フィルムカメラのメンテナンス方法を解説!必要な道具や注意点も
フィルムカメラのメンテナンスでは、ブロワー、クリーニングクロス、レンズクリーニング液などの道具を使い分けます。カメラ本体だけでなく、レンズやファインダーに付着したホコリや汚れを取り除き、保管場所は風通しがよく直射日光が当たらない所を選ぶとよいでしょう。
当記事では、フィルムカメラのメンテナンス方法を、ボディ、ファインダー、レンズ、マウント内部ごとに紹介します。フィルムカメラの正しい掃除の仕方や保管方法が知りたい人はぜひ参考にしてください。
目次
フィルムカメラのメンテナンスに必要な道具
- ✔︎ ブロワー
- ✔︎ クリーニングクロス
- ✔︎ クリーニングペーパー
- ✔︎ レンズクリーニング液
- ✔︎ ダストブラシ
- ✔︎ 綿棒
フィルムカメラのメンテナンスに必要な道具にはさまざまな種類があります。ここでは、それぞれの道具の使い方や特徴を詳しく解説します。
ブロワー
空気の力でホコリやチリを吹き飛ばす道具です。カメラのレンズに使用する際は、先端がガラスに接触しないように気を付けましょう。エアゾール式はホコリを吹き飛ばす際の強さの調節が難しいため、初心者は扱いやすいシリコン製を選択するのがおすすめです。
クリーニングクロス
フィルムカメラ本体やレンズの汚れを拭き取る道具で、メガネ拭きなどの柔らかい布でも代用可能です。レンズに汚れが付くのを防ぐため、フィルムカメラ本体を拭いたクリーニングクロスを使い回すのは避けましょう。
クリーニングペーパー
レンズやファインダーを拭いて清掃するための道具です。ペーパーにあらかじめクリーニング液が含まれているタイプと、それぞれ単体で購入して組み合わせて使用するタイプがあります。
レンズクリーニング液
レンズに付着した汚れを拭き取る際に使用する道具です。クリーニングペーパーにクリーニング液が含まれていない場合に使用します。「レンズクリーニングリキッド」「レンズクリーナー」といった名称で販売されています。
ダストブラシ
カメラ本体やレンズの表面に付着するホコリを取り除く道具です。ブロワー使用後の小さなゴミを払うのにも適しています。カメラ専用ダストブラシも販売されていますが、毛が柔らかく傷つかないブラシであれば代用可能です。
綿棒
カメラ本体やレンズ部分の清掃に使用します。ドラッグストアなどで購入できる通常の綿棒でも代用可能です。ただし、直接レンズを掃除する際は、キズを防ぐためにカメラ専用の綿棒を使用します。
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フィルムカメラのメンテナンス方法
- 1.全体のホコリを落とす
- 2.ボディを拭き取る
- 3.ファインダーの汚れをとる
- 4.レンズのホコリをとる
- 5.マウント内部を掃除する
フィルムカメラの本体やレンズ周りには、小さなホコリ・ゴミが付着しやすく、定期的なセルフクリーニングが必要です。フィルムカメラは直接手で触って使用するため、汗や皮脂も付着しやすい特徴があります。
汚れを放置したまま保管しているとカビが発生する可能性があるため、カメラの定期清掃は怠らないようにしましょう。ここでは、フィルムカメラのメンテナンスのやり方と流れについて詳しく解説します。
1.全体のホコリを落とす
まずはフィルムカメラ本体のホコリや小さなゴミを取り除きます。ブラシで全体をさっと払ったら、ブロワーを使用して細かなホコリを吹き飛ばしましょう。
ボタンやダイヤル、ファインダー周辺などの溝には特にホコリが溜まりやすいため、丁寧に清掃するのがポイントです。
2.ボディを拭き取る
ブラシやブロワーでは落としきれなかったホコリ・汚れを拭き取ります。フィルムカメラボディには汗や皮脂なども付着しやすいため、ボディの汚れを隅々まできれいにしましょう。
乾いたクリーニングクロスで拭くだけでも問題ありませんが、汚れがひどい場合はクリーニング液を綿棒などに含ませて清掃するのがポイントです。
フィルムカメラは水に濡れると故障を招く恐れがあります。海沿いでの撮影、暑い日の撮影では、海水や汗の塩分がボディに付着するため、固く絞ったガーゼや柔らかいタオルなどを使用してきれいに拭き取りましょう。
3.ファインダーの汚れをとる
ファインダーのアイピースを上にスライドさせて取り外し、アイピースに付着しているホコリをブラシで払います。
ファインダー表面は、レンズクリーニング液を含ませたクリーニングペーパーを使用して清掃します。拭き上げ時のムラを防ぐため、クリーニングシートを小さく丁寧に折りたたんで作業しましょう。
