1961年の「唐三彩切手」が語る中国の歴史と文化!その魅力とコレクター向け買取価値を徹底解説
福ちゃんコラムへのご訪問ありがとうございます。
おそらく、
「中国切手の唐三彩切手がどのような切手か知りたい」
「今持っている切手が唐三彩切手かどうか画像を見たい」
「切手買取だと価値はどのくらいあるのだろうか」
などと、気になって訪問されたのではないでしょうか。
今回は中国の古代陶磁器である華やかな「唐三彩」をモチーフにした、1961年の中国切手「唐三彩切手」の特徴や切手価値について解説します。
この切手セットは、美術品としての価値はもちろんのこと、中国文化の繊細さと芸術品を世界に伝える文化的使命を担っている特殊切手です。
本記事では、唐三彩切手の魅力とそのデザイン、そして市場での価値について掘り下げていきます。ぜひ最後までご覧ください。
お電話受付時間 9:00~20:00 (年中無休※年末年始は除く)
「唐三彩」切手とは
中国の伝統的な陶磁器である、「唐三彩(とうさんさい)」をテーマにした特殊切手があります。それは、1961年に中国で発行された「唐三彩切手」です。
「唐三彩」は、中国唐代における陶磁器の一種で、その多彩な釉薬(ゆうやく・陶磁器の表面にかけるうわぐすり)が特徴的です。
唐三彩の名は、主に使用される黄色・茶色・緑色の三色の釉薬に由来しています。しかし実際には、黄・緑・白・青・褐色など、さまざまな色彩が用いられています。とくに青釉は、中国において最も古いコバルト色の釉薬として有名ですね。
唐三彩は、1000℃以上で素焼きした後に、800℃程度で釉薬をかけて焼成する「低温釉陶器」の技術で作られています。この繊細な技術によって、唐三彩特有の鮮やかで美しい色彩が表現されているのです。
唐三彩は、650年から683年にかけての唐高宗の時代に最初に登場し、713年から741年の玄宗開元の時代に最も繁栄しました。この時期、中国陶磁器の技術は大きく発展し、唐三彩は中国陶磁器史における、黄金時代を象徴する存在となりました。
唐三彩の製品は、大きく2つのタイプに分類されています。
1つは日常生活で使用される皿・碗・壺などの器皿類で、もう1つは装飾的な彫像で人物や動物の立体像としての「俑」です。唐三彩の俑は、人間・ライオン・ラクダ・家畜・家禽など、さまざまな形のものがあります。
日本では、器皿類・人物・動物で3分類されることもありますが、人物は動物と一緒に形成されるものが多いため、現地の中国では2分類との認識が一般的です。
唐三彩はその美しさから、中国だけでなく日本や欧米の収集家たちにも高く評価され、世界的な美術品としても認識されています。
今回の「唐三彩切手」は、唐三彩による中国の芸術とその文化を広める目的での発行となりました。
「唐三彩」切手の特徴やデザイン
唐三彩切手は、全8種類のデザインで構成されています。
それぞれが実際に発掘された唐三彩をモチーフにしており、現物に近い色合いと姿で描かれています。まるで本物の唐三彩を手に取っているような、臨場感あふれるデザインが魅力です。
また、以下のように切手の額面や発行枚数がすべて異なります。
✔ ロバ(額面4分、発行枚数500万枚)
✔ ロバ(額面8分、発行枚数900万枚)
✔ ウマ(額面8分、発行枚数900万枚)
✔ ウマ(額面10分、発行枚数400万枚)
✔ ウマ(額面20分、発行枚数300万枚)
✔ ウマ(額面22分、発行枚数150万枚)
✔ ラクダ(額面30分、発行枚数150万枚)
✔ ラクダ(額面50分、発行枚数150万枚)
ここからは、唐三彩切手を深堀りし、動物ごと(ロバ・ウマ・ラクダ)に分類して解説いたします。
【ロバ4分切手】の図案は、1955年に陝西省西安市韓森寨にある唐代の墓から出土した、「三彩陶ロバ」です。
こちらのロバは日常生活でのロバ特有の耳を立てる様子を正確に捉えており、しっかりと立つ様子が非常に力強い姿として表現がされています。
【ロバ8分切手】の図案は、1956年に陝西省西安市小土門村の唐代の墓から出土した、「青釉陶ロバ」です。このロバは青い色が特徴的で、首を前に伸ばして何かを嗅ぎ取っているかのような聡明さを感じます。
実際には青色のロバは存在しませんが、切手の図案では青釉陶ロバの特徴を重視したため、そのままの色合いで再現されています。
ウマ4種
ウマ図案の4種は、すべて1957年に陝西省西安市西郊南何村の「鮮于庭誨墓」から出土した陶馬です。
【ウマ8分切手】に描かれているのは「三彩陶馬」です。このウマは白く、首のたてがみは3つに切り分けられ、尾は結ばれています。ウマの体には緑の毛布とたづなが装飾されており、白と緑のコントラストが印象的です。
