フセイン10ディナール金貨「教皇パウロ6世ヨルダン訪問記念」の古銭価値をわかりやすく解説
1969年にヨルダンで発行された特別な記念硬貨には、宗教間の対話と和解という壮大な物語が凝縮されています。それが今回の福ちゃんコラムでご紹介する、「教皇パウロ6世ヨルダン訪問記念」による「フセイン10ディナール金貨」です。
この金貨は、高品位の金による「プルーフ貨幣」となっており、コレクション品としてだけでなく、発行背景やデザイン面でも注目を集めています。
当記事では、金貨の特徴から発行背景まで詳しくご紹介。また、古銭買取を検討されている方向けに、市場価値についても解説します。
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目次
「教皇パウロ6世ヨルダン訪問記念」フセインディナール金貨(1969年銘)とは
1969年に発行されたヨルダン「フセイン10ディナール金貨」は、ローマ・カトリック教会「史上初」となる、教皇パウロ6世の聖地巡礼と、歴史的なエルサレム訪問を記念する特別な金貨です。
この訪問は、中東地域における宗教間の対話と和解を促進するという重要な目的を持ち、ヨルダンにとっても極めて意義深い出来事でした。
教皇「パウロ6世」について
教皇パウロ6世(1897年9月26日生まれ / 1978年8月6日没)は、1963年から1978年まで在位したローマ・カトリック教会の教皇です。
世界各国を訪れるなど、精力的に活動していたことから「旅する教皇」とも呼ばれています。
在位中、パウロ6世は「第2バチカン公会議」を完了させ、教会の現代化と改革を推進。1964年にはエルサレムを訪れ、キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒間の対話と和解を促進するための歴史的な聖地巡礼を行いました。
この訪問は、宗教間の理解と協力を深めるための重要な一歩となり、彼の和平と和解のメッセージを世界に広めた功績は今でも高く評価されています。
「教皇パウロ6世ヨルダン訪問記念」フセインディナール金貨:美しいデザインと特徴
「教皇パウロ6世」のヨルダン訪問を記念して発行された、このフセインディナール金貨は、鏡面仕上げのプルーフ貨幣ならではの美しい輝きを放つのが特徴です。
表面には、ヨルダンの国王「フセイン1世(フセイン・ビン・タラール)」の威厳ある横顔が中央に刻まれ、その下にはアラビア数字とヒジュラ暦(イスラム暦)で、額面と発行年が記されています。
裏面には、斜めに向いた教皇パウロ6世の肖像が円の中に描かれ、背景にはエルサレムの聖地「ゲッセマネの園」にある、「万国民の教会」が描かれています。ちなみに、現在の万国民の教会は、世界12か国からの献金によって再建されたものです。
金貨の上部には、「THE HASHEMITE KINGDOM(ハシミテ王国)」の文字と、金品位「900」が刻まれています。さらに、円の中には教皇のエルサレム訪問日、「5.1.64 PAUL VI IN JERUSALEM」が刻まれています。
下部に記されているのは、「GETHSEMANE CHURCH(ゲッセマネ教会)」の文字と、額面「TEN 1969(1969年10ディナール)」です。
この金貨は、歴史的な出来事と宗教的な意味合いを美しいデザインと輝きで表現しており、コレクターにとって貴重な1枚となっています。
▼「教皇パウロ6世ヨルダン訪問記念」フセインディナール金貨の概要
・品位:金90%(K21.6)
・重量:約27.64g
・直径:約40mm
・額面:10ディナール(ヨルダン・ディナール)
・発行年:1969年銘(ヒジュラ暦1389年)
・発行国:ヨルダン・ハシミテ王国
「教皇パウロ6世ヨルダン訪問記念」フセインディナール金貨:その価値と高価買取のポイント
教皇パウロ6世ヨルダン訪問記念の「フセインディナール金貨」は、その歴史的背景と美しいデザインから、コレクターの間で高い人気を誇る、大変価値のある金貨です。
良好な状態であれば、額面以上の買取価格が期待できます。
付属品や証明書などが揃っている場合は、さらに高値での取引が可能です。もし付属品をお持ちでしたら、大切に保管しておくことをオススメします。
大切な金貨を売却される際には、信頼できる買取業者を選ぶことが重要です。
買取福ちゃんでは、専門知識を持ったスタッフがお客様の大切な金貨を丁寧に査定し、お品物の価値に見合った価格で買取いたします。
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まとめ
教皇パウロ6世のヨルダン訪問は、キリスト教の歴史において宗教間の対話と和解を促進した重要な出来事でした。その記念として発行された「フセイン10ディナール金貨」は、単なるコレクターズアイテム以上の価値を持っています。
1964年1月、教皇パウロ6世はエルサレムを訪れ、東方正教会の「アテナゴラス1世」総主教と歴史的な会見を行いました。これは、1054年の東西教会の分裂以来、約900年ぶりに両教会のトップが対面する画期的な出来事でした。
この会見は、長年の対立を乗り越え、両教会間の関係改善に向けた第一歩となりました。そして、1965年には相互の破門が解除され、正式な和解が宣言されたのです。
教皇パウロ6世の訪問は、キリスト教の歴史における大きな転換点となり、その精神はフセイン10ディナール金貨にも受け継がれています。この金貨は、宗教間の対話と和解の象徴として、コレクターだけでなく、キリスト教の歴史に関心を持つ人々にとっても貴重な存在といえるでしょう。