中国登山の偉業が切手に!1965年の中国切手「登山スポーツ」の物語と切手買取における価値

世界一高い山「エベレストチョモランマ)」が描かれた、1965年発行の中国切手「登山スポーツ」をご紹介します。

中国は「8,000メートル峰14座」のほとんどが、国内にそびえ立つ、登山と深い関わりを持つ国です。登山スポーツ切手は、そのような中国の登山文化を象徴する1枚といえるでしょう。

当記事では、切手に描かれた山などのデザインや、切手買取における価値や価格などについても解説します。

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「登山スポーツ」切手とは

中国登山の偉業が切手に!1965年の中国切手「登山スポーツ」の物語と切手買取における価値

登山スポーツ切手は、1965年に中国で発行された切手です。

中国における登山は、古くから道教や仏教などの宗教活動と密接に結びついてきました。しかし、スポーツとしての現代登山は、比較的新しい歴史を持っています。

1955年、中国は旧ソ連に人材を派遣し、登山技術を学びました。その後、ソ連にある6,000メートル級の山に登頂。1956年から1959年の間には、7,000メートル級の山への登山も多数成功させたのです。

そしてついに、1960年代のはじめ、中国登山隊はエベレスト登頂に初成功します。この出来事は、中国登山史における大きな転換点となりました。

1965年に発行された「登山スポーツ切手」は、中国登山史におけるこの急速な発展と偉業を称えるために発行されました。

中国登山の偉業が切手に!1965年の中国切手「登山スポーツ」の物語と切手買取における価値

中国切手「登山スポーツ」は、5種類のデザインで構成された切手セットです。それぞれ異なる山が描かれ、中国登山隊による登頂の偉業を鮮やかに表現しています。

切手の額面はいずれも「8分」で、発行枚数は「各600万枚」です。

白銀に輝く山々の姿は、登山の厳しい環境を物語っているかのようで、登山家たちの強い意志と、厳しい自然への挑戦を感じさせてくれます。

各切手のデザイン名は、以下のとおりです。

✔ クンカー
✔ ムズターク・アタ
✔ チョモランマ
✔ コングル・チョウビエ
✔ シーシャ・パンマ

日本のテーマ名はわかりにくい部分もありますので、どの山について描かれたデザインなのか、あわせて解説します。

クンカー切手

クンカー切手は、標高7,556メートル、四川省にある大雪山脈の最高峰「ミニヤコンカ(貢嗄山)」、別名「コンカ山」を描いた力強い1枚です。

切手には、険しい斜面を力強く登る4人の登山隊の姿が描かれています。中国では1957年に6人の登山隊が登頂に成功しましたが、その後の登頂者はわずかです。

ミニヤコンカ(貢嗄山)は、標高だけでなく、急峻な地形と変わりやすい天候が登山家にとって大きな壁となっています。

1981年には日本の登山隊が滑落事故に遭い、多くの犠牲者を出しました。この悲劇は、ミニヤコンカ(貢嗄山)の厳しさを象徴する出来事として語り継がれています。

ムズターク・アタ切手

ムズターク・アタ切手は、ウイグル自治区に位置する「ムスタグアタ山」を描いた1枚です。標高7,509メートル、チベット高原の北端に位置するこの山は、「氷山の父」と称されるほど壮大な氷河を擁しています。

西斜面が比較的緩やかで乾燥した気候のため、7,000メートル級の山々の中では、登頂しやすいといわれています。しかし、登頂には適切な順応期間と健康な体調が必須です。

1959年7月、中国の男女混合登山隊が頂上に到達し、中国女性登山の新記録を打ち立てました。切手には、深い雪の中を力強く進む登山隊の姿が描かれています。

チョモランマ切手

チョモランマ切手は、世界一高い山として知られるエベレストを描いた1枚です。ネパールと中国の国境上に位置するヒマラヤ山脈に聳え立つ、標高「8848.86メートル」の巨峰です。

エベレストは、チベット語で「大地の母神」を意味する「チョモランマ」とも呼ばれ、その壮大な景色と登山家にとっての究極の挑戦として知られています。

1953年に「エドモンド・ヒラリー」と「テンジン・ノルゲイ」によって初めて登頂されて以来、多くの冒険家がこの頂上を目指してきました。

1960年代のはじめ、中国登山隊はエベレスト北側斜面からの登頂に成功し、中国登山史における偉業を達成しました。切手には、雲海に浮かぶエベレストと、頂上を目指す登山隊の姿が描かれています。

夜間撮影のため、頂上写真は存在しません。

コングル・チョウビエ切手

コングル・チョウビエ切手は、ウイグル自治区のアクト県に位置する崑崙山脈の最高峰、「コングール山」を描いた1枚です。標高7,649メートルに達し、その雄大な姿は見る者を圧倒します。

コングール山は、コングール山脈の一部を形成しており、周辺には「白い帽子をかぶった山」という意味を持つ標高7,530メートルのコングール・チュベ山など、多くの高峰が連なっています。

コングール山への最初の登頂アタックは1956年に行われましたが、最初の成功は1981年のイギリス隊によるものでした。

切手には、登山隊がキャンプをしている様子や、進路を確認している様子が描かれています。厳しい環境の中、頂上を目指して力強く進む登山家たちの姿は、見る者に感動を与えます。

シーシャ・パンマ切手

シーシャ・パンマ切手は、ヒマラヤ山脈にある標高8,027メートルの巨峰「シシャパンマ」を描いた1枚です。8,000メートル峰14座の中で最後に登頂された山であり、その壮麗な姿と登山史における重要性から、多くの登山家にとって特別な存在として知られています。

1964年5月、中国の登山隊10人がシシャパンマの登頂に成功しました。これは、8,000メートル峰の中で唯一未踏峰だったシシャパンマ初登頂という快挙であり、中国登山史における重要な節目となりました。

切手には、登山隊が山中で調査を行っている様子が描かれています。厳しい環境の中、山頂を目指して進む登山家たちの姿は、見る者に感動を与えます。

登山スポーツ切手の概要は、以下のとおりです。

▼中国切手「登山スポーツ」の詳細
・発行日:1965年5月25日
・料額:8分(※100分=1元)
・切手デザイン:全5種類
・発行枚数:各600万枚

「登山スポーツ」切手の市場価値や高く売るコツ

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まとめ

中国登山の偉業が切手に!1965年の中国切手「登山スポーツ」の物語と切手買取における価値

1965年、文化大革命を目前に控えた中国は、国内に大きな変化が起きようとしていました。そのような時代背景の中で、登山スポーツは国民の精神力と団結性を高めるものとして注目を集めました。

1950年代後半から、中国の登山活動は国際的な注目を集め始めます。1960年代に入ると、中国登山隊はエベレストを含む世界の高峰への登頂に成功し、国際的な評価を確立しました。

登山スポーツ切手」は、こうした登山隊の成果を記念するだけでなく、当時の中国が直面していた困難に立ち向かう国民の団結と不屈の精神を象徴しています。

切手のデザインは、登山が要求する肉体的・精神的な強さと自然との調和を表現しており、中国登山チームの優れた成果を物語っています。

切手の発行は、中国の文化と技術の発展を国内外に示す役割も果たしました。

白銀の山と澄んだ青空を表現したシンプルな色合いながら、今でも多くのコレクターから人気を集める点からも、この切手が持つ価値の高さをうかがえますね。

エンタイア(初日カバー)や状態の良いものは、高価買取を期待できます。

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