エレキギターの各部名称・役割をヘッド・ネック・ボディ別に徹底解説

エレキギターのパーツは多岐にわたり、それぞれが特有の機能や特徴を持っています。また、パーツの組み合わせによって、エレキギターの演奏性やサウンド、外観も大きく変わります。

たとえば、ヘッド部分にある「ペグ」は、弦の張力を調整するパーツとしてギターのチューニングに不可欠です。ネック部分にある「ナット」は、弦とフィンガーボードの隙間を確保し、弦の高さや間隔を調整する役割を果たしています。

当記事では、エレキギターの各部名称や役割を、「ヘッド」「ネック」「ボディ」別に解説いたします。

エレキギターの各種名称・役割を解説!

エレキギターの各部名称・役割を解説!

エレキギターは、複数の精密なパーツから構成されており、それぞれが特定の役割を果たします。

そのため、本やサイトでエレキギターについて調べると、『わからない名称のパーツが多すぎて練習が進まない』と悩む方も少なくありません。

エレキギターは、大きく分けて「ヘッド」「ネック」「ボディ」の3つで構成されています。さらに、10種類以上のパーツが組み合わさることで、ギターとして完成するのです。

パーツの名称や役割を知ることで、購入時に選択肢を絞ったり、自分好みの演奏に一歩近づいたりできます。エレキギターを演奏するうえで、必要な知識です。

また、演奏だけでなくギターのカスタムやメンテナンスにも役に立つため、覚えておくとよいでしょう。

エレキギター初心者から上級者まで、すべてのギタリストにとって必見の内容です。

【ヘッド】エレキギターの各部・名称

エレキギターの最上部に位置するヘッドは、チューニングや弦の固定といった機能面だけでなく、ギターの個性やブランドを表現する重要な部分です。

ヘッドの形状は、メーカーや種類によってさまざまです。

伝統的な丸みを帯びた形状から、鋭角的なデザイン、さらには「ヘッドレスギター」と呼ばれる、ヘッドが付いていないギターも存在します。

多くの場合、ブランドロゴはヘッド部分に入っているため、ヘッド部分はギターの顔ともいえるでしょう。

ここからは、ヘッドに取り付けられた「ペグ」の役割について解説いたします。

【ヘッドの部位】ペグ

「ペグ」は、エレキギターのチューニングを支える重要なパーツです。

弦のテンション(張力)を調整することで、音程の微調整を可能にします。ペグを回すことで弦のテンションが変わり、弦を巻き取って音を高くしたり、弦を解放して音を低くしたりするなど、音程を微調整する役割を持っています。

このように、ペグの主な役割は、弦の巻き取りや緩める動作を通して、音程を微調整することです。

ペグは別名で「チューニングペグ」とも呼ばれ、ヘッドの両側や片側に、複数個並んで取り付けられています。

【ネック】エレキギターの各部名称・役割

【ネック】エレキギターの各部名称・役割

ネックは、エレキギターの演奏性と音色を左右する重要なパーツです。

ヘッドとボディをつなぐ細長い支柱であり、「フレット」と呼ばれる金属製の突起が等間隔に埋め込まれています。

プレイヤーが左手でネックを握り(右利きのギタリストの場合)、フレットを押さえることで音程の変化が可能です。

さらに、フレットと弦の距離、フレットの数や材質なども、演奏性や音色に大きな影響を与えます。このような、さまざまな要素を理解すると、ギター選びや演奏の楽しみが広がるでしょう。

ここからは、ネック部分にあるパーツの特徴と役割を解説いたします。

【ネックの部位】ナット

「ナット」は、エレキギターのヘッドとネックの境界付近に設置された、小さな細長いパーツです。

一見地味な存在に見えるものの、ギターの演奏性と音色に大きな影響を与える、重要な役割を担っています。弦の振動を支える支柱であり、弦長や開放弦の音程を決定する重要なパーツです。

ナットには、ギターの弦ごとに溝が刻まれています。この溝によって、弦の高さや間隔が正確に保たれ、適切な振動がネックやボディに伝わり、明瞭で安定した音色を奏でるのです。

また、オープン弦(弦を押さえずに弾くこと)のときは、ナットが支点となるため、音の安定性や持続時間にも影響を与えます。

ナットには、牛骨やブラス、プラスチックなど、さまざまな素材が販売されています。素材によって音色や響きが変化するため、ギターのデザインや好みに合わせてカスタムしてみましょう。

