エレキギターのチューニング方法を解説!正確に行うためのポイントも
エレキギターにおける「チューニング」とは、1弦から6弦の音程を正しい高さに調節することです。
正しい音程に調節されていないエレキギターで練習を続けると、音がズレて聞こえたり、なかなか上達できなかったりとさまざまな原因につながります。そのため、エレキギターで良い音を奏でるためにもチューニングは重要だといえるでしょう。
当記事では、エレキギターのチューニング方法や手順、正確に行うためのポイントなどを解説いたします。チューニングのやり方やコツが知りたい方は必見です。
目次
エレキギターのチューニングはどうやってする?
エレキギターのチューニングは、チューナーというアイテムを使用して行うことが一般的です。クリップ式のチューナーや接続式のチューナーを取り付けて「ペグ」を回し、音合わせをします。
ここからは、「チューニングとは何なのか」「なぜチューニングが必要なのか」について確認しましょう。
チューニングとは
ギターの弦は、時間の経過や湿度・温度の変化によって伸び縮みするため、徐々に音が狂ってしまう性質があります。
狂ってしまった音を正しい音に戻す方法を「チューニング」と呼び、チューニングで音を調整することによって正しい音での演奏が可能です。
チューニングをせずに演奏を続けた場合、間違った音程を覚えギターの演奏が上達しない原因になります。また、ほかの方と演奏する際に音が不協和音に聞こえてしまう可能性も。
ギターは繊細な楽器であるため、厳密には演奏のたびに音がズレます。そのため、チューニングの頻度は、ギターケースから出したときや曲を演奏するたびに行うことが理想です。
さらに、「ギターのメンテナンス頻度」についても下記の記事でご紹介しておりますので、併せてご覧ください。
エレキギターのチューニング前に確認したい弦の音名
エレキギターをはじめとしたギターのチューニングでは、「ドレミファソラシ」ではなく、アルファベットを用いることが一般的です。
下記は、チューニングの際に必要となるアルファベット一覧になります。
C → ド |
D → レ |
E → ミ |
F → ファ |
G → ソ |
A → ラ |
B → シ |
ギターの弦は、基本的に1弦から6弦の6本で構成されています。1弦がもっとも細く、6弦がもっとも太いのが一般的です。
また、エレキギター弦の名称は、以下の音に当てはまります。ぜひ、チューニング前の参考にしてください。
弦の名称 | 音名 |
---|---|
6弦 | E(ミ) |
5弦 | A(ラ) |
4弦 | D(レ) |
3弦 | G(ソ) |
2弦 | B(シ) |
1弦 | E(ミ) |
エレキギターのチューニングは、基本的にもっとも太い6弦からスタートし、順番に1弦まで音を合わせることを覚えておきましょう。
エレキギターのチューニング方法
ギターのチューニング方法は、実にさまざまです。
ここからは、チューニングにチューナーを使用した際の大まかな流れを、下記の手順でご紹介します。
【手順1】 チューナーを準備する
【手順2】 弦の音を鳴らす
【手順3】 チューナーを確認して音程を合わせる
【手順4】 チューニングを繰り返す
【手順1】チューナーを準備する
チューニングを始める前には、チューナーを準備しておくとスムーズに進められるでしょう。チューナーは、楽器店やインターネットで購入できます。
さらに、チューナーには主に以下の3種類があり、さまざまなメーカーから販売されています。
カード型 | カードのような形状をしたチューナーです。内蔵のマイクやシールドを接続して、弦の音を拾ってチューニングを行います。メトロノーム機能(一定のリズムを刻む機能)付きの種類も販売されています。 |
---|---|
ペダル型 | 足で操作をしてチューニングを行うチューナーです。ライブやセッション(合奏)など、演奏中でも素早くチューニングを調整できます。 |
クリップ型 | ギターのヘッド部分に挟んで使用するチューナーです。手軽にチューニングができる点がメリットであり、比較的安価で販売されています。 |
クリップチューナーを使用する場合は、電源を入れて動作確認をし、ギターのヘッド部分に取り付けたら準備完了です。
【手順2】弦の音を鳴らす
チューニングは、弦を押さえない状態である「開放弦」の音で行うことが一般的です。まずは、6弦を親指で鳴らしてみましょう。
チューナーが正しく作動するように、6弦のみを鳴らすことがポイントです。
チューニングは、開放弦を鳴らしながら「ペグ」と呼ばれるギターヘッドのパーツを回して、音程を上げたり下げたりしながら調整します。
6弦から順番に、5弦、4弦、3弦、2弦、1弦と音を出して合わせていきましょう。
また、「エレキギターのパーツ」についてより詳しく知りたい方は、下記の記事をご参考にしてください。
▶︎ エレキギターの各種名称・役割をヘッド・ネック・ボディ別に徹底解説
【手順3】チューナーを確認して音程を合わせる