ウマシリーズで使用されている4頭の三彩陶馬からは、唐代の芸術品によく見られる、耳がとがって体が太い中央アジアの品種の特徴がうかがえます。
【ウマ10分切手】の図案は「白釉陶馬」です。8分切手と同じ白いウマで、首のたてがみを3つに割って尾を結び、雄大な姿を見せています。こちらもウマの体には、緑の毛布と緑のたづなが装飾されています。
【ウマ20分切手】に描かれているのは、「三彩陶馬」です。このウマはオレンジ系の黄色で、首のたてがみは1つに切り分けられています。ウマの背には白黄緑で構成された鞍があり、堂々とした力強い姿が印象的ですね。
【ウマ22分切手】の図案は「三彩陶馬」です。こちらもオレンジ系の黄色のウマで、1つに切り分けられた首のたてがみによって、堂々とした姿を見せています。馬の背には鞍があり、色釉が豊かな質感を与えています。
ラクダ2種
【ラクダ30分切手】は、1959年に陝西省西安西郊の中堡村にある唐墓から出土した、「三彩陶ラクダ」がモチーフです。
大きなラクダの背には長方形の台座が設置され、その上にひし形模様の美しいブランケットが敷かれています。
ブランケットの上に描かれているのは、8人の男女が音楽を奏で、踊りを楽しむ様子です。センターで踊っているのは女性です。女性の周りに座り、さまざまな楽器を持ち、演奏している男性7人の姿も描かれています。
各人物は表情豊かに描かれており、唐代の彫刻芸術の高い技術レベルを感じられます。活気に満ちた演奏と優雅な舞踏が、唐代の活気あふれる様子を伝えているのです。
直立不動で頭を高く持ち上げ、空を見つめるラクダは、重荷を感じさせない堂々とした姿をしています。背中に人々がいるにもかかわらず、静かでありながら動的な舞踏との対比が興味深い図案です。
【ラクダ50分切手】は、1957年に陝西省西安西郊の南何村にある唐墓から出土した、「三彩釉ラクダ」がモチーフです。正式には、「三彩釉陶駱駝載楽俑(さんさいゆうとうらくだざいがくよう)」と呼ばれます。
こちらの図案にも、大きなラクダの背に長方形の台座があり、その上に美しいストライプ模様のブランケットが敷かれています。背中には、中央で踊っている1人と音楽を奏でる4人、合計で5人が乗っている様子がうかがえますね。
成人5人を乗せてもしっかりと立ち、頭を高く上げて軽やかな表情を見せているラクダの、たくましい姿が非常に印象的です。
▼中国切手「唐三彩」の詳細まとめ
・発行日:1961年11月10日
・額面:4分~50分(※100分=1元)
・切手デザイン:全8種類
・発行枚数:150万枚~900万枚
「唐三彩」切手の市場価値や高く売るコツ
▼査定や買取のお申込みはこちら(無料)
→ 今すぐ中国切手の買取を依頼する
→ WEB査定で買取可能かどうか確認する
中国切手「唐三彩」は希少価値が高く、どの図案も高価買取が期待できる貴重なコレクションアイテムです。切手の状態が良好なほど、額面以上のプレミア価格での買取に期待できます。
バラ切手でも価値はありますが、全種類が揃ったフルセットやシート状のものは、バラ切手よりも高価買取を見込めます。
もし、切手がまとまった状態でお持ちの場合は、ぜひフルセットやシート状にして査定に出しましょう。
切手買取に強みがある「福ちゃん」では、専門の査定士が切手の状態を丁寧に評価いたしますので、市場価値に見合った適正価格のご提示が可能です。
中国切手は、保存状態が良好であればあるほど、また希少性が高いシリーズであれば、それに応じて高価買取にも期待できます。
福ちゃんでは、オンラインでの簡単な査定申し込みが可能で、全国どこからでも郵送での査定が受けられます。
価値のある切手を正しい査定評価による買取をご希望なら、ぜひ私たち福ちゃんにお任せください。豊富な経験と専門知識を持つスタッフが、お客様の切手の価値を最大限に引き出すお手伝いをいたします。
お電話受付時間 9:00~20:00 (年中無休※年末年始は除く)
まとめ
1961年発行の「唐三彩切手」は、中国の豊かな文化遺産と芸術品をたたえる特別な切手セットです。
この時代、中国は文化大革命に向けて進む中、伝統芸術と歴史的遺産に対する関心が高まっていました。
当時の中国国内でこれらの切手が発行されたことは、国の文化遺産への敬意と、文化遺産を保存しようとする意志の表れでもあります。
中でも、2種のラクダ図案に採用された唐三彩は、まさに小さなフィギュアとも呼べる芸術品であり、それらが切手に収められた美しい中国切手です。
唐三彩に対する人気・歴史的背景・文化的意義、そして芸術的価値を考慮すると、唐三彩切手は非常に価値の高い切手といえるでしょう。