【中国切手】古典文学<牡丹亭>小型シートの特徴や切手買取の価値について解説

今回は1984年に中国で発売された切手シート「古典文学<牡丹亭>小型シート」と、同日発売の田型切手「中国古典文学名著<牡丹亭>」の特徴や価値について解説します。「湯顕祖」による「牡丹亭」がデザインモチーフで、切手コレクターだけでなく文芸面からのファンも多い人気の中国切手です。
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「牡丹亭」切手とは

【中国切手】古典文学<牡丹亭>小型シートの種類や特徴、切手買取における価値や買取価格について解説

中国切手「牡丹亭切手」は1984年に中国で発行された特殊切手です。同日に「小型シート」と「田型切手」が数量限定で発売。ともに枚数限定の貴重な切手として知られています。

牡丹亭切手のモチーフは、「湯顕祖(とうけんそ)」によって書かれた「牡丹亭(ぼたんてい)」です。

4種類の田型切手と小型シートで一連の物語がつながるようになっているため、1枚ごとのデザインはもちろんのこと、全体を通じてのストーリーを楽しめる中国切手です。

牡丹亭の作者「湯顕祖」について

湯顕祖(1550年 – 1616年)は明代の著名な戯曲家です。中国の戯曲史上、元曲の発展を受け継ぎ、新しい形式である伝奇を確立した人物として知られています。

この湯顕祖の最も有名な作品が「牡丹亭」です。

彼の書いた戯曲はどれも夢の絡む作品が多く、情熱的な愛・再生・社会の不条理などのテーマを取り上げ、独特の叙情性と繊細な心理描写で読者や観客を引き込んでいます。

とくに、女性キャラクターの内面の葛藤や情熱が深く掘り下げられており、この部分が彼の作品の大きな魅力でもあります。

同じ戯曲家で、イングランドの「シェイクスピア」(1564年 – 1616年)と重複した時期を生きていたこともあるため、「中国のシェイクスピア」と呼ばれるほどの人物でした。

牡丹亭はどのような物語なの?

牡丹亭(「還魂記」と呼ばれることもある)は南宋時代の南安を舞台に、愛と再生をテーマにしたロマンティックな物語です。湯顕祖の特徴でもある、夢を融合させたストーリーで描かれています。

南安太守である杜宝の娘「杜麗娘」が夢の中で出会った男性「柳夢梅」に恋をするも、目が覚めた現実でも忘れられないまま恋煩いによって衰弱死してしまいました。

その後、広州の書生である「柳夢梅」が、杜麗娘が書いた自画像を偶然手にすることにより、初めて現実世界で二人につながりが生まれます。

そこから、柳夢梅が杜麗娘のお墓を掘り起こし、杜麗娘が生き返る……といったストーリーが一般的です。

「古典文学<牡丹亭>小型シート」切手の特徴やデザイン

【中国切手】古典文学<牡丹亭>小型シートの種類や特徴、切手買取における価値や買取価格について解説

小型シートのデザインテーマは「庭園に遊ぶ」です。

杜宝の娘「杜麗娘」と侍女の「春香」が部屋を抜け出して、庭園で遊んでいるシーンが描かれています。

牡丹亭切手は小型シートと田型シートすべてで一つの物語が表現されており、小型シートは杜麗娘が夢を見るきっかけとなった部分です。

少し窮屈だった環境から開放され、楽しむ様子が杜麗娘の表情からも伝わってきますね。

▼中国切手「古典文学<牡丹亭>小型シート」の詳細
・発行日:1984年10月30日
・額面:2元
・形状:小型シートタイプ
・発行枚数:約209万枚

「中国古典文学名著<牡丹亭>」切手の特徴やデザイン

【中国切手】古典文学<牡丹亭>小型シートの種類や特徴、切手買取における価値や買取価格について解説

中国古典文学名著<牡丹亭>」は牡丹亭の田型切手です。

切手は全4種類のデザインで構成。それぞれのデザインテーマは以下のとおりです。

✔ 学問を学ぶ(額面8分、発行枚数1278.76万枚)
✔ 夢を見る(額面8分、発行枚数1212.61万枚)
✔ 自画像をかく(額面20分、発行枚数984.76万枚)
✔ 結婚(額面70分、発行枚数766.06万枚)