鳴らした音を正確にチューニングするためには、チューナーの画面を確認しながら作業しましょう。
ギターチューナーの種類によって表示は異なりますが、いずれの種類でも音の高低がわかりやすく表示されるため、テクニックを必要としません。そのため、初心者の方でも安心して使用できます。
たとえば、針のタイプならメーターの中心に針がくれば、音が合っていることになります。
開放弦を鳴らしてチューナーを確認した際に音がズレている場合は、ペグを回して音を合わせましょう。
ペグは、ゆるめると音程は下がり、しめると音程は上がります。また、反時計回りに回すと音は上がり、時計回りに回すと音は下がります。
ただし、分かれてペグが付いているレスポールタイプのギターは、6~4弦と3~1弦で回す向きが異なるため注意しましょう。
また、弦を弾く際には強く弾きすぎないこともポイントです。弦を弾いた直後はわずかながら高い音が出るため、強く弾いてしまうと正しい音に合わせられません。
強く弾きすぎずに、落ち着いてチューニングを行いましょう。
【手順4】チューニングを繰り返す
ギターのチューニングは、各弦の音程を合わせる作業です。
しかし、1本の弦をチューニングすると、ほかの弦にも影響を与えてしまうことがあります。
これは、ギターの弦は張力によって振動しているためです。1本の弦の張力が変わると、ほかの弦の張力もわずかに変化します。その結果、ほかの弦の音程もわずかに変化してしまうのです。
そのため、ギターのチューニングを行う際には、1本の弦をチューニングしたら、必ずほかの弦も確認するようにしましょう。
一度に6弦すべてのチューニングを終えても、音が変化している可能性がありますので、チューニングを終えたら、もう一度6弦からチューニングを行いましょう。
最低でもチューニングを2回繰り返すことによって、正しい音に合わせられます。
精度の高いチューニングをするために、しっかりと最終チェックを行いましょう。
エレキギターのチューニングを正確に行うためのポイント
エレキギターのチューニングには、いくつかポイントがあります。チューニングを正確にするために、ポイントを押さえて実施することが大切です。
ここでは、チューニングを実施する際のポイント4つをご紹介します。
【ポイント1】 チューニングは6弦から始める
【ポイント2】 チューニングの際は連続して弾かない
【ポイント3】 ペグはゆっくり少しずつ回す
【ポイント4】 音程が高くなりすぎた場合は一度下げる
【ポイント1】チューニングは6弦から始める
ギターの弦は、ギターネックが曲がるほどの張力を持つため、1本の弦を調整するだけでほかの弦にも影響を与えます。
そのため、一番太く強い力で張られている6弦から順番にチューニングを開始することで、ほかの弦への影響を最小限にして作業を進められます。
チューニングをする際には、6弦から開始すると覚えておきましょう。
【ポイント2】チューニングの際は連続して弾かない
音を合わせようと何回も弦を弾いてしまうと、チューニング狂いの原因となるため注意が必要です。
チューニングの際は、弾きはじめの音が高くなりやすい傾向にあります。そのため、連続で弦を弾いてチューニングすると少し高い音に合わせてしまい、最終的には正しいチューニングにならないのです。
弦を弾いたらチューナーの指している針が安定したことを確認し、再度弾いて合わせましょう。
【ポイント3】ペグはゆっくり少しずつ回す
ペグを回す際には、ゆっくり少しずつ回しながら調整することがポイントです。
ペグを回すことで弦が張っていくため、一気にペグを回してしまうと弦が耐えられずに切れてしまう原因になります。また、一気に回すと音が変わりやすく、チューニングが困難になる恐れも。
ペグが回しにくいと感じたらより注意し、ゆっくりと回すことが重要です。
もし、チューニングの際に弦が切れてしまった場合は、弦の張り替えを行いましょう。
下記の記事では、「ギター弦の交換方法」について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
【ポイント4】音程が高くなりすぎた場合は一度下げる
チューニングは、音が高ければペグをゆるめ、音が低ければペグをしめます。しかし、弦をゆるめる際にはムラが生じやすく、チューニングが困難になることも。
そのため、音が高くなりすぎた場合は一度目標の音よりも下げ、しめながら音を調節するようにしましょう。
まとめ
エレキギターのチューニングは、主にチューナーと呼ばれるアイテムを用いて音を合わせる方法があります。
狂ってしまった音で練習を続けると演奏が上達しない原因にもなるため、ギターケースから取り出したときや演奏するたびに行うことが理想的です。
エレキギターをチューニングする際は、チューナーを準備して6弦から1弦の順番で音を鳴らし、音程を合わせます。
しかし、チューニングを終えても音が変化している可能性があるため、最低でもチューニングを2回繰り返すとよいでしょう。