでしょうか。

「買取福ちゃん」では日本全国に対応しており、無料査定も行っています。ご自宅に眠る500円札を買取に出すことでぜひ有効活用してください。

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