久米島紬とはどのような着物?特徴・由来・着やすさなども解説
久米島紬は、久米島の伝統工芸品です。
希少価値がある絹織物として、あこがれを抱いている方も多いでしょう。
この記事では、久米島紬がどのような着物なのかを特徴から由来、着やすさまで詳しく解説していきます。
久米島紬の買取相場にもふれていますので、ぜひ最後まで楽しんでください。
目次
久米島紬の特徴
久米島紬は、沖縄県久米島町で作られている絹織物です。
上品な光沢とやわらかな質感があり、袖を通すと体の線になじむと人気があります。2004年には、国の重要無形文化財に指定されました。
久米島紬の注目すべき特徴として、以下の3つをご紹介します。
● 1人の織子が一貫して製作
● 絣くくり
● 島内の植物や泥で染色
さっそく 、見ていきましょう。
1人の織子が一貫して製作
久米島紬の大きな特徴は、1人の織子が一貫して製作を担っていることです。
製作工程には、糸紡ぎ・図案・染色・絣くくり・織りなどがあり、仕上がりは織子の個性が楽しめます。
絣くくり
絣模様のために行う絣くくりも、久米島紬の特徴です。
糸を染める前に行う工程で、織ったときに絣模様になるように、染色しない部分を錦糸でくくります。
絣くくりの正確性は、完成する絣模様の美しさに直結するほど重要です。そのため、気の遠くなるような数の糸を、正確にくくらなければなりません。
職人の熟練の技と集中力が求められる、まさに匠の技といえるでしょう。
この手間暇かけた職人技こそが、久米島紬の価値を高める要因の1つです。
島内の植物や泥で染色
久米島紬は、久米島で自生する草木や泥を使って染色するのが特徴です。
グール(オキナワサルトリイバラ)、ティカチ(オキナワシャリンバイ)、ユウナ(オオハマボウ)などを採取し、煮出して染料を作ります。
なお、染料に使用する草木を採取するには、許可が必要です。
久米島紬の由来
久米島紬の由来は、鎌倉から室町時代の頃までさかのぼります。
『琉球国由来記(りゅうきゅうこくゆらいき)』によると、堂之比屋(どうのひや)という人物が明(現在の中国)から養蚕技術を持ち帰ったのが始まりです。
1600年代前半になってから紬織りと糸の染色技術が発展し、現在のような久米島紬に発展していきました。
久米島紬の色
久米島紬を代表する色として、以下のような色があります。
● 黒褐色(すすたけ色)
● 灰色(銀ねず色)
● 赤茶色
● 黄色
● うぐいす色
また、久米島紬は、自然の草木を原料にした素朴で自然な色合いが特徴です。
久米島紬の染色には、泥のほかに以下のような植物が使われています。
植物 | 色 |
グール(オキナワサルトリイバラ) | 赤茶色 泥染めで最初の染めで使用 |
ユウナ(オオハマボウ) | 淡いグレー |
ティカチ(オキナワシャリンバイ) | 茶褐色 泥染めに使用 |
ウージ(さとうきび) | うぐいす色 |
フクギ(福木) | 黄色 |
ヤマモモ | 渋い黄色 |
ゲットウ(月桃) | ピンクがかった褐色 |
ソテツ | アイボリー |
クルボー(ナカハラクロキ) | 黄色 |
クルサ(ホルトノキ) | すすたけ色 泥染めに使用 |
シージャー(イタジイ) | 赤味のある黄色、緑がかった黄褐色 |
久米島紬の見分け方:本物と偽物の違いを見抜く3つのポイント
貴重な伝統工芸品である久米島紬。
その価値ゆえに、残念ながら偽物が出回ってしまうこともあります。
しかし、以下の3つのポイントを押さえれば、ご自身で本物を見極めることが可能です。
1.証紙を確認する
本物の久米島紬には、必ず「本場久米島紬」と記された証紙が付いています。仕立て前の反物であれば、端の部分に緯絣で織り込まれていますので、しっかりと確認しましょう。
2.織り方を確認する
久米島紬は、独特の「平織り」で織られています。この織り方は、経糸と緯糸が交互に交差するシンプルな織り方です。もし、平織り以外の織り方であれば、偽物の可能性が高いため、しっかりと確認しましょう。
3.素材を確認する
本物の久米島紬は、絹100%で作られています。とくに重要なのは、緯糸に「紬糸」を100%使用していることです。紬糸は、蚕の繭から作られる太くて節のある糸で、独特の風合いと光沢を生み出します。緯糸を触ってみて、紬糸特有の凸凹や太さの変化を感じられる場合は、本物である可能性が高いでしょう。
偽物に騙されないために
これらのポイントに加えて、信頼できるお店を選ぶことも大切です。
本物の久米島紬かどうかを見極めるためには、専門店や伝統工芸品を扱う老舗など、専門知識を持ったスタッフがいるお店に相談してみましょう。
久米島紬は着やすい?
久米島紬の着物は、「肌触りがやわらかく着やすい」といわれています。
そのやわらかさは、砧打ち(きぬたうち)という製造工程によるものです。織りあがった久米島紬を水洗いし、天日干しをした後、きねを使って叩きます。
この砧打ちを繰り返すことで、独特の風合いが生まれるのです。
また、しっとりとした感触で、体の線を美しく見せてくれるという声もあります。
久米島紬はいつ着る?
一般的に、紬はカジュアルな着物とされています。
そのため、高額な久米島紬だとしても、フォーマルの場では使用しません。
おしゃれ着として、友人との食事会やパーティーなどにぴったりです。帯との組み合わせで表情もガラっと変わりますので、久米島紬をさまざまに楽しんでみてください。
久米島紬は買い取ってもらえる?相場は?
久米島紬は、高い確率で買い取ってもらえる着物です。
ただし、虫食いや破れ、シミなどの状態によっては買取不可の場合もありますので、まずは査定に出してみることをオススメします。
また、久米島紬を買い取ってもらう際は、少しでも高い値段だとうれしいですよね。
高い値段で買い取ってもらうために、査定は久米島紬の証紙と一緒に出しましょう。
久米島紬の証紙には、以下のようなものがありますので参考にしてください。
● 久米島紬事業協同組合の証紙
● 沖縄県織物検査の証
● 沖縄県伝統工芸品の証
● 経済産業大臣指定伝統的工芸品
また、着物の買取実績のある業者を選ぶのも、久米島紬を高く買い取ってもらうポイントです。
着物の買取実績が少ないと、久米島紬の価値を低く見積もってしまう可能性があります。久米島紬の価値を正しく見極めてもらうためにも、業者選びは慎重に行いましょう。
久米島紬の買取相場
久米島紬の買取価格は、証紙がある場合とない場合・着物の状態などによって差があります。
参考までに、福ちゃんにおける久米島紬の買取相場は、最高買取価格が10万円です(2024年5月時点)。
着なくなった久米島紬が、思わぬ高額買取になる可能性もございます。久米島紬の買取なら、着物の買取実績が豊富な福ちゃんまで、ご相談くださると幸いです。
福ちゃんでは査定が無料なだけでなく、キャンセル料もいただいておりません。
無料の出張買取も行っておりますので、対象の地域かどうか気軽にお問合せください。
フリーダイヤル、またはWebから簡単にご予約が可能です。
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