1000円切手の価値とは?切手の種類や高く売るコツを解説
今回のテーマは「1000円切手」です。日本では「82円切手」「120円切手」など2~3桁の額面の切手が多いですが、こちらの切手は額面としては最高となる1000円の大台に乗っているのが特徴です。
実は現在、1000円切手そのものは廃止になっており、市場には出回っていません。“現在市場には出回っていない切手”となるとプレミア級の価値があるのではないかと思われるかもしれませんが、現在のところ額面以下の価値を持つというのが一般的です。 ただし、状態によって買取価格は大きく変わることがあります。
というわけで今回の記事では、そんな1000円切手の詳細情報やできるだけ高く売るためのポイントについてまとめています。
目次
1000円切手とは?
そもそも1000円切手は、1975年に発行がスタートした郵便切手です。
2019年に廃止されたので45年にわたって使われてきたことになりますが、具体的には「ゆうパック」「国際小包」「EMS(国際スピード郵便)」など、郵便料金が高くなりがちなものを送る際に使用されるという用途があったようです。
個人で使用する人がいたほか、大量の郵便物を一括で送るために企業が使用していたという側面もあったようです。
1000円切手の種類を紹介
1000円切手は、2019年に廃止されるまでに「吉祥天立像」「松鷹図」「富士図」という3種類のデザインをほどこしたものが発行されています。
吉祥天立像
1975年、日本初の1000円切手のデザインとして採用されたのは、鎌倉時代の作品と考えられている彫刻作品の『吉祥天立像』です。
現物の『吉祥天立像』は京都府木津川市の浄瑠璃寺にあり、長い年月に渡って厨子(大切なものを収める昔の収納箱)の中にあったという経緯もあり、鮮やかな色彩を今に伝えているのが特徴として挙げられます。
吉祥天は幸福や富を象徴する仏教の守護神であり、そのように“ありがたい存在”であることもあって、史上初の1000円切手のデザインに採用されたのでしょう。
松鷹図
1996年、『吉祥天立像』に代わる2代目の1000円切手のデザインとして採用されたのは、室町時代の画家で僧侶でもあった雪村周継が描いた『松鷹図』です。
“松の木と鷹”は日本画の有名なモチーフのひとつであり、雪村周継のほかにも京都の二条城の障壁画として狩野山楽が描いた『松鷹図』をはじめ、いくつかの有名な作品があります。
雪村周継は水墨画の巨匠である雪舟に師事した画家といわれており、その作品は緻密な描き込みと優れた構成力が特徴として挙げられます。
2代目の1000円切手に採用された『松鷹図』もまた、鷹の羽根のひとつひとつまで繊細に描かれていること、松の枝にとまっている鷹が鋭い眼光で下方を見つめる構図の素晴らしさが特徴的です。
富士図
2015年、3代目の1000円切手のデザインとして採用されたのは、江戸時代の画家・田能村竹田が描いた『富士図』です。文字通り日本の名峰であり世界遺産でもある富士山をモチーフにした作品であり、中国絵画の影響を強く受けた「南画」という絵画様式で描かれています。
実際の富士山よりも山頂部分が鋭角に描かれているのが特徴で、のびのびとした印象があります。
4年後の2019年に1000円切手そのものが廃止となったため、3種類の中では最も短命の1000円切手となりました。
1000円切手は「シート」がいちばん高く売れる?
切手買取の世界では、額面よりもはるかに高い買取価格が提示されることがあります。
中でも、特に額面以上のプレミア級の価値を持つ高額な切手といえば浮世絵をモチーフにした「見返り美人」「月に雁」「ビードロを吹く娘」などが挙げられます。
デザインの面では、「吉祥天立像」「松鷹図」「富士図」をモチーフにした1000円切手も負けていないような感じがしますし、もともとの額面も1000円ということで高価買取を期待したいところ……ですが、実際のところ1000円切手は額面以下の買取額になるのが一般的です。
やはり希少性の高さという点では例として挙げた「見返り美人」や「月に雁」には及ばず、それほど高い金額を提示されることはないようです。
具体的には、バラの場合は額面の70%程度で買い取られることもあるようです。
ただし、切手買取の世界では「バラよりもシートのほうが高く売れる」という傾向があり、1000円切手もその法則に当てはまることが考えられます。
状態の良い20面シートなどが残っている場合、額面の80%以上の価値がつくことも考えられます。
「ゆくゆくは家にある1000円切手を売却したい」とお考えの方は、もしシートで所有されているのであれば切り離すことはしないことをおすすめします。
また、状態を良好に保つために切手アルバムを活用するのがおすすめです。
1000円切手の買取は福ちゃんにお任せください
いかがでしょうか。今回は、「1000円切手」についてまとめてみました。
1000円切手は、1975~2019年という限られた期間ではありますが、日本の切手の中でいちばん額面が高い切手として君臨してきた歴史を持ちます。
時期によって「吉祥天立像」「松鷹図」「富士図」という3種類の1000円切手があり、いずれも日本的な彫刻や絵画の美しさを堪能できるデザインになっていることが特徴として挙げられます。
一般的には額面以下の価格で買い取られるという感じになっているため、買取に出した場合も「プレミア級の値段が付いた」という驚きを得ることはできません……が、美品といわれる状態であり、なおかつシートの状態で残されている場合はバラよりも高く買い取ってもらえる可能性があるので注意しましょう。
注意点としては、ほかに「買取業者をしっかり選ぶ」ということも挙げられます。
切手の査定・買取を行っている業者は数多くありますが、どの業者も同じ額で買い取ってくれるわけではありません。切手の査定・買取に関する知識や経験が乏しい業者に査定してもらうと、本来よりも低い価値しか提示されない……ということが考えられます。
経験と知識、そして実績が豊富な業者を選ぶべきといえるでしょう。
なお、福ちゃんではこれまでに多彩な切手の査定・買取を手がけてきた優秀な査定士が揃っています。
査定のご依頼を受けた切手に関しては1枚1枚ていねいに査定させていただき、適正価格を提示いたします。査定は無料となっていますので、ぜひ気軽にお申し付けください。