イチローズモルトとは?おすすめの種類と選び方(ベンチャーウイスキー)

日本のウイスキーの中でも注目を集めている「イチローズモルト」。その名が元メジャーリーガーのイチロー選手を連想させることから、誤解されている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、イチローズモルトは、「ジャパニーズウイスキー」の新たな時代を切り拓く、他に類を見ない魅力を持った銘柄です。この記事では、「イチローズモルトがどのようなウイスキーなのか」、その歴史や特徴、そして人気の秘密に迫ります。

世界中で大人気!イチローズモルトとは

イチローズモルトとは?おすすめの種類と選び方【ベンチャーウイスキー】

イチローズモルトとは、埼玉県秩父市にある「秩父蒸溜所」において、2007年11月から「株式会社ベンチャーウイスキー」が製造・販売するジャパニーズウイスキーです。

ベンチャーウイスキーが世に送りだすイチローズモルトは、世界的な品評会での受賞歴も多数誇り、世界中のウイスキー愛好家から高い評価を受けています。

その人気は圧倒的で、多くのシリーズが入手困難となるほどの「プレミアウイスキー」として知られています。

イチローズモルトの由来

イチローズモルトの歴史は、2004年9月、創業者の「肥土伊知郎(あくといちろう)」氏が、自身の名を冠したウイスキーブランドである「イチローズモルト」の製造・販売のために、「株式会社ベンチャーウイスキー」を設立したのがきっかけでした。

肥土氏は、江戸時代から続く造り酒屋「東亜酒造」設立者の孫であり、大学卒業後にはサントリーに入社。

山崎蒸溜所での勤務を希望していましたが、ウイスキーの技術者は大学院修士課程修了者のみの採用だったこともあり、サントリーでは営業企画・営業職に就きました。

しかし、心のどこかにあった「もの造りがしたい」という気持ちと、「実家の家業を手伝ってほしい」と誘われたタイミングが一致し、父が経営する東亜酒造へ入社します。

そんな東亜酒造は江戸時代の1625年から続く、造り酒屋(蔵で酒を醸造・店舗で販売)でしたが、2000年に経営不振により民事再生法を申請。

2004年には日の出通商(現:日の出ホールディングス)への営業譲渡も決定していましたが、日の出通商は貯蔵期間が長くかかるウイスキー事業からの撤退を決断。東亜酒造の「羽生蒸溜所」にあったウイスキー原酒は引き取り手が見つからなければ、「廃棄処分」という厳しい決定が下されたのです。

20年間も熟成させた400樽もの貴重なウイスキー原酒を救うために、肥土氏は必死になってウイスキー原酒を引き取ってくれる企業を探し続けました。

そして、福島県にある「笹の川酒造」という蔵元から念願の援助を取り付け、貯蔵庫の提供を受けます。

その後、笹の川酒造の協力を得ながらウイスキー造りを続け、誕生したのが「イチローズモルト」です。その銘柄名は、数々の困難を乗り越えてきた「肥土伊知郎」氏の名前に由来しています。

イチローズモルトの魅力

イチローズモルトには、他のウイスキーにはない独自の魅力が数多く存在します。ここでは、その中でもとくに注目すべき3つのポイントをご紹介します。

▼世界で唯一、「ミズナラ材を使った発酵槽」を利用

イチローズモルト最大の特徴は、「世界で唯一、ミズナラ材を使用した発酵槽」を使用している点です。

ジャパニーズオーク」とも呼ばれるミズナラは、日本固有のオーク材。熟成樽にミズナラ材を使用する蒸溜所は世界にも存在しますが、発酵槽に使用しているのは秩父蒸溜所だけです。

近年、発酵槽には衛生管理の容易なステンレス製が主流となっていますが、イチローズモルトは味と香りに徹底的にこだわり、北海道産のミズナラ材を使用した独自の発酵槽を採用。

