誉田屋源兵衛とは?世界が注目する帯の魅力と伝統の技
誉田屋源兵衛(こんだやげんべえ)は、十代にわたって続く、京都の老舗帯屋。
魂を込めて織られた帯は、海外のハイブランドからも注目される、唯一無二の帯です。
今回は、誉田屋源兵衛の歴史や、帯の魅力をお話ししていきます。
人気の浴衣についても触れていますので、ぜひ、誉田屋源兵衛の世界を楽しんでください。
誉田屋源兵衛とは?
誉田屋源兵衛は、江戸時代より続く、帯の製造販売を担う老舗の帯匠(おびしょう)です。
「計りて作らず 本物は残りて候」を家訓に、儲けを考えるのではなく、後代に残る本当によい帯を作り続けています。
現在、職人たちとともに伝統の技術を受け継いでいるのが、10代目の誉田屋源兵衛です。
10代目の類いまれなる才能と表現力は、見る人の心を揺さぶる帯を生み出し、アート界や世界的ハイブランドからのアプローチも絶えません。
浴衣も展開しており、伝統とモダンなテイストが融合されたデザインが、幅広い年代の方から支持されています。
誉田屋源兵衛の歴史
1738年、初代・矢代庄五郎により、誉田屋が設立されました。
誉田屋源兵衛の名は、1868年から。6代目矢代庄五郎から7代目を継承した山口源兵衛が、初代・誉田屋源兵衛を名乗るようになります。
そして、1979年に10代目誉田屋源兵衛の時代となりました。
1994年には、創業260周年展を開催。
その後も、各種帯展の開催やアーティストとのコラボレーションなどを通じて、誉田屋源兵衛の世界観を発信し続けています。
誉田屋源兵衛|帯の魅力
誉田屋源兵衛の帯は、日本のみならず、世界中から熱い視線を集めています。
世界的ハイブランドのシャネルをはじめ、ヨーロッパのトップメゾンが誉田屋源兵衛の見学に訪れるほどです。
古代から伝わる自然素材や技術を、革新的な技術とアイデアで融合させているのも、10代目誉田屋源兵衛ならでは。大ボタンのモチーフにラピスラズリを染料にして織った帯もあり、その背景には100年以上前の材料を使用しています。
また、箔は、誉田屋源兵衛の帯に欠かせません。
10代目誉田屋源兵衛は、魂や気配などの見えない物を表現することに重きを置いており、その表現の1つに箔があるといいます。
帯作りの技術はもちろん、技術の裏にある見えない力が、見る人の心情や情緒に触れ、精神的な価値をも生み出しているのです。
実際、堂々とした佇まいの帯を目にすると、「美」や「芸術」を超えた、すごみさえ感じるでしょう。
誉田屋源兵衛の活動
ここからは、誉田屋源兵衛が帯以外で行っている活動をご紹介します。
誉田屋源兵衛による、大麻布の復活や「小石丸」について、見ていきましょう。
大麻布
戦後、生産されなくなった大麻布を復活させようと、誉田屋源兵衛と麻布研究者の吉田真一郎氏が立ち上がりました。
大麻布とは、大麻から作る布のことで、手触りがよく、シルクのような上品な輝きとやわらかさが特徴です。大麻は、縄文の頃から日本人に親しまれており、生地のほか食料としても活用されていました。
「大麻布復活プロジェクト」として始まった活動は、1年をかけて大麻100%の糸を完成させます。
2011年には、エイベックスグループによる大麻布のブランド「麻世妙(まよたえ)」の立ち上げが決定。その後、約3年かけて、大麻布の完成へと至りました。
小石丸
小石丸とは、皇室の御養蚕所で大切に育てられている「蚕の品種名」のことです。細くしなやかで美しい光沢を放つ、最高級の絹糸を生み出します。
長らく皇室での生産に限られていたため、かつては「幻の絹糸」とも呼ばれていました。そのような小石丸に転機が訪れたのは、1988年のこと。
小石丸が一般に解禁されたのを機に「誉田屋源兵衛」が、その製品化にいち早く着手したのです。
伝統を守りながら革新を続ける誉田屋源兵衛は、この「小石丸」の生糸を用い、他に類を見ない美しい帯や着物を製作。その功績が認められ、2003年には「小石丸の生糸」が日本文化デザイン賞の日経MJ賞を受賞しました。
誉田屋源兵衛の浴衣
10代目誉田屋源兵衛は、周囲の反対を押し切って浴衣作りにも着手し、見事大成功を収めます。
これも、家訓「計りて作らず 本物は残りて候」の教えといえるでしょう。
誉田屋源兵衛の浴衣は、モダンで大胆な絵柄が特徴で、女性だけでなく男性からも支持されています。とくに「破れ格子」は、シンプルで粋な着こなしができると、男女を問わず人気がある柄です。
また、麻を使用した綿麻100%の素材を採用しており、蒸し暑い夏でも肌触りよく着用できるでしょう。
まとめ
世界的なファッションブランドからも注目される、誉田屋源兵衛の帯。その圧倒的な存在感と美しさは、多くの人を魅力しています。
興味をお持ちになった方は、実際にその世界観に触れてみてはいかがでしょうか。
「いつか使おう」と大切にしまっておいた着物の中に、誉田屋源兵衛の帯や浴衣はございませんか?
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