- お酒
- 2025.03.10
ウイスキーのピート香とは?香りがつく理由や有名銘柄をご紹介

ウイスキーの香りや味わいを表現する際、よく使われる言葉が「ピート香」です。
これは一体、どのような香りを指すのでしょうか?
この記事では、そもそもピートとはどのようなものかをご紹介。
そのうえで、ピート香の特徴や、ウイスキーに香りがつく理由を解説します。
有名銘柄もご紹介しますので、ぜひ銘柄選びの参考にしてください。
目次
そもそもピートとは?

そもそもピートとは、野草や水生植物などが年月をかけて炭化した泥炭(炭化のあまり進んでいない石炭)を指します。
スコットランド北部の原野にはピートが豊富に堆積しています。そのため、スコッチウイスキーでは古くから、十分に乾燥させたピートを燃料として使用してきました。
なお、ピートはどこにでも存在するわけではありません。
日本でも採れるものの、北海道などの一部地域に限定されます。
ウイスキーが持つピート香について

ここでは、ウイスキーのピート香について詳しく見ていきましょう。
ピート香は3タイプに分類
ピート香とひと言でいっても、以下の3タイプに分類されます。
・ピーティー
・メディシナル
・ハーシュ
ピーティーは「スモーキー」と表現されることもあり、香ばしいニュアンスが特徴です。
スコッチらしい香りであり、高い人気を誇ります。
メディシナルは薬品系の香りです。
日本では、正露丸のような香りと表現されることもあります。
ハーシュはクセのある香りで、不快に感じる方も多いのが特徴です。ピート香のなかでも、ネガティブな意味で使われます。
ピート香が付与される理由
それでは、なぜピート香が付与されるのでしょうか?
これは、ウイスキーの製造工程の1つ「モルティング」が関係しています。
モルティングとは、 原料となる大麦麦芽をつくるために、発芽した大麦を乾燥させる工程です。
乾燥させる際に燃料としてピートを使用することで、大麦に香りが移ります。
そして、最終的に仕上がったウイスキーにも、ピート香が付与されるのです。
ピートの炊き方は蒸留所ごとに異なるため、仕上がったときの香りにもそれぞれ個性が生まれます。
ピート香のウイスキーはアイラモルトに多い
ピート香を持つウイスキーは、アイラモルトに多いのが特徴です。
アイラモルトとは、スコットランドのアイラ島にある蒸留所で製造されるモルトウイスキーを指します。
アイラ島は、島の約4分の1がピートで覆われるほどです。
この豊富なピートを燃料として使用することで、ピート香の強いウイスキーを製造しています。
さらに、潮風が吹きつける貯蔵庫で熟成させているため、潮のニュアンスを持ち合わせているのも、アイラモルトの特徴です。
ピート香が特徴のウイスキー銘柄

ピート香が特徴の銘柄は、数多く存在します。
今回は、以下3つの有名銘柄について、それぞれの特徴を見ていきましょう。
・ラフロイグ
・オクトモア
・ボウモア
ラフロイグ

ラフロイグは、アイラ島のラフロイグ蒸留所で生産されるシングルモルトです。
薬品系の独特な香りや、オイリーで濃厚な味わいが特徴です。
アイラモルトならではの潮っぽさも感じられます。
オクトモア

オクトモアは、アイラ島のブルックラディ蒸留所で製造されるシングルモルトです。
アイラモルトのなかでも、群を抜いたスモーキーさを持つことで知られています。
オクトモアは、具体的にどれほど強いピート香を持っているのでしょうか。
ピート香の強さは、「フェノール値」と呼ばれる指標で表されます。
先ほどご紹介したラフロイグのフェノール値は、約40~45ppmです。一方でオクトモアは、銘柄によって差があるものの、最低でも80ppmあります。
この比較から、オクトモアのピート香が強いことがうかがえますね。
ボウモア

ボウモアは、アイラ島のボウモア蒸留所で製造されるシングルモルトです。
「アイラの女王」と呼ばれるボウモアは、ピーティーな香りが特徴です。
ボウモア蒸留所の第1貯蔵庫は、ダイレクトに海に面しており、潮の香りも感じられます。
ピート香のウイスキーに熱狂するファンも存在

ピート香(ピーティー、スモーキーとも呼ばれる)は、ウイスキーの個性を形作る重要な要素の1つ。
しかし、その独特の香りは、しばしば「まるで薬品のよう」と表現され、好き嫌いが分かれることも事実です。
この香りの正体は、ウイスキーの原料である大麦麦芽を乾燥させる際に使用する「ピート(泥炭)」です。
ピートを焚いた煙で麦芽を乾燥させる(燻す)ことで、独特のスモーキーフレーバーが生まれます。とくに、スコットランドのアイラ島のウイスキーは、強烈なピート香を持つことで知られています。
しかし、一度この香りの虜になると、「他のウイスキーでは物足りなくなる」という熱狂的なファンが多いのも事実です。
「最初は苦手だったけれど、いつの間にかハマってしまった」という方も少なくありません。
もし、少しでもご興味があれば、まずは少量から試してみてはいかがでしょうか。
「そういえば、自宅に貰い物のウイスキーがあるけど、ピート香が強くて飲めない」
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