大樋長左衛門(おおひちょうざえもん)の作品買取価格は?歴代10代・11代の功績も解説
「大樋長左衛門の作品について買取相場が知りたい」
「大樋長左衛門の陶芸品は高い?」
など、大樋長左衛門が手がける作品の買取について知りたい方のために情報をまとめました。
歴代や福ちゃんで買い取った作品の価格もご紹介します。
目次
大樋長左衛門とは?
大樋長左衛門は、石川県金沢市で焼かれる大樋焼の本家で、代々襲名されています。
歴代大樋長左衛門と文化勲章受章者である10代大樋長左衛門について見てみましょう。
歴代大樋長左衛門
【初代】1631〜1712年 | 大樋長左衛門(芳土庵) |
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【2代】1686〜1747年 | 大樋長左衛門(芳土庵) |
【3代】1728〜1802年 | 大樋長左衛門(勘兵衛・芳土庵) |
【4代】1758〜1839年 | 大樋長左衛門(勘兵衛・土庵) |
【5代】1799〜1856年 | 大樋長左衛門(勘兵衛・土庵) |
【6代】1829〜1856年 | 大樋長左衛門(朔太郎) |
【7代】1834〜1894年 | 大樋長左衛門(道忠) |
【8代】1851〜1927年 | 大樋長左衛門(宗春・松涛・以玄斉) |
【9代】1901〜1986年 | 大樋長左衛門(陶土斎) |
【10代】1927〜2023年 | 大樋長左衛門(年郎・陶冶斎) |
【11代】1958〜 | 大樋長左衛門(年雄) |
大樋焼は、楽焼が公式に認める脇窯の一派で、石川県金沢市で350年の歴史を誇る茶陶の名門です。
ろくろを使わず、手捻りでフォルムを作り上げ、へらで削って繊細な形を表現していきます。
仕上がりは特有の飴色をしているものが多く、人との触れ合いを大事にする石川県のぬくもりを感じられるのが特徴です。
また、裏千家「鵬雲斎」の書付がある作品もあり、茶道家が高く評価している作品が多数存在します。
10代大樋長左衛門
10代大樋長左衛門は大樋焼、ついては日本の陶芸界において多大な功績を残しました。
本名を奈良年郞(ならとしお)といい、1967年には史上最年少の39歳という若さで日展の審査員を務める等、若きころから陶芸家としての才能を発揮します。
1987年に10代目を襲名し、金沢大学教授や日展顧問などを務め、個展等も精力的に行っていました。
大樋焼というくくりから脱した自由な作品は「大樋年朗」の名で発表するなど、心のままに陶芸と向き合う姿勢が、大樋焼の発展にもつながったといえるでしょう。
2004年には文化功労者、2011年には文化勲章を受賞するなど、文化人として確固たる地位を築きます。
2016年に長男の年雄に11代目を譲ったあとも大樋陶冶斎を名乗って創作に打ち込み、生涯作家の人生を全うしました。
大樋長左衛門の買取価格
大樋長左衛門の作品は、買取に出すとどれくらいの価値があるのでしょうか。
買取相場に加え、福ちゃんでお買取した「寶珠 赤茶碗 即中斎書付」の価格についてもご紹介します。
買取相場
大樋長左衛門の作品買取価格は、作られた時期によって大きく変動するのが特徴です。
初期の作品は希少価値がとくに高く、良好な状態で付属品も揃っている場合は、高額査定につながる可能性があります。
作品の状態や付属品の有無によっても、買取価格は大きく左右されます。
たとえば、欠けや傷などのない完品であること。箱や付属品が揃っていること、大樋焼の落款が鮮明であることなど、一定の条件を満たす作品は、より高額査定される可能性があります。
このように、さまざまな要因で買取価格は変動するのが常です。
上記を踏まえ、参考程度の買取相場を記載させていただくと、大樋長左衛門の作品は、数万円から数十万円での取引が一般的です(※注)。
(※注)お品物によっては、大樋長左衛門の作品でも相場以下の買取価格になる場合があります。
9代大樋長左衛門「寶珠 赤茶碗 即中斎書付」の価格
福ちゃんでは、9代大樋長左衛門が手がけた「寶珠 赤茶碗 即中斎書付」をお買取した実績があります。
9代大樋長左衛門は、歴代の中でもとくに優れた陶才を持ち、手捏ねによる伝統的な技法を忠実に守り続けた人物です。彼の作品の中でも、大樋焼独特のねっとりとした飴釉の茶碗は多くの茶人に愛されています。
一方、黒茶碗も傑作として評価されており、その幅広い才能は高く評価されています。
とくに、宝珠が取り入れられた赤茶碗は、茶人にとって特別な存在です。本作は、手捏ねによって作られた温かみのある作品で、宝珠の紋様が侘びた景色の中にくっきりと浮かび上がります。
即中斎の書付も付属していたため、16万円でお買取いたしました。
現在の大樋長左衛門【11代と息子の取り組み】
2.ご訪問時に査定した対象お品物の査定額に対してご成約にいたった場合、買取価格20%UP