【ネックの部位】フィンガーボード

「フィンガーボード」は、エレキギターのネック上面に貼り付けられた平らな板です。

ギター演奏の際は、指で弦をフィンガーボードに押して音程を変えます。

フィンガーボードは、エレキギターの音色や演奏性に、大きく影響を与える重要な役割を担っています。

フィンガーボードの素材は豊富で、その中でも代表的なのが「ローズウッド」「メイプル」「エボニー」です。それぞれ、異なる質感や音の特性を持っています。

粘りのあるローズウッドはシャープな音を、硬いメイプルは高く明るい音、光沢があるエボニーはバランスの取れた音を生み出せることが特徴です。

また、フィンガーボードには、フレットと呼ばれるパーツが埋め込まれています。フレットを基準にして弦を押さえることで、さまざまな音高が出せます。

【ネックの部位】フレット

「フレット」は、エレキギターのフィンガーボード上に等間隔に取り付けられた、金属製の細長い棒です。ギターの音高を示す目印として機能し、1フレットごとに半音階ずつ音が変化します。

具体的には、弦をフレットの上で押さえると、弦の振動する長さが変化し、音高も変化する仕組みです。

フレットは、フィンガーボードを横切る形で並んでおり、ヘッドからボディへ向かって徐々に間隔が狭くなります。

楽譜を素早く読むためにも、「1フレットで半音」「2フレットで全音」と覚えておきましょう。

【ネックの部位】ポジションマーク

「ポジションマーク」は、エレキギターのフィンガーボード上に配置された目印です。

ギタリストが瞬時に手の位置を認識し、「どのフレットで弦を押さえるべきか」を迅速に判断できる、道しるべの役割を果たします。

ポジションマークは、演奏中に視線を弦から離さずに正確な音程を奏でることを可能にします。とくに、コードチェンジやソロ演奏において、素早く正確な指の移動を実現し、演奏をスムーズに進行できるのが強みです。

エレキギターでは、主に3・5・7・9・12・15・17・19・21フレットの位置に、ポジションマークが配置されます。

その中でも12フレットのマークは、位置がオープン弦からオクターブポジションであることを示すため、ほかのフレットとは異なるデザインや、マークを2つ付ける場合がある特別な存在です。

ポジションマークの形状やデザインは、ギターメーカーやモデルによって異なり、ドットマークや特定の形、ブランドロゴなど多種多様です。

また、ポジションマーク用のステッカーも販売されているため、好みのデザインでさらにギターを楽しめます。

【ボディ】エレキギターの各部名称・役割

【ボディ】エレキギターの各部名称・役割

ボディは、エレキギターの心臓ともいえる重要な部分です。ギターの多くは、木材で作られています。その形状や材質、厚みによって、音色やトーン、サステインなどに大きな影響を与えるのです。

ボディは、弦の振動によって生じた音を増幅させ、豊かな響きを与える役割を果たします。木材の種類や構造によって、共鳴の特性が変化し、エレキギターの個性である音色を作り出すのです。

そして、ボディには「ピックアップ」「ボリュームノブ」「トーンノブ」「ブリッジ」など、音色調整や弦の張力に関わる重要なパーツが搭載されています。

上記のパーツを組み合わせることで、ギターの表現力をさらに高めることが可能です。

ここからは、ボディ部分にあるパーツの特徴と役割を解説いたします。

【ボディの部位】ピックアップ

「ピックアップ」は、“エレキギターの魂”と表現されることもある、重要なパーツです。

弦の振動を感知して電気信号に変換することで、ギターの音をアンプやエフェクターなどに送る役割を果たします。

ピックアップには磁石の棒が挿さされており、その磁石をコイル(巻線)で巻いています。磁石とコイルの力が合わさることで、音声を電気に変えているのです。

また、ピックアップの種類によって、音の特性や質感が異なります。

具体的には、ピックアップは、ストラトキャスターやテレキャスターなどで見られる「シングルコイル」と、ギブソンなどで見られる「ハムバッカー」に大きく分けられます。

シングルコイルはきらびやかで繊細な高音域が得意であり、ハムバッカーはパワフルで太い音が特徴です。

このように、ピックアップを変えることで、さまざまな音色を演奏できます。

【ボディの部位】ピックガード

「ピックガード」は、エレキギターの表面を保護するための薄い板です。

演奏中に、ピックや指がギターのボディに直接触れることで生じる傷や摩耗から、ギターを守る役割を担います。とくに、ピック弾きをするギタリストにとって、ピックガードは欠かせない存在です。