これにより、お香や香木を思わせる芳醇な香りと、ミズナラ材にのみ生息する乳酸菌によりイチローズモルト独自のフルーティな味わいを生み出しています。

▼「100%秩父産」のウイスキー造りに挑戦

イチローズモルトは、原料の大麦から乾燥用の泥炭(ピート)まで、秩父産の素材にこだわっています。

さらに、製麦から瓶詰めまでのすべての工程を秩父蒸溜所内で行うことで、「100%秩父産」ウイスキー造りを目指しています。

ウイスキー造りにおいて気候は非常に重要ですが、埼玉県秩父市にある秩父蒸留所では、夏は高温多湿、冬は乾燥して朝晩は氷点下になるほどの寒暖差が激しい場所です。

他の地域と比べると、かなり早く熟成も進みやすい秩父のこの気候がイチローズモルトには最適で、熟成年数以上の深い味わいをもたらしているといわれています。

また、秩父は名水としても知られ、豊富なミネラルを含む上質な水もイチローズモルトの味わいを支えています。

このように恵まれた環境で造られるイチローズモルトは、「100%秩父産」のウイスキー造りに挑戦する「秩父の地ウイスキー」として、地元にこだわった活動を続けています。

▼「世界最高峰」のジャパニーズウイスキー

イチローズモルトは、世界的に権威のあるウイスキー品評会「ワールド・ウイスキー・アワード(World Whiskies Awards)」において、ジャパニーズ部門で7年連続「世界最優秀賞」を受賞。

その他にも、「イチローズモルト 秩父ウイスキー祭2017」がシングルカスク・シングルモルトウイスキー部門で世界一に輝くなど、数々の賞を受賞しています。

また、世界100カ国以上で発行されているウイスキー専門誌「ウイスキーマガジン」のジャパニーズモルト特集では、カードシリーズの「キング・オブ・ダイヤモンズ」が最高得点のゴールドアワードを受賞するなど、世界的な評価を獲得。

秩父蒸溜所の設立は2007年と歴史こそ浅いものの、肥土氏のウイスキー造りへの情熱とこだわりが、世界最高峰のジャパニーズウイスキーとしての地位を確立しました。

「1億円の価値」があるイチローズモルト

数々の賞を受賞し、世界的な人気を誇るイチローズモルト。

2019年夏には、香港の競売でイチローズモルトの希少な「カードシリーズ」全54本セットが約9750万円という驚きの価格で落札されました。

カードシリーズは、トランプのカードにちなんだ名前が付けられた限定ボトルで、2005年から2014年にかけて順次発売。

限定生産ゆえの希少性と、コレクター心をくすぐるシリーズ構成が、この高額落札の背景にあります。

イチローズモルトの種類

イチローズモルトは、その歴史が浅いながらも、100種類近いラインナップを誇ります。

ここでは、その中でも特に代表的なシリーズをご紹介します。限定本数で販売される銘柄が多く、希少価値の高いウイスキーが多いのも特徴です。

イチローズ モルト「 ホワイトラベルシリーズ」

ホワイトラベルシリーズ

高級なシリーズが多いイチローズモルトの中で、比較的入手しやすいのが「ホワイトラベル」です。イチローズモルトの定番商品として、エントリーユーザーにも親しまれています。

若いウイスキーならではの力強いアルコール感と、ハイボールに最適な爽やかな香りが特徴です。「ブラックラベル」や「リミテッドエディション」といった限定品も人気を集めました。

イチローズモルト「ダブルディスティラリーズ」

ダブルディスティラリーズ

緑色のリーフラベルが印象的な「ダブルディスティラリーズ」は、秩父蒸溜所と、肥土氏の祖父が創業した東亜酒造の「羽生蒸溜所」の原酒をブレンドした定番商品です。

ミズナラ樽由来の東洋的なフレーバーと、ほのかな甘みが特徴で、2009年のワールド・ウイスキー・アワードではベストジャパニーズ・ブレンデッドウイスキーに選出されました。

