- 古銭
- 2024.12.07
「ヨーゼフ2世ダカット金貨」とは？神聖ローマ帝国の栄光を今に伝える古銭
「民衆の皇帝」として、啓蒙主義的な改革を推し進めた、神聖ローマ皇帝「ヨーゼフ2世」。
彼の肖像が刻まれた「ヨーゼフ2世ダカット金貨」は、発行から200年以上経った今も、コレクターたちの間で高い人気を誇っています。今回ご紹介させていただく、1787年銘「ヨーゼフ2世ダカット金貨」は、皇帝の理想と情熱に加え、激動の時代を反映した歴史的価値の高い逸品です。その美しさは、高い金品位によってさらに際立ちます。
当記事では、ヨーゼフ2世の功績や人柄・ダカット金貨の特徴・デザインの意味。そして、市場価値まで詳しく解説していきます。
金貨に秘められた物語に触れ、歴史のロマンをぜひ感じてください。
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目次
「ヨーゼフ2世ダカット金貨（1787年銘）」とは？
「ヨーゼフ2世ダカット金貨」は、神聖ローマ皇帝「ヨーゼフ2世」の治世下（1780年～1790年）に、オーストリア帝国（神聖ローマ帝国）で発行された金貨です。
当時、通貨として広く流通していたこの金貨は、その美しいデザインと高い金純度から、現在ではコレクターズアイテムとして高い人気を誇っています。
歴史的価値と希少性から、古銭としても高く評価されており、その価格も高騰しています。
「ヨーゼフ2世」はどのような人物だった？
ヨーゼフ2世（1741年～1790年）は、オーストリア・ハプスブルク家の皇帝であり、啓蒙専制君主として知られています。
「改革の皇帝」や「民衆王」とも呼ばれた彼は、進歩的で革新的な政策を次々と実行しました。その背景には、啓蒙思想の影響と、民衆の幸福を願う強い理想主義があったのです。
ヨーゼフ2世は、かの有名な「マリー・アントワネット」の兄であり、「オーストリアの母」と称される「マリア・テレジア」の長男です。
1780年に母の後を継いで、神聖ローマ皇帝に即位しました。
彼の改革は、宗教寛容政策・農奴制の廃止・言論の自由の拡大など、多岐にわたりました。しかし、急進的な改革は貴族や教会からの反発を招き、混乱を招く結果に。晩年は多くの政策が撤回され、彼の治世は短命に終わりました。
それでも、ヨーゼフ2世の理想は、後の時代に大きな影響を与え、近代ヨーロッパの基礎を築く上で重要な役割を果たしましました。
「ヨーゼフ2世ダカット金貨」の特徴とデザイン
ヨーゼフ2世ダカット金貨は、コレクターの間で高い人気を誇る金貨です。
その魅力は、精巧なデザインと歴史的な価値にあります。今回は、ヨーゼフ2世ダカット金貨の特徴とデザインについて詳しく解説していきます。
ヨーゼフ2世ダカット金貨の種類
ヨーゼフ2世ダカット金貨には、「1ダカット金貨」と「2ダカット金貨」の2種類が存在します。
2ダカット金貨は、1ダカット金貨の約2倍の重量があり、サイズも大きいため容易に区別できます。また、2ダカット金貨の裏面には「2」の数字が刻印されているのも特徴です。
表面のデザイン：「ヨーゼフ2世の肖像」
ヨーゼフ2世ダカット金貨の表面には、月桂冠を戴いた「ヨーゼフ2世の肖像」が横向きに描かれています。
この肖像は、皇帝としての威厳と権力を象徴するデザインです。
肖像の下部には、金貨が鋳造された造幣所のマークが刻印されています。
▼鋳造所マーク（参考）
A：オーストリア、ウィーン造幣局（1194年から現在まで）
B：スロバキア、クレムニツァ造幣局（1328年から現在まで）
E：ルーマニア、アルバ・ユリア造幣局
F：オーストリア、現代のチロル州ハル造幣局
G：ドイツ、ギュンツブルク造幣局
M：イタリア、ミラノ造幣局