また、ピックガードのデザインや色は、ギターの外観やスタイルを特徴づける要素でもあります。ギターカスタムの一環として、ピックガードを交換するギタリストも少なくありません。

【ボディの部位】ブリッジ

「ブリッジ」は、エレキギターの弦をボディに固定するためのパーツです。

さらに、ギター音質や、弦のテンション(張力)を調整する重要な役割も担います。

ブリッジは、ボディの表面に取り付けられており、弦を通す「サドル」を調整することで弦の高さや長さ、弦間の距離などの微調整が可能です。

弦の振動を効率的にボディに伝え、豊かな音色を生み出す役割を果たします。

【ボディの部位】ピックアップセレクター

「ピックアップセレクター」は、エレキギターに搭載された複数のピックアップから、どれを使用するか、またはそれらの組み合わせを選択するスイッチです。

ピックアップセレクターを使いこなせれば、ギターの音色や音質を素早く変えらると共に、音楽表現の幅が広がります。

また、ギターによってピックアップの数が異なるため、ピックアップセレクターの形状もさまざまです。

ピックアップセレクターを使いこなすことで、曲調や演奏スタイルに合わせて、音色の変化ができます。

【ボディの部位】コントロールノブ

「コントロールノブ」は、ギターの音量や音色を調整するためのノブです。

コントロールノブは、主に出力音量を調節する「ボリュームノブ」と、音色を調節する「トーンノブ」の2種類があります。

ボリュームノブを全開にすると最大音量になり、徐々に閉じていくと音量は小さくなる仕組みです。また、トーンノブを操作すると音源の高周波成分が増減し、音色を明るくしたり、暗くしたりできます。

コントロールノブは、演奏者の感性を音に乗せるための重要なパーツです。音量と音色を自在に操り、自分だけの音楽を奏でましょう。

下記の記事では、「トーン・ボリュームの役割」について詳しく解説しております。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

▶︎ エレキギターにあるトーン・ボリュームの役割とは?仕組みや使い方も

【ボディの部位】ジャック

「ジャック」は、ギターとアンプをつなぐケーブルを挿入するパーツです。

ギターから出る信号を、アンプやエフェクターなどの外部機器に接続するための「入出力端子」としての役割を担います。

ギタージャックは、プラグの抜き差しが頻繁に行われるため、摩耗しやすく、不具合やノイズの原因となることがあります。

そのため、定期的なメンテナンスや、必要に応じての交換が推奨されるパーツです。

【ボディの部位】ストラップピン

「ストラップピン」は、ギターストラップをボディに取り付けるための小さなパーツです。

ストラップピンの使用によって、ギターを肩にかけた状態での演奏が可能になります。

多くの場合、ストラップピンはギターがバランスよく体にかかるように、ボディの上部と下部に取り付けられています。ストラップピンを使用し、ギターストラップ装着することで、ギタリストは立ち上がって、自由に動き回りながら演奏できるようになるのです。

ギタリストにとって、演奏表現の幅を広げ、観客との一体感を生み出す大きな喜びになるでしょう。

まとめ

エレキギターのパーツは、大きく分けて「ヘッド」「ネック」「ボディ」の3つに分かれ、それぞれに必要なパーツが搭載されています。

たとえば、ネック部分には「フィンガーボード」や「フレット」が取り付けられています。フィンガーボードは、ギター演奏の際に指を置く場所として機能し、フレットは音の高さを変える役割を持っているのです。

また、ボディ部分の主なパーツとして、「ピックアップ」「ブリッジ」「ピックアップセレクター」「コントロールノブ」などが挙げられます。

各パーツの名称や役割を覚えることは、エレキギターを演奏するうえで必要な知識です。ギターのメンテナンスギターカスタムにも役立つため、ぜひこの機会に覚えておきましょう。

さらに、下記では「ギターのメンテナンス」についてご紹介しています。ギターのメンテナンス方法や頻度についてお悩みの方は、ご参考にしてください。

▶︎ 今さら聞きにくい?ギターのメンテナンスと頻度について

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