現在稼働していない羽生蒸溜所の原酒を使用しているため、将来的には終売となる可能性があり、希少性も高まっています。

イチローズモルト「秩父シリーズ」

秩父シリーズ

秩父シリーズ」は秩父蒸溜所のファーストリリースである「ザ・ファースト」をはじめ、毎年新しい限定商品が発売されている人気シリーズです。

とくに「秩父 ザ・ファースト」は3年間の熟成を経てボトリングされ、アメリカの専門誌でジャパニーズ・ウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、イチローズモルトの原点を感じさせる銘柄として高い評価を受けています。

他にも、「秩父 ポートパイプ」、「秩父 IPA カスク フィニッシュ」、「秩父 ザ・ピーテッド カスクストレングス」、「秩父 オン・ザ・ウェイ」など、様々なバリエーションが展開されています。

イチローズモルト「カードシリーズ」

カードシリーズ

イチローズモルトの中で最も人気があり、高価なシリーズといえるのが「カードシリーズ」です。

カードシリーズは、羽生蒸留所にある1つの樽からボトリング(シングルカスク)された希少な原酒が使われています。

トランプのカードにちなんだ全54種類のボトルが、2005年から2014年にかけてリリース。生産量が非常に少なく、極めて希少価値が高いシリーズです。

前述の通り、香港の競売にて全54種セットで約1億円の高値がついたことでも話題に。

世界的に有名なウイスキー専門誌「ウイスキーマガジン」が主催するコンテストで、「キング・オブ・ダイヤモンズ」が最高得点のゴールドアワードを受賞し、イチローズモルトの名を世界に知らしめました。

イチローズモルトの選び方

イチローズモルトとは?おすすめの種類と選び方【ベンチャーウイスキー】

イチローズモルトは多様なラインナップを展開しており、初心者から上級者まで楽しめるウイスキーです。どのように選べば良いか迷った際は、以下のポイントを参考にしてみてください。

初めての方には「ホワイトラベル」

手ごろな価格でイチローズモルトの品質を体験できる、入門編として最適な1本です。ハイボールで爽快に楽しむのがおすすめです。

バランスの良い味わいを求めるなら「ダブルディスティラリーズ」

秩父と羽生の原酒が絶妙にブレンドされた、バランスの取れた味わいが魅力です。ストレートやロックでじっくりと味わいたい方におすすめです。

秩父蒸溜所の個性を堪能するなら「秩父シリーズ」

熟成期間が比較的短いながらも、ワンランク上の深くて個性豊かな味わいが楽しめます。様々なカスクフィニッシュが展開されているので、自分の好みに合わせて選んでみましょう。

究極の希少性を求めるなら「カードシリーズ」

入手困難なプレミアウイスキーとして、至福の時間を過ごせる1本です。定価での入手は難しいですが、ネット上で手に入ることもあるため、見つけたらチャンスです。

まとめ:イチローズモルト買取なら福ちゃんへ

イチローズモルトとは?おすすめの種類と選び方【ベンチャーウイスキー】

今回の福ちゃんコラムは、「イチローズモルトとは?」というテーマでお届けしました。日本だけでなく世界的にも高い人気を誇る、ジャパニーズウイスキーのイチローズモルト。

イチローズモルトの魅力や歴史、種類について解説しましたが、知れば知るほど素晴らしいお酒で、ジャパニーズウイスキーの新たな可能性を示す存在です。

イチローズモルト高価買取なら、お酒の買取実績が豊富な福ちゃんにお任せください。

秩父シリーズ、ダブルディスティラリーズシリーズ、カードシリーズなど、どの種類でも豊富な知識を持つ専門スタッフが、1点1点丁寧に査定し、価値に見合った買取価格をご提示いたします。

イチローズモルトの買取でお悩みの方は、無料査定も実施しておりますので、まずは福ちゃんまでお気軽にお問い合わせください。

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