肖像の周囲には、ヨーゼフ2世の称号を示すラテン語の文字が刻まれています。
「IOS・II・D・G・R・I・S・A・ GE・HV・BO・REX・ B」と省略された形で記載されており、支配者としての地位と権威を強調しています。
裏面のデザイン：ハプスブルク家の象徴「双頭の鷲」
ヨーゼフ2世ダカット金貨の裏面には、ハプスブルク家の象徴である「双頭の鷲」が描かれています。
王冠を被った双頭の鷲は、東西に広がる広大な帝国を象徴しています。中央に配された「ハプスブルク＝ロートリンゲン家の紋章」は、ハプスブルク家の正当性と統治権を表現しているのです。
周囲には、金貨の発行年と「オーストリア大公・ブルゴーニュ公・ロートリンゲン公・トスカーナ大公」を意味するラテン語の文字が刻まれており、ヨーゼフ2世が統治していた主要な地域を示しています。
▼「ヨーゼフ2世ダカット金貨（1787年銘）」の概要
・品位：金98.6%
・重量：約3.4909g
・直径：約21mm
・額面：1ダカット
・発行年：1787年
・発行国：神聖ローマ・オーストリア
「ヨーゼフ2世ダカット金貨」の市場価値
発行から200年以上経った「ヨーゼフ2世ダカット金貨」は、古銭市場において高い価値を認められている金貨です。
発行年や鋳造所、保存状態によって価格は変動しますが、コレクターからの根強い人気により、安定した市場価値を維持しています。
価値を左右する要素
ヨーゼフ2世ダカット金貨の価値を決定づける要素は、主に以下の点が挙げられます。
・希少性: 発行年や鋳造所の違いによって発行枚数が異なり、希少性が高いほど市場価値も高くなります。たとえば、特定の年に特定の鋳造所で発行されたヨーゼフ2世ダカット金貨は、非常に希少価値が高く、高額で取引されることも。
・保存状態: アンティークコインであるヨーゼフ2世ダカット金貨は、保存状態が買取価格に大きく影響します。デザインや文字の鮮明さ、変色や欠けの有無、摩耗の程度などが評価の対象となります。
「ヨーゼフ2世ダカット金貨」をご売却される際は
ヨーゼフ2世ダカット金貨をご売却される際は、古銭に精通した専門業者に査定を依頼することが重要です。専門業者は、金貨の希少性や保存状態を正確に評価した上で、買取を行っています。
買取福ちゃんでは、「ヨーゼフ2世ダカット金貨」をはじめ、国内外の古銭やアンティークコインを高価買取中です。長年培ってきた専門知識と豊富な買取実績を活かし、お客様のコレクション品を丁寧に査定いたします。
大切に保管されてきた「ヨーゼフ2世ダカット金貨」などをご売却される際は、買取福ちゃんまで、お気軽にお問い合わせください。
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まとめ
ヨーゼフ2世ダカット金貨は、その高い金純度（98.6%）と精巧なデザインから、18世紀後半のオーストリア帝国において高い価値を持つ貨幣でした。
当時、ヨーロッパでは金貨が国際貿易で重要な役割を果たしていました。ヨーゼフ2世ダカット金貨も、その信頼性の高さから国際的な取引の場で広く流通していたのです。
今日では、コレクターの間で非常に人気のあるコインとなっています。
その理由は、以下の点が挙げられます。
・歴史的価値の高さ: ヨーゼフ2世という歴史的な人物と、当時のオーストリア帝国の繁栄を象徴する金貨であるという点。
・希少性: 金貨の発行から200年以上が経ち、現存数が限られているため、希少価値が高い点（美品はとくに希少）。
・美しい製造技術: 当時の高い技術力によって製造された、精巧で美しいデザイン。
ヨーゼフ2世ダカット金貨は、単なる金貨ではなく、歴史と権威が凝縮された、まさに貴重な逸品といえるでしょう。
