【初心者向け】風景写真の撮り方|カメラ設定や撮影のポイントも紹介
当記事では、風景写真の撮り方で知っておきたいカメラ設定や、風景写真を撮る際のポイントなどを紹介いたします。
風景写真は海や山、湖などの自然風景だけでなく、都市写真や建築写真などさまざまな種類があります。
風景写真の撮り方は天候や被写体によって最適な設定方法があるため、基本的なカメラの使い方を押さえておくことが重要です。
カメラを始めたばかりという方や、風景写真をうまく撮りたいという方はぜひご覧ください。
目次
風景写真の撮り方で知っておきたいカメラ設定
美しい風景に出会ったとき、「感動をそのまま写真に残したい」と感じた経験がある方もいらっしゃるでしょう。
高性能のカメラやレンズを揃えても、ただシャッターを押すだけでは理想どおりの写真は撮れません。テクニックを押さえて撮影することで、より理想に近い風景写真を撮影できます。
ここからは、カメラの基本設定を初心者向けに7つ紹介いたします。
1.撮影モード
一眼レフカメラやコンパクトデジカメなど、カメラで写真を撮るときは、撮りたいものに最適な撮影モードを選択しましょう。
風景写真の撮影は、「絞り優先モード」の設定をオススメします。絞り優先モードは、ピントの合う範囲を決める「絞り値(F値)」を、撮影者が好みの値に設定できる機能です。
絞り値は、背景をぼかして主役の被写体にピントをあわせたり、被写体から背景までくっきりと写したりできます。
さらに、絞り値は写真の明るさをコントロールする役割もあるため、光の入り具合が重要な風景写真に合った設定といえるでしょう。
2.ホワイトバランス
ホワイトバランスは、写真に入り込む光の色味を調整する機能です。
光には、電球の黄色や空の青い光など、さまざまな色が存在します。
カメラレンズを通して撮影する被写体の色を、肉眼で見た印象に近づける役割がホワイトバランスです。風景を撮影するときは、ホワイトバランスを「太陽光」に設定することをオススメします。
たとえば、曇天時の写真撮影では、風景全体に青みが強く出ます。被写体の色彩に赤みを補い、白さを補正することが太陽光設定の役割です。
3.シャッタースピード
シャッタースピードは、カメラのシャッターが開閉する時間のことです。
風景を撮影するときのシャッタースピードは、手持ちの場合1/250秒前後、三脚を使用する場合は1/60から1/2秒に設定するとよいでしょう。
三脚を使用せずに撮影する際は、手ブレ防止のためシャッター速度を早めに設定します。
また、シャッタースピードを遅めに設定すると、躍動感のある写真を撮影できます。滝や川、噴水などの水流や、風や雲、煙などの動きを撮影するときに最適です。
シャッターの速度を遅めに設定する場合は、三脚が欠かせません。わずかな振動が写真に伝わり、手ブレの原因になるためです。
下記では「シャッタースピードの目安」について、より詳しく解説しております。ブレない写真の撮影方法を知りたい方も、ご興味にあわせてご覧ください。
▶︎ カメラのシャッタースピードの目安は?ブレない写真の撮り方も
4.露出補正
露出補正は、写真の明るさを調節する機能です。露出補正は、一般的に「+(プラス)値」「−(マイナス)値」で表現します。
露出補正を+値に設定すると、適正露出よりも明るい写真の撮影が可能です。逆光も含む、白色の反射率が高い被写体を撮影するときに適しています。
黒い色合いを強調したいときは、露出補正を−値に設定します。年季の入った建物や、岩、鉄など黒みがかった自然物、背景の暗がりを生かしたい場合に有効です。
5.ISO感度
ISO感度は、カメラが取り込んだ光の増幅を調整する機能です。ISO感度を上げると、より多くの光をカメラに取り込めます。
ISO感度は100を基準とし、数値が上がるにつれて、実際に取り込んだ光よりも明るい写真を撮影できます。
しかし、数値を上げすぎると写真にノイズが発生するため、シーンによって設定の調整が必要です。
ISO感度は、とくに夜間の撮影時に機能を発揮します。暗がりでの撮影は、絞りを落としてもシャッタースピードを上げられないケースがあるためです。
光を取り込みつつ、ノイズが発生しないISO感度を調節しながら撮影しましょう。
6.保存形式
カメラ撮影は、どの形式で保存するかが重要です。デジタル一眼レフやミラーレス一眼カメラで撮影される画像の保存形式には、「JPEG」ファイルと「RAW」ファイルの2種類があります。
風景撮影に最適な写真の保存形式は「RAW」です。
JPEGは、撮影した写真の色合いや陰影の調整をカメラ内部で行い、完成した写真として保存する形式です。一方、RAWは写真をカメラ内で調整・処理せずに、撮影したそのままの状態で保存されます。
撮影後に写真を手動で編集したい場合は、RAWでの保存が最適です。
7.仕上がり設定
仕上がり設定は、カメラ内にあらかじめ用意されている撮影モードのことです。シーンにあわせて好みのモードを選択すると、初心者でも理想に近い写真が撮影できます。
晴れ渡る空や、山を彩る紅葉といった風景写真を撮る場合は、鮮やかな色合いが残せる「風景」や「ビビット」などの設定がオススメです。
被写体をカメラで忠実に写したいときは、「ニュートラル」といった設定も活用しましょう。
また、「セピア」という設定を活用すると、昔のカメラで撮影したかのようなレトロ風写真が撮影できます。
風景写真を撮る際のポイントは?
