- 切手
- 2025.03.05
なぜ劉胡蘭は15歳で処刑されたのか?中国切手「劉胡蘭烈士死去30周年」から読み解く革命の悲劇

1977年、中国は若き革命の英雄「劉胡蘭(りゅうこらん)」の没後30周年を記念し、「劉胡蘭烈士死去30周年切手」を発行しました。
わずか15歳で命を落とした彼女の崇高な精神は、毛沢東も「生きることは偉大であり、死ぬことは光栄である」と称賛。当記事では、この中国切手が持つ歴史的背景、3種類のデザインに込められた意味、さらに買取価値を徹底解説します。
切手収集家だけでなく、中国近現代史に興味がある方、高価買取のヒントを探している方にも必見の内容です。
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目次
「劉胡蘭烈士死去30周年切手」とは?発行背景と歴史的意義

「劉胡蘭烈士死去30周年記念切手」は、1977年1月31日に中国で発行されました。
この切手は、1947年に国民党軍に処刑された、わずか15歳の革命烈士、劉胡蘭(りゅうこらん)の没後30周年を記念して発行されたものです。
劉胡蘭は、中国共産党の熱心な支持者として、土地改革や抗日運動に尽力した人物です。
1970年代の中国は、文化大革命(文革)終結直後であり、革命精神の再興が重視された時代でした。劉胡蘭のような英雄の顕彰は、国民の士気を高め、共産党政権の正統性を示す上で重要な意味を持っていました。
毛沢東自身が彼女に「生的伟大、死的光荣(生きることは偉大であり、死ぬことは光栄である)」という言葉を贈ったことからも、その重要性がうかがえます。
この切手は、単に劉胡蘭の功績を称えるだけでなく、彼女の精神を後世に伝え、革命の理想を再確認する目的も担っていたのです。
劉胡蘭とは?中国革命史に名を刻む少女の生涯
1932年、山西省文水県の貧しい農村に、1人の女の子が生まれました。
彼女の名は、劉胡蘭(当初は劉富蘭)。
日中戦争の影が忍び寄る時代、貧困にあえぐ両親は、娘の名に「富」の字を託し、せめてもの幸せを願いました。しかし、幼くして母を失った劉胡蘭を待ち受けていたのは、さらなる苦難の道でした。
故郷の村は、日本軍の侵攻によって蹂躙され、人々は飢えと暴力に苦しんでいました。そのような中、わずか10歳の劉胡蘭は、抗日児童団に参加します。幼いながらも、祖国を守りたいという強い思いが、彼女を突き動かしていたのです。仲間たちと歌い、学び、時には危険な任務にも携わる日々。劉胡蘭は、小さな体に不屈の精神を宿していました。
14歳になった劉胡蘭は、中国共産党の候補党員に抜擢されます。この抜擢は、彼女の聡明さと勇敢さが認められた証でした。
土地改革運動や婦女解放運動に奔走する劉胡蘭の姿は、村人たちに希望を与えました。
「貧困から解放され、新しい社会を築けるかもしれない」
そのような希望の光が、彼女の瞳には宿っていたのです。
しかし、運命は残酷でした。1946年、国民党軍が劉胡蘭の故郷を襲撃。裏切り者の密告により、彼女は捕らえられてしまいます。
まだ15歳。これから多くの可能性を秘めた少女に、国民党軍は容赦ない拷問を加えました。仲間の情報を吐き出せば命は助ける……甘い言葉と、耐えがたい苦痛。しかし、劉胡蘭は決して屈しませんでした。
冷たい牢獄の中で、彼女は何を思っていたのでしょうか。
故郷の風景、家族の顔、共に戦った仲間たちの笑顔……そして、まだ見ぬ未来の中国の姿。
すべてを胸に刻み、劉胡蘭は、死を選びました。処刑場に引き出された彼女の目は、恐怖に染まることなく、静かに未来を見据えていたといいます。
劉胡蘭の壮絶な死は、中国全土に衝撃を与え、多くの人々の心を揺さぶりました。
彼女の勇気と犠牲は、革命精神の象徴として、今なお語り継がれています。
「劉胡蘭烈士死去30周年切手」の特徴的なデザイン
「劉胡蘭烈士死去30周年切手」は、以下の3種類のデザインで構成されています(すべて縦長、額面8分、発行枚数各1,200万枚)。
✔ 劉胡蘭の肖像(額面8分、発行枚数1,200万枚)
✔ 毛主席の題字(額面8分、発行枚数1,200万枚)
✔ 彼女を学ぶ人民(額面8分、発行枚数1,200万枚)
ここからは、各図案の詳細についてお伝えします。
図案1「劉胡蘭の肖像」:若き英雄の決意

「劉胡蘭記念館」に立つ全身像を基にしたデザインです。
紫がかった背景は、彼女の清廉さと悲劇的な最期を暗示し、白い中山服(人民服)とのコントラストが、その純粋さを際立たせています。
彫像の表情からは、14歳で革命に身を投じた少女の強い意志が伝わってきます。
図案2「毛主席の題字」:革命精神の継承

毛沢東直筆の「生的伟大、死的光荣(生きることは偉大であり、死ぬことは光栄である)」の文字が、劉胡蘭記念碑と青空を背景に描かれています。
この言葉は、劉胡蘭の犠牲が革命の大義のためであったことを示し、国民に勇気と希望を与えました。
背景の青空は、彼女の精神が永遠に生き続けることを象徴しています。
図案3「彼女を学ぶ人民」:革命の理想を未来へ

労働者・農民・兵士・学生・商人など、さまざまな階層の人々が劉胡蘭の肖像を囲み、彼女の精神を学ぶ様子が描かれています。
劉胡蘭の遺志が、世代や階層を超えて受け継がれていることを表現しているのです。
この図案は、「革命の理想を未来へとつなぐ」というメッセージを強く打ち出しています。
▼中国切手「劉胡蘭烈士死去30周年」の詳細
・発行日:1977年1月31日
・額面:各8分
・切手デザイン:全3種類
・発行枚数:各1,200万枚
・編号:J12
「劉胡蘭烈士死去30周年切手」の価値と買取

「劉胡蘭烈士死去30周年記念切手」は、発行当時から高い歴史的価値を持つ切手として注目されてきました。
中国革命史における重要な人物を記念する切手として、収集家の間で高く評価されているのです。
発行から45年以上が経過した現在、保存状態の良い美品は価値が高く、専門家の間では「中国革命記念切手の代表作」の1つとして、位置づけられています。
3種類の中でも、「劉胡蘭の肖像」はとくに人気が高い傾向にあります。
初日カバー(FDC) は、消印があっても高い価値が期待できます。消印の状態が良いものは、さらに高額になることも。
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まとめ
「劉胡蘭烈士死去30周年切手」は、中国革命期に若くして命を捧げた女性活動家の崇高な精神を今に伝える、貴重なコレクションアイテムです。
3種類の切手が持つ芸術性の高さと歴史的価値は、この切手シリーズの価値を高めています。
1970年代の中国切手には、プレミア価値のつく限定切手が多く存在します。
この機会に、お手元の切手コレクションを整理し、新たな中国切手の魅力を発見してみてはいかがでしょうか。