【ノミスマ金貨】ミカエル7世(ビザンティン帝国)~最初のキリストのコイン~特徴や価値
今回は11世紀に「ビザンティン帝国」で発行された「ミカエル7世ドゥーカス」と「イエス・キリスト」が描かれた「ノミスマ金貨」の特徴や古銭買取における市場価値について紹介します。同金貨は形状に大きな特徴がある「カップ金貨」となっています。
目次
【ノミスマ金貨】ミカエル7世(ビザンティン帝国)~最初のキリストのコイン~とは
今回の「ミカエル7世ドゥーカス(在位:1071年~1078年)」が描かれたノミスマ金貨は、彼のビザンティン帝国の統治下で発行されたとされる金貨です。
古い金貨や記念硬貨などを扱うアメリカの「フランクリンミント」より発売された同金貨は、「最初のキリストのコイン(THE FIRST COIN OF CHRIST)」と名付けられています。
ビザンティン帝国は「東ローマ帝国」のことで、「ビザンツ帝国」や「ビザンチン帝国」と表記されることもあります。
「ノミスマ金貨」はローマ帝国で鋳造されていた「ソリドゥス金貨」に属するもので、ビザンティン帝国(東ローマ帝国)では「ノミスマ」と呼ばれていました。
ミカエル7世ドゥーカスは、経済の混乱、軍事の敗北、そして内政の不安定さによって困難な時代を経験しました。そのため、彼の時代はビザンティン帝国にとって衰退の始まりとされています。
【ノミスマ金貨】ミカエル7世(ビザンティン帝国)の特徴
ミカエル7世とキリストが描かれたノミスマ金貨は形状に特徴があり「少し浅めのお椀」のような形をした「カップコイン」となっています。
同金貨のサイズは約28mm、重量約4.4gですが、古い金貨のために一枚ごとにサイズや重量は異なりますので参考程度に留めておきましょう。
金貨の表面には、右手を上げて左手に「福音書」を持った姿の「イエス・キリスト」が描かれています。裏面には、右手に「ラバルム(ローマ帝国軍旗)」と左手に球体と十字架を持った「ミカエル7世ドゥーカス」が描かれたデザインです。
【ノミスマ金貨】ミカエル7世(ビザンティン帝国)の買取価格アップのコツ
ここからは、ミカエル7世(ビザンティン帝国)が描かれたノミスマ金貨を「少しでも高く売るためのコツやポイント」を紹介します。
金貨の状態
金貨の状態は価値に大きく影響します。しかし、古い金貨は汚れや変色していることが一般的です。
金貨は適切な方法で状態を保つことが望ましいものの、過度のお手入れは金貨の価値を下げる可能性があります。そのため、金貨をメンテナンスする際には細心の注意が必要です。特に、カップ金貨の場合は金貨自体が薄いため、無理なお手入れは控えるようにしましょう。
付属品も買取に出す
購入時の付属品がある場合、査定時に忘れず出すようにしましょう。
専用ケースや鑑定書などがセットになっていることでプラス評価になる場合があります。また、コレクターの中には専用ケースを好む人も多いため、可能な限り購入時の状態のままで買取に出すのがオススメです。
古銭に強い買取業者を利用
外国の古い金貨や価値のある古銭を買取に出す際、古銭買取に強い業者を利用しましょう。金貨の正確な査定には専門知識が必要です。
古銭買取に強い業者は金相場だけでなく、「金貨の希少性」や「市場の需給」を見ながら総合的に判断してくれます。そのため、買取価格は高値が付きやすい傾向にあります。
福ちゃんでは古銭買取の専門部署があり、知識豊富な査定士が在籍しているため、外国の古い金貨や記念硬貨でも正しく価値を見定めることが可能です。お手元の古銭を少しでも高く売りたい場合には、福ちゃんを利用しましょう。
まとめ
今回福ちゃんコラムで取り上げた「ミカエル7世ドゥーカス」が描かれた金貨は、前述したようにフランクリンミントより発売された際に「最初のキリストのコイン」の副題が付けられています。
ただし、「イエス・キリスト」が描かれた金貨には別の説もあります。同じ東ローマ皇帝である「ユスティニアヌス2世(在位:685年~711年)」が、イエス・キリストの肖像と文字を刻んだ金貨を正式発行したのが最初だとされているのも有名です。
これはローマ帝国の初代皇帝である「コンスタンティヌス1世(在位:306年~337年)」がキリスト教を信仰した人物であり、ローマ帝国においても公認したことが大きく影響しているのでしょう。
そして、ユスティニアヌス2世がイエス・キリストの肖像を金貨に導入したことにより、のちのビザンティン帝国の金貨にデザイン面で影響を与え、ミカエル7世ドゥーカスの時代まで続いていました。
また、「ミカエル7世ドゥーカス」の父親にあたる「コンスタンティノス10世ドゥーカス」も、自身の肖像とキリストが描かれたカップコインもあります。
このように「最初のキリストのコイン」は特定の一枚ではなく、このローマ帝国時代を生きた皇帝たちの”金貨全般”ではないかと考えると、さまざまな角度で楽しめます。その時代を生きた皇帝たちの、歴史やロマンを感じることもできるのではないでしょうか。
いずれにせよ、発行から1000年以上が経過している古い金貨です。年代的にも良好な状態で現存している枚数は少なく、金貨自体に希少性があります。そのため、デザインや文字が鮮明なものや欠けが少ない場合には、古銭買取に出しても高価買取が期待できる金貨といえるでしょう。