学問を学ぶ】で描かれているのは、家庭教師の「陳最良」が杜宝の娘である「杜麗娘」に対して、経書を教えているシーンです。侍女の「春香」も一緒に描かれています。

夢を見る】では、侍女の春香のすすめで杜麗娘たちはこっそりと部屋を抜け出して、庭園へと遊びに行きます。(前項の小型シートでは、この庭園の部分が描かれています)

その後、彼女は疲れて部屋に戻り、夢の中で「男性」と恋に落ちるシーンが切手に描かれています。この男性こそが「柳夢梅」です。

自画像をかく】は、杜麗娘が絵を描くシーンです。

現実の中で、夢で遭遇したような愛を見つけられない杜麗娘は、日ごとに衰弱していきます。彼女は心の中での愛への渇望を抑えきれず、自画像を描く決意をし、その美しさを残すことにしたのです。

切手デザインからも、少しやつれた顔と体の杜麗娘が垣間見えますね。

結婚】では、杜麗娘が柳夢梅に自分の墓を掘り起こさせて、死から生き返った後に二人が一緒になるシーンを描いています。

▼中国切手「中国古典文学名著<牡丹亭>」の詳細
・発行日:1984年10月30日
・額面:8分、20分、70分(※100分=1元)
・切手デザイン:全4種類

「牡丹亭」切手の市場価値や高く売るコツ

【中国切手】古典文学<牡丹亭>小型シートの種類や特徴、切手買取における価値や買取価格について解説

牡丹亭切手は“超プレミア切手”と呼ばれる「梅蘭芳舞台芸術切手」や「赤猿切手」ほどではないものの、切手の状態が良ければ額面以上の買取実績も多い切手です。

また、牡丹亭は田型切手よりも小型シートのほうがコレクター人気もあり、価値が高いとされています。

ただし、これらの価値は切手の状態や査定時期によっても異なりますので参考程度に留めておき、正確な価格は買取査定にて確認しましょう。

切手買取時に少しでも高く売るためには、日ごろから切手の状態を良好に保っておくことが大切です。

価値のある貴重な切手は、専用のアルバムに保管して色あせや汚れから守ると品質を維持しやすくなります。

もし、この先に切手を眺める機会が少なくなりそうな場合は、状態の良いうちに手放してしまうのも一つの手段です。切手は時間の経過とともに劣化していくものですので、最適なタイミングで買取に出しましょう。

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まとめ

【中国切手】古典文学<牡丹亭>小型シートの種類や特徴、切手買取における価値や買取価格について解説

牡丹亭は数ある伝奇の中でも、美しい詩や繊細な心理描写、複雑で魅力的な筋書きなどから、高い評価を受けています。

物語が脱稿された当時の1598年、明代は文化的にも経済的にも繁栄を極めていました。しかし、同時に封建制度のしがらみや社会的な矛盾も深まっていた時代でもあります。

作品中での恋愛の描写は、封建的な価値観や礼教の束縛から解放されることの難しさと、それにもかかわらず、真の愛を追い求める若者たちの心情を感じさせるものです。

このような普遍的なテーマが、時代をこえて多くの人々の心を捉えてきたのでしょう。

現在の牡丹亭は、西遊記・三国志演義・水滸伝などと同じように複数のストーリーやエンディングがあります。日本では2009年にシネマ歌舞伎としても上映されましたね。

牡丹亭切手は1枚の切手よりも、切手セット全体を通じて一つの作品を楽しめる点が大きな魅力です。

こちらの特殊切手や小型シートは発売から年月が経過していることもあり、きれいな状態で現存している枚数が少なくなっています。

切手買取市場でも状態が良ければ高価買取の可能性もある切手ですので、お手元にある切手アルバムの中に牡丹亭切手が眠っていないか確かめてみましょう。

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