目の前の風景をただカメラで撮影するだけでは、印象深い写真にはなりません。
光が当たる角度や構図、カメラアングルなど、撮影方法を意識するだけでもさらに理想の写真に近づけるでしょう。
ここからは、理想の風景写真に近づける撮影テクニックを2つ紹介いたします。
光の当たる角度を意識する
風景写真撮影では、光がどの角度から被写体に当たっているかを意識しましょう。
光の向きによって繊細なニュアンスが加わり、まるで写真家のように本格的な写真が撮影できます。
光の向きは主に「順光」「逆光」「サイド光」の3種類があります。被写体に対して前から光が当たる順光は、被写体を色鮮やかに撮影できる光の向きです。
被写体をやわらかい雰囲気で撮影したい場合は、逆光がオススメです。また、サイド光を利用しながら撮影すると、被写体に影が生まれるため、立体的な写真に仕上げられます。
構図と撮影アングルを意識する
風景写真を撮影するときは、構図と撮影アングルを意識することも重要なポイントです。構図には「三角構図」や「日の丸構図」など、いくつか種類があります。
その中でも「三分割法」は、画面の縦と横それぞれを3等分し、等分割線上に沿って被写体を配置する構図です。
三分割法を意識して撮影することで、構図に安定感が生まれ収まりのよい写真が撮影できます。
撮影をするとき、カメラの高さや向きといった撮影アングルに意識を向けると、写真の印象が大きく変わります。
地面に近い位置から撮影する「ローアングル撮影」は、空が大きく映り込むため、星空の撮影などに最適です。
風景写真は天気や時間帯によっても撮り方の違いを楽しめる
風景写真は、撮影時の天気や時間帯を意識することで撮影の幅が広がります。撮影に適した天候は、光量も多く明るい写真が撮れる晴天の日だけではありません。
曇りや雨天での撮影は、しっとりとした空気感や雨粒を撮影するといった楽しみを味わえます。
また、同じ撮影地でも時間帯によって被写体の印象が大きく変わることも、撮影の醍醐味です。
山や森、海などの自然環境や田園風景といった撮影ポイントは、早朝や夕方の時間帯をオススメします。
刻々と移り変わる朝焼けや夕日に照らされる田園風景などは、幻想的な写真が撮影できるチャンスです。
さらに、日の出前・日没前後の時間帯「マジックアワー」は、気象条件によって朝焼けとともに朝靄を撮影できる貴重なタイミングです。
カメラ初心者でも印象に残る写真を残せる、マジックアワーの撮影に挑戦してみましょう。
まとめ
風景写真をうまく撮るためには、カメラの撮影モードやホワイトバランス、シャッタースピード、露出補正といった基本的なカメラ機能の設定方法を覚えておきましょう。
光がどの角度から被写体に当たっているかを把握したり、構図や撮影アングルを意識したりすると、よりご自身の理想に近い風景写真が撮れるでしょう。
風景写真は撮影時の天気や時間帯によっても雰囲気が異なるため、撮影したい写真のイメージにあわせて、最適な場所・環境を探すことがポイントです。