知って楽しい着物の文様!着物に描かれる文様をご紹介
吉祥文様とは
吉祥文様は、日本の伝統的な和柄文様の中でも、繁栄や長寿の意味を込めた縁起が良い物や動物をモチーフにした文様です。吉祥模様は、良い兆しや祝いの意味を込めて描かれているので、祝いの席で好まれます。たくさんの吉祥文様がありますが、ここでは3つの代表的な文様をご紹介します。
鶴
「鶴は千年、亀は光年」という言葉は誰しも耳にしたことがありますよね。その言葉の通りに、鶴や亀は長命長寿の象徴として昔から用いられていました。
また、「夫婦鶴」という言葉もあるように、鶴はつがいになると死別しない限りその相手と一生添い遂げる鳥で、夫婦円満のモチーフとしても知られています。なので、鶴の文様は結婚式の場でも定番です。
松竹梅
松竹梅は現在でも新年のお祝いで使われますよね。着物でもおめでたい柄としてお正月だけでなく、祝いの場であれば通年で着ることができます。
松竹梅それぞれに吉祥の意味があり、松は「長寿や不老不死の象徴」、竹は「子孫繁栄の象徴」、梅は「気高さや長寿の象徴」という意味です。松竹梅が合わさっているイメージが強いですが、それぞれ単体で文様として使われることもあります。
扇
扇は末広がりの形状になっているので、「末広」とも呼ばれていて、「未来が明るくなる」という繁栄・開運のモチーフとして使われています。日本では昔から季節を問わずに祝いの席で扇を送る習慣もあり、現在でも通年で着ても問題はありません。
有職文様
有職文様とは、中国の唐朝の文様を日本風にしたもので、格調があり、伝統的で優雅な文様です。平安時代以降の貴族の衣装や、調度品の装飾などに用いられていましたので、雅でおめでたい柄として現在の着物にも多く使われています。
有職文様では、文様よりもかさね色目を重視したため、整然と繰り返される織りの文様が多く、具体的には、「丸」「菱」「亀甲」「立涌」などの幾何学模様に、「雲」「波」「蝶」「花」などを組み合わせた柄が多いです。代表的な有職文様としては、「雲立涌」「花菱亀甲」「向い蝶」などがあります。
正倉院文様
正倉院文様とは、その名の通り東大寺の倉庫である「正倉院」が深く関係しています。正倉院文様は、正倉院に収蔵されていた工芸品や、染織品に施された文様のことです。日本で最古の古典文様とされ、インドや中国から伝わった文様に影響を受けています。
そのため、異国風のエキゾチックさと格調高さを併せ持つ文様が多くみられます。最古の文様ということもあって格式が高くデザイン化もされている文様なので、通年で着ることができる着物が多いです。代表的な正倉院文様には「宝相華」「花喰い鳥」「樹下双獣」などがあります。
まとめ
今回の福ちゃんコラムでは、着物の代表的な文様についてをご紹介しました。着物に描かれている文様には様々な意味や時代背景があって、とても興味深いです。着物選びの際には、着物の文様から選んでみるのもおすすめですよ。