エレキギターの主な保管方法4つ|保管時の注意点も紹介
せっかくエレキギターを買っても、誤った方法で保管すると本体が傷んだりネックが反れたりなどのトラブルが起き、使い物にならなくなる可能性があります。エレキギターを長く使用するためには、正しい保管方法を知ることが大切です。
今回は、エレキギターの保管方法を4つご紹介します。保管する際の注意点についてもまとめているので、エレキギターを購入したばかりの人や、保管方法が正しいのか心配な人はぜひお役立てください。
目次
1.エレキギターの主な保管方法4つ
エレキギターは、アンプと呼ばれる機械に繋いで演奏する音を増幅させる楽器を指します。コースティックギターと比べて弦が柔らかいため弾きやすく、アンプに繋いでいない状態だと生音が小さいのが特徴です。
また、エフェクターを使って音をアレンジができるなど、幅広いサウンドのクリエイションが楽しめるのも魅力です。アンプやエフェクターに繋いで初めて本来の能力が発揮される楽器であると言えるでしょう。
以下では、エレキギターの主な保管方法4つをご紹介します。
スタンド・ラック
ギターの破損を防ぐ手軽な保管方法として、スタンドの使用がおすすめです。スタンドに立てかけておけばネックが反る心配もなく、部屋に置くだけでオシャレなインテリアにもなります。
長期保存する場合は、部屋の温度・湿度に注意が必要です。また、ラッカー塗装非対応のギタースタンドにラッカー塗装されたギターを置くと変色する可能性があるため、布をかませて直接触れさせない工夫をする必要があります。
専用ケース
ギター専用の収納ケースを使用する方法は、ギターに適した保管環境を作れます。
ギターケースには「ハードケース」と「ソフトケース」の2種類があり、ハードケースは高級ギターに付いてくることが多く、頑丈な作りでケース自体が重たいため持ち運びには不向きです。一方で、ソフトケースは柔らかい素材でできており持ち運びしやすいものの、衝撃に弱く湿度が高くなりやすいという難点があります。
部屋での保管を目的とする場合は、ハードケースにギターを入れるのがおすすめです。
壁に吊るす
楽器店のようにギターを壁に吊るす保管方法もあります。吊るして保管する方法は、ネックにかかる負担が少ないため反りにくくなるというメリットがあります。また、場所を取らないため、部屋をすっきり見せたい場合や置く場所がない場合に最適です。
吊るす際は壁にギターハンガーなどを取り付けるのが一般的です。壁に穴を開けたくない場合は、突っ張り棒やウォールフックを設置するとよいでしょう。
保管庫
ギターの保管方法として、ギター専用の保管庫を用意する方法もあります。保管庫には調湿機能があり、自動でギターにとって最適な湿度を保ってくれるので、ギターを劣化から守ることができます。また、保管庫はディスプレイケースのようにギターを吊るして飾れるため、高級感のあるインテリアとして楽しめる点も魅力です。鍵が付いているタイプを選べば、防犯面も安心です。
ただし、保管庫を置く広いスペースが必要になる、ケースに比べると購入費用が高額になるなど、デメリットもあるためよく検討しましょう。
【注意】壁に立てかけるのはNG!
初心者に多い「壁に立てかける」という保管方法は、ギターを傷める原因になるのでおすすめできません。壁に立てかけただけのギターは倒れやすく、ギターに傷がついたりネックが折れたりする可能性があります。
また、壁に立てかけるとネック部分に負担がかかり、変形する恐れがあります。特に、エレキギターは本体が重たくネックへの負担が大きいため、立てかけて保管するのは避けましょう。
2. エレキギターを保管する際の主な注意点5つ
エレキギターを間違った方法で保管すると、ネックの反りや指版(フレットボード)の浮き、カビの発生などのトラブルが起こることがあります。大切なギターを長く使うためには、正しい保管方法でこのようなトラブルの発生を防ぐことが重要です。
以下では、エレキギターを保管する際の主な注意点を5つご紹介します。
グリップを上にして立てて置く
ギターを保管する際は、グリップを上にして立てることが重要です。ギターケースに入れて保管する際も同様で、ヘッドストックを上にしてラックにかけ、グリップを上にして保管します。
ギターを床に横積みにするのはNGです。横積みにすると、ネックに負担がかかったり、誤って踏んだりしてギターを傷つける可能性があります。ギターは必ずグリップを上にして、立てて保管しましょう。
温度・湿度・直射日光に注意する
ギターを保管する際は、温度・湿度・直射日光に注意が必要です。
ギターを保管するときは、温度20~25℃、湿度45~55%が最適と言われています。この数字からかけ離れた環境にギターを放置すると、指板が割れたり弦が錆びたりなどのトラブルが発生し、処分しなくてはならない状態に陥る可能性もあります。
トラブルを防ぐためにも、環境変化の激しい場所や直射日光の当たる場所での保管は避けましょう。熱がこもりにくく直射日光の当たらない、風通しのよい場所でギターを保管して湿度を管理するのがポイントです。ギターケースに保管する場合は、湿度調整剤をケースの中に入れる方法もよいでしょう。
夏・冬の保管方法に注意する
日本は季節によって温湿度の変化が激しいため、季節ごとに保管場所に気をつけなければなりません。特に夏場・冬場は注意が必要です。
夏場は、湿気によりギターが故障したりや害虫が発生したりなどの恐れがあります。人が快適に過ごせる環境でギターを保管しましょう。ただし、エアコンの風が直撃する場所はギターが乾燥するため、置き場所には注意が必要です。
冬場は、暖房器具の使用による部屋の乾燥に気をつけましょう。乾燥は木材に影響を及ぼし、ギター本体がひび割れる原因につながるため、加湿器などで湿度を一定に保つ工夫が必要です。
弦を少し緩めておく(諸説あり)
長期間ギターを保管する際は、弦を少し緩めておきましょう。
弦1本に対して、約80kgの圧力がかかっていると言われています。そのため、常に弦にテンションがかかっている状態で保管していると、弦を引っ張るほうにネックが反る可能性があります。
ただし、全くテンションがかからない状態だと逆方向にネックが反ることがあり、「弦を緩めないほうがよい」という考え方もあるそうです。弦を緩める際はペグを1、2回半程度緩めるのがおすすめです。
軽くお手入れしてから保管する
ギターを保管する際は、お手入れしてから収納することが大切です。一見綺麗でも、手垢や汗で汚れています。汚れを放置すると錆やシミの原因になるため、それぞれのパーツに適したメンテナンス方法をこまめに行いましょう。
まとめ
エレキギターの保管方法としては、スタンド・ラックに立てかける、専用ケースに収納する、壁に吊るす、専用の保管庫を用意するなどがあります。初心者がやりがちな壁に立てかける方法は、本体に傷が入ったりネックが折れたりする原因になるため、裸で立てるのは避けましょう。
エレキギターを保管するときは、適切な温度・湿度で錆や割れを防ぎつつ、日光やエアコンの風に直接当たらない位置に置くのがポイントです。また、保管の際は付着した汚れを取り除きましょう。