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- 2025.02.22
中国切手「毛沢東思想を讃える」の全貌|文革期のプロパガンダ切手を徹底解説

中国の切手収集において、文化大革命期(1966年~1976年)に発行された切手は特別な位置づけにあります。
とくに、政治的なプロパガンダとして発行された切手は、その時代の歴史や思想を如実に反映しています。その代表例の1つが、今回ご紹介する「毛沢東思想を讃える切手」です。
当記事ではこの切手について詳しく解説。切手が発行された背景、デザインの特徴、そして市場価値までを網羅し、歴史的価値と収集価値の両面からその魅力をお伝えします。
毛沢東思想の普及と、文化大革命の正当性を視覚的に表現した代表的な中国切手です。ぜひ最後までご覧ください。
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目次
「毛沢東思想を讃える切手」とは?文化大革命期のプロパガンダ切手

「毛沢東思想を讃える切手」は、1968年12月26日、毛沢東の誕生日に合わせて中国で発行されました。
文化大革命が最高潮に達していた時期に発行され、毛沢東の思想を称賛し、中国全土にその影響力を広めることを目的としていました。
この切手は、文化大革命期の中国における政治的プロパガンダの役割を担い、毛沢東思想の普及と革命精神の高揚を図る重要な手段となったのです。
切手発行の歴史的背景
1968年10月、北京で開催された「中国共産党第8期第12回中央委員会総会(第8期12中全会)」は、文化大革命の最中に開かれた重要な会議でした。
当会議で毛沢東は、文化大革命の重要性について演説。
「プロレタリア独裁を強固にし、資本主義の復活を防ぎ、社会主義を建設するために、完全に必要かつ極めて時宜を得たものである」と述べました。
総会では、劉少奇を「裏切り者、スパイ、労働者の敵」と断定する審査報告が承認され、党からの永久除名と全職務からの解任が決議されました。
この解任は文化大革命期における最も重要な政治的出来事の1つであり、「毛沢東の思想が中国全土でますます強化されるきっかけ」となったのです。
このような歴史的な総会の意義を記念し、毛沢東の誕生日である12月26日に「毛沢東思想を讃える切手」が発行されました。
日本のカタログと異なる?切手の名称と編号(志号)
「毛沢東思想を讃える切手」は、日本と中国で『編号(志号)』と『切手の名称が異なる』ため、収集や売買の際には注意が必要です。
日本では一般的に、「毛沢東思想を讃える切手(文14)」としてカタログに掲載されています。
しかし中国では、「中国共産党第8期第12回中央委員会総会公報発表への熱烈な歓呼(文15)」という、発行の背景となった出来事に直結した名称が付けられています。
このように、同じ切手でも国によって扱いが異なる場合があるため、とくに文化大革命期の切手を扱う際には、詳細な情報を確認することが重要です。
日本と中国で見比べた編号は、以下のとおりです。
▼日本のカタログ等で多く見られる編号
✔ 文12「毛主席安源へ」
✔ 文13「毛主席の最新指示2」
✔ 文14予定「全国の山河は赤一色」
✔ 文14「毛沢東思想を讃える」※当切手
✔ 文15「南京長江大橋完成」
✔ 文16「ピアノ伴奏による京劇-紅灯記-」
▼中国での編号
✔ 文12「毛主席安源へ」
✔ 文13「毛主席の最新指示2」
✔ 編号なし「全国の山河は赤一色」
✔ 文14「南京長江大橋完成」
✔ 文15「毛沢東思想を讃える」※当切手
✔ 文16「ピアノ伴奏による京劇-紅灯記-」
「毛沢東思想を讃える切手」は、日本のカタログでは「文14」と記載される機会が多く見られます。
しかし中国では、「文15」+上記の名称で扱われているのです。
また、幻の中国切手「全国の山河は赤一色」には編号がありません。
プロパガンダを色濃く反映!「毛沢東思想を讃える切手」のデザイン

「毛沢東思想を讃える切手」は、その強烈なプロパガンダ性と、社会主義イデオロギーを象徴するデザインが最大の特徴です。
・図案:毛主席の著作を掲げる(額面8分、発行枚数1億枚)
文化大革命期の理想と目標を表現したデザインです。
詳細を解説します。
▼中央
青い作業着姿の工場労働者が「毛沢東選集(毛主席語録)」を高く掲げています
▼左右
白衣の女性農民と軍服姿の解放軍兵士が配置され、工農兵の団結を表現
▼背景
朝日の昇る様子が描かれ、その光線が放射状に広がっています
▼朝日
新しい時代の到来を象徴し、毛沢東思想の光明が全土を照らす様子を表しています
▼下部
赤旗の波は、革命の高まりと人民の情熱を表現
▼その他
3人の人物は全員、毛沢東のバッジを胸に付けており、毛沢東思想への忠誠を示しています
この切手のデザインは、当時のプロパガンダポスターと類似しており、「毛沢東思想の光が中国全土を照らし、国民を導く」というメッセージを強く打ち出しています。
▼中国切手「毛沢東思想を讃える」の詳細
・発行日:1968年12月26日
・額面:8分
・切手デザイン:全1種類
・発行枚数:1億枚
・編号:文14(中国では文15扱い)
「毛沢東思想を讃える切手」に価値はある?

「毛沢東思想を讃える切手」は、文化大革命時代を象徴する「文革切手」の中でも、とくに人気の高い1枚です。
歴史的価値と希少性から、コレクターの間で高値で取引される可能性があります。
しかしながら、「毛沢東思想を讃える切手」の買取価格は、状態や市場の動向、買取業者によって大きく変動します。
一般的に未使用で美品、とくにシートの状態で保管されているものは、高額査定の可能性が高まるでしょう。使用済みの切手でも、消印の種類や状態によっては、価値が見出されることもあります。
高額査定を狙う上で最も重要なのは、切手の状態です。
シミ・汚れ・折れ・破れ・色あせは、査定額を大きく下げる要因となります。
この切手は鮮やかな赤色が特徴ですので、色あせの有無はとくに重要です。
切手を最良の状態で保つためには、専用のアルバムやケースに入れ、直射日光や高温多湿を避けて保管しましょう。また、可能な限りシートのまま保管することで、価値を維持できます。
そして、信頼できる買取業者を選ぶことが、高額査定への近道です。中国切手、とくに文革切手の価値を正確に見極めるには、専門知識と豊富な経験が不可欠です。
「買取福ちゃん」では、文革切手に精通した査定士が、最新の市場動向を踏まえ、お客様の大切な切手を丁寧に査定いたします。
切手の「まとめて査定」も歓迎いたしますので、ぜひ一度、無料査定をご利用ください。
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まとめ
「毛沢東思想を讃える切手」は、1968年に中国で発行されました。
文化大革命期のプロパガンダを色濃く反映した文革切手です。労農兵が毛主席語録を掲げる印象的なデザインは、当時の中国社会を如実に表しています。
この切手は、歴史的・文化的価値が高く、希少性も相まって、コレクターの間で人気があります。
高額査定のためには、良好な状態を保ち、信頼できる買取業者を選ぶことが重要です。