振袖と着物はどこが違う?それぞれの種類・特徴などをわかりやすく解説

振袖は、成人式や結婚式でよく目にする着物です。
豪華で華やかな振袖は、一般的な着物とは違います。

● 振袖と着物の違いは何?
● 振袖は誰でも着られるの?
● 振袖はいつ着ればいいの?


など、気になることもあるでしょう。
そこで今回は、振袖と着物の違いを解説していきます。

振袖着物それぞれの種類もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

振袖とは

振袖とは

振袖は、女性の第一礼装の1つ。格式が高く最上級の着物です。

ここからは、振袖についてより深く掘り下げていきましょう。

振袖の種類

振袖には3つの種類があり、袖の長さで区別されています。

大振袖

袖の長さが114センチ前後の振袖です。振袖の中で最も格式が高く、花嫁衣裳に用いられます。

絢爛豪華な刺繍や華やかな柄が特徴です。

中振袖

袖の長さが100センチ前後の振袖で、成人式の振袖はほぼ中振袖です。

結婚式への参列やパーティー、卒業式などフォーマルの場で着用でき、最もよく見かける振袖といえるでしょう。

古典柄からモダンな柄まで、バラエティに富んだ色や柄が特徴です。

小振袖

袖の長さが約85センチの振袖で、二尺袖ともいわれています。

振袖の中では一番格式が低く、カジュアルなパーティーやお茶会などに最適です。

卒業式の袴に合わせて、着用されることもあります。

振袖は誰でも着られるの?

振袖は、未婚女性のみが着る着物とされ、その由来は江戸時代にさかのぼります。

当時の未婚女性は、男性からの求婚に対して袖の振り方で気持ちを伝えたそうです。結婚後は袖を振る必要がなくなるため、振袖は未婚女性のみが着る着物になったといわれています。

また、未婚か既婚か見分けるためや、災いを「振る」「振り払う」など厄払いの意味から成人式で着るなど、さまざまなゆえんがあるのも特徴です。

振袖は未婚なら何歳でも着られるの?

振袖は、何歳までの未婚女性が着るといった決まりはありません

ただし、一般的な常識として、20代~30代前半までが最適だとされています。

振袖はいつ・どのようなときに着る?

振袖は、成人式以外でも着る機会が数多くあります。

● 親戚・友人の結婚式
● 自身の結納
● 卒業式
● パーティー
● お茶会
● 初詣

など、フォーマルで華やかなシーンに着るのがふさわしいでしょう。

振袖と着物の違い

振袖と着物の違い

そもそも振袖は着物の種類ではありますが、一般的な着物と比べると大きな違いが1つあります。

それは、袖の長さです。

長い袖をもつ着物は振袖だけで、ほかに長い袖をもつ着物はありません。一番よく着られる中振袖が約100センチ前後なのに対し、一般的な着物の袖は約49~56センチです。

また、袖が長い分、華やかさが増す点も、振袖と一般的な着物との違いといえます。

着物とは

着物とは

着物は和服ともいわれ、日本伝統の衣服を指します。

足首まで丈があり、体の前で合わせ、帯で締めて着用するのが特徴です。着物にはいくつもの種類があり、種類によってふさわしい着用シーンがあります。

ここからは、着物の種類や、着るシーンについて見ていきましょう。

着物の種類

着物は、振袖以外に以下のような種類があります。

● 打掛
● 黒留袖
● 色留袖
● 訪問着
● 付下げ
● 色無地
● 小紋
● 紬
● 浴衣
● 黒喪服
● 黒紋付

着物はいつ・どのようなときに着る?

着物は種類によって、いつ、どのようなときに着るのか分けられているのが特徴です。

ぜひ、マナーとして覚えておきましょう。

打掛

結婚式で新婦が着用する花嫁衣裳です。色打掛と白打掛があり、どちらも掛下の上からはおります。

黒留袖

家紋が5つ付いた格式の高い第一礼装です。主に結婚式で、新郎新婦の母親が着用します。

色留袖

上半身が無地、裾に絵羽模様が入った礼装です。結婚式や入学式・卒業式などお祝いの場で着用します。

訪問着

上半身にも裾にも絵羽模様が入った準礼装です。結婚式・入学式・卒業式のほか、七五三・お茶会・同窓会などにもふさわしいでしょう。

付下げ

絵羽模様がなく、縫い目で絵柄が途切れているのが一般的です。七五三や観劇・お茶会などで着用するのをオススメします。

色無地

色が一色で無地の着物です。家紋を入れたものは、フォーマルの場でも着用できます。

家紋がない場合は小紋と同格になり、カジュアルなパーティーや食事会などで着用しましょう。

小紋

細かい模様が全体に入った、普段着用の着物です。カジュアルな集まりに着用するのがよいでしょう。

かたもの」と呼ばれる、先染めの絹織物です。普段着のほか、友人との集まりや観劇・展覧会などに着用します。

浴衣

格式が一番低い着物です。夏祭りや花火大会、夕涼みで着用しましょう。

振袖と着物の違い|まとめ

振袖と着物の違い|まとめ

振袖と着物の違いは、袖の長さにありました。

また、未婚女性だけが着る理由に、袖の所作が関係していたことも興味深いですね。振袖に年齢制限はございませんが、一般的に着用できる期間は短いといえます。

振袖をあつらえたり購入したりした方は、ぜひ機会をつくって華やかさを楽しんでください。

また、振袖はいつか手放す日が来ます。

振袖を引き継いでくれるご家族やご親戚がいらっしゃらない場合、売却する方が増えている傾向です。長期にわたる振袖の保管は、虫食いやシミなどの心配がありますので、価値が下がらないうちに売却を考えるとよいでしょう。

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