中ソ蜜月時代を彩る!「中ソ友好相互援助条約5周年切手」の誕生秘話と価値を徹底解説
冷戦時代、世界はイデオロギー対立の真っただ中でした。
しかし、その凍てつく大地に、熱い友情が芽生えた国がありました。共産主義を掲げる2つの超大国、「中国」と「ソ連」です。
「中ソ友好相互援助条約5周年切手」は、そのような両国の蜜月時代を象徴する貴重な中国切手です。
この切手には、複雑な国際関係と当時の理想、そして人々の希望が凝縮されています。国家間の駆け引きやイデオロギーの潮流、民衆の想いなど、さまざまな要素が絡み合い、この小さな切手に深い歴史が刻まれているのです。
「一体どんなデザインなの?」
「希少価値はどれくらい?」
「切手の発行枚数は?」
そのような疑問をお持ちの方へ。
切手コレクターはもちろん、歴史に興味がある方、中国やソ連について知りたい方にも、わかりやすく解説していきます。
ぜひ最後までお読みください。
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目次
「中ソ友好相互援助条約5周年切手」とは?
1955年に発行された「中ソ友好相互援助条約5周年記念切手」は、冷戦時代の中国とソ連の蜜月関係を象徴する貴重な中国切手です。
1950年に締結された「中ソ友好同盟互助条約」の5周年を記念し、発行されました。
この条約は、両国の友好関係を深め、相互協力を促進することで、日本やその他の国による再侵略や平和破壊を防ぐことを目的としていました。
そのような当時の国際情勢を反映した、歴史的に重要な切手といえるでしょう。
中ソ友好から切手の発行へ:歴史を紐解く
切手発行の背景には、1949年の新中国成立と、ソ連による迅速な承認があります。
ソ連は、国民党政府との関係を断絶し、真っ先に新中国と国交を樹立した国でした。
その後、毛沢東主席がソ連を訪問し、スターリンとの会談を通じて両国の関係はさらに深まったのです。
そして、1950年2月14日に「中ソ友好同盟互助条約」がモスクワで締結。政治・経済・文化など、幅広い分野での協力が約束されました。
この条約締結5周年を記念して発行されたのが、「中ソ友好相互援助条約5周年切手」です。
切手を発行したのは、5年間の友好関係と協力を象徴し、両国の絆を強くアピールするのが狙いでした。ソ連による技術支援は、新中国の工業化をとくに大きく促進させたのです。
この切手は、単なる郵便切手ではありません。
両国の深い友情と協力、そして新中国の成長の証として、歴史的な価値を持つ切手でもあるのです。
切手のデザインと発行枚数:コレクター必見の情報
「中ソ友好相互援助条約5周年切手」は、2種完の中国切手です。
新人民元になってから、初めての20分切手としても知られています。
それぞれの切手のデザインテーマと発行枚数は、以下のとおりです。
✔ 毛主席とスターリン(額面8分、発行枚数700万枚)
✔ ソ連技術者と労働者(額面20分、発行枚数500万枚)
続いて、それぞれのデザイン詳細を解説します。
毛主席とスターリン(額面8分、発行枚数700万枚)
8分切手「毛主席とスターリン」には、毛沢東主席とスターリンが「クレムリン宮殿」の一室で会談する様子が描かれています。
毛沢東の手には「マルクス・レーニン主義」の著作があり、スターリンと膝を交えて真剣に議論を交わしている姿が印象的です。
スターリンは左手にタバコを持ちながらも、毛沢東の言葉に熱心に耳を傾けています。 二人の間には、深い信頼関係と、共産主義という共通のイデオロギーに基づく強い絆が感じられます。
この切手は、当時の中ソ両国の「兄弟のような」親密な関係を象徴しているのです。
冷戦という緊張状態の中でも、両国の指導者が率直な対話を行い、友好を深めていた様子が伝わってきます。
ソ連技術者と労働者(額面20分、発行枚数500万枚)
20分切手「ソ連技術者と労働者」には、工場でソ連の技術者が中国の労働者に技術指導を行う様子が描かれています。
背景に描かれているのは、近代的な大規模工業設備。このデザインは、両国の協力による工業化の進展を象徴しているのです。
ソ連の技術者は、左手に作業帽を持ち、右手で機械設備を指し示しながら丁寧に説明しています。中国の労働者は、図面を手に真剣な表情で説明に聞き入っています。
この切手を見る私たちには、ソ連の技術者たちの熱心な指導と、中国の労働者たちの旺盛な学習意欲が伝わってくるようです。 技術と知識の交流を通じて、両国の工業が発展していく様子が生き生きと描かれています。
中ソ間の相互学習と協力が、新中国の発展に大きく貢献したことを示す、印象的な切手です。
▼中国切手「中ソ友好相互援助条約5周年」の詳細
・発行日:1955年7月25日
・額面:8分、20分
・切手デザイン:全2種類
・発行枚数:500万枚~700万枚
・編号:紀32
「中ソ友好相互援助条約5周年切手」の価値とは?
「中ソ友好相互援助条約5周年記念切手」は、切手コレクターの間で高い人気を誇るアイテムです。
その価値を左右する要因を詳しく見ていきましょう。
歴史的価値:時代を映す証
1955年に発行されたこの切手は、約70年の時を経て、中ソ関係の転換点を示す貴重な歴史資料でもあります。
中ソ友好相互援助条約の「10周年記念切手」と合わせて所有すると、その歴史的価値はさらに高まります。
状態による価値:未使用品や美品は高額?
切手の状態は、価値を大きく左右する要素の1つです。
発行当時の状態を保っている未使用品や、消印のない美品は、高値で取引される傾向にあります。
シート状の切手も、コレクターの方から人気が高い傾向です。
希少性:文化大革命の影響は?
8分切手は700万枚、20分切手は500万枚発行されたものの、現在では状態の良いものが少なくなっています。
発行枚数が多いにもかかわらず、希少性が高いのは、文化大革命の混乱期に多くの切手が失われたり、破棄されたりしたことが原因です。
また、長年の保存による劣化も避けられないため、良品の希少性は時間の経過と共に高くなっています。
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まとめ
1955年、この切手が発行された当時は、中ソ関係は「蜜月期」と呼ばれ、両国は友好的な関係を築いていました。
中国は「ソ連に学べ」をスローガンに、ソ連の支援のもと工業化を推進し、経済発展を遂げていました。
技術者や専門家の交流も盛んに行われ、100以上の重要プロジェクトが進行するなど、協力関係はピークを迎えていたのです。
しかし、この蜜月時代は長くは続きませんでした。
1953年のスターリンの死後、「フルシチョフ」がソ連の指導者となり、対中政策に変化が生じ始めます。
イデオロギーの解釈や国家主権の問題など、両国の間に徐々に亀裂が生じ始め、1960年代に入ると対立は決定的となり、1980年には条約が失効してしまいます。
このように、中ソ関係が蜜月から対立へと劇的に変化していきました。
両国の関係が変化する中で、「中ソ友好同盟相互援助条約5周年記念切手」は、両国の「理想的な同盟関係」の象徴として、歴史的な価値を持つようになりました。