拭き上げの際は、くるくると円を描くようにクロスを動かすことが大事です。ファインダーの四隅などの細かな部分まで汚れを落とすため、レンズクリーニング液を含ませたクロスを綿棒に巻き付けて使用するのもおすすめです。
クリーニングペーパーの代用品としてティッシュやキッチンペーパーを使用する人もいますが、繊維が毛羽立つためカメラの清掃には向かない製品もあります。汚れをきれいに落とすためにも、専用のクリーニングペーパーを使用するのが無難です。
4.レンズのホコリをとる
レンズ部分を取り外してホコリをブロワーで吹き飛ばしたら、綿棒にクリーニングペーパーを巻きつけてレンズクリーニング液を含ませます。中央から外側にかけて、くるくると螺旋状に動かしながら拭き上げましょう。
レンズに保護フィルムを貼り付けていない場合は清掃の際に傷付く恐れがあるため、より丁寧に優しく拭き掃除をすることが重要です。
後玉も同様、ブロワー使用後にクリーニングペーパーで清掃します。仕上げに、レンズの外装部分をクリーニングクロスで乾拭きします。カメラ本体を拭いたクリーニングクロスを使用するのは避けましょう。
5.マウント内部を掃除する
マウント内部のホコリをブロワーで吹き飛ばします。ホコリがマウント内部の中で舞わないよう、マウントを下側に向けてホコリを落とすのがポイントです。
マウント内部にはセンサーやシャッター幕などの重要部品があります。ブロワーの先が部品に触れると故障を招く恐れがあるため、中のホコリを吹き飛ばす際は注意して作業してください。
センサークリーニングなどカメラ内部のお手入れは、メーカーの修理窓口や専門修理業者が実施するカメラメンテナンスサービスを利用するのも1つの方法です。
フィルムカメラは、内部ミラーやファインダースクリーンにホコリ・小さなゴミなどが付着しやすいのが特徴です。ホコリが残っているとファインダーを覗いた際に映り込むため、ブロワーで丁寧にホコリを吹き飛ばしましょう。
フィルムカメラのメンテナンス時の注意点
- ✔︎ 防湿庫に保管する
- ✔︎ 使用後はメンテナンスをする
- ✔︎ クリーニングペーパー
- ✔︎ 保管前にストラップを外す
フィルムカメラはメンテナンスだけでなく、長期間使わない場合は保管方法にも注意が必要です。ここでは、フィルムカメラのメンテナンス時に注意すべきポイントや、正しい保管方法を解説します。
防湿庫に保管する
フィルムカメラは湿気に弱く、保管状態が悪いとカビが発生するケースもあります。保管の際は、防湿庫を使用して湿度を低く保つのが大切です。
防湿庫にはさまざまな種類があり、簡易的な防湿ボックスであれば1,000円程度で購入可能です。防湿庫は数万円ほどの製品が多いため、初めて購入する際は防湿ボックスを使用するのもおすすめです。
防湿庫や防湿ボックスがない場合でも、押し入れ・クローゼットへの収納は避け、風通しがよく直射日光が当たらない場所での保管を心がけましょう。
使用後はメンテナンスをする
フィルムカメラの使用後は、保管前に全体を軽く清掃します。細部まで高頻度で清掃する必要はありませんが、本体に付着するホコリや小さなゴミをブロワーで吹き飛ばし、クリーニングクロスで簡単に拭き上げましょう。
特に皮脂や汗、砂埃、海水の塩分などは、放置するほど落としにくくなるため、保管前にメンテナンスをして汚れの蓄積を防止します。
保管前にストラップを外す
フィルムカメラのストラップには皮脂や汗が付着しているため、防湿庫や防湿ボックスにカメラと一緒に保管すると、汗の湿気でカビが発生する可能性があります。保管する際は、ストラップを外してから収納しましょう。
また、カメラ用のケース・カバーなどを使用している場合も同様に、保管時には外してから防湿庫に収納してください。
まとめ
フィルムカメラのメンテナンスに用いる道具には、空気でホコリを吹き飛ばすブロワーや、カメラ本体、レンズの汚れを拭き取るクリーニングクロスなどがあります。汚れを放置すると、カメラにカビが生じる恐れもあるため、定期的なメンテナンスを行うのが大切です。
メンテナンスでは、まずカメラ本体のホコリをブラシやブロワーで落とし、クリーニングクロスで本体を拭き取ります。ファインダー表面とレンズをクリーニングペーパーで丁寧に掃除し、マウント内部のホコリをブロワーで吹き飛ばします。フィルムカメラは湿気に弱いため、保管場所には防湿庫や防湿ボックスを選ぶとよいでしょう。