フルートのタンポ交換とは?交換のタイミングや方法まとめ
今回のテーマは、フルートを吹く方にとっては欠かせない「タンポの交換」です。タンポとは、フルートが美しい音色を響かせるために欠かせない部品のことであり、これは自然に劣化してしまうため定期的に交換を行う必要があります。
では、一般的にはどのくらいで寿命が来る(交換の時期になる)のでしょうか。また、タンポの劣化を遅らせて寿命を長持ちさせる方法などはあるのでしょうか。さらに、タンポの交換はどうやって行えばいいのでしょうか?フルート初心者の方にもわかりやすく説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもフルートのタンポとは?
「フルートを手に入れたばかり」という方、またそもそもフルートを持っていないし吹いたこともないという方は、そもそも「タンポ交換」といわれても何が何だかよく分からないのではないかと思います。
「タンポって何だっけ?」という方も多いでしょう。タンポは、フルートの音を生み出すために必要不可欠な部品のひとつです。具体的には、フルート奏者が指をかけているキイにくっついている柔らかい部品のことを指します。
フルートは、多くの木管楽器がそうであるように息を吹き込みながら胴体に空いている穴(トーンホール)を指でふさいだりあけたりしてさまざまな高さの音を出しています。
より具体的には、フルートを吹く際は「キイをホールにかぶせてふさぐ」という作業を行っています。
しかし、キイだけでは完全にトーンホールをふさぐことはできず、微妙なスキマが空いて音にゆがみができてしまいます。キイに接着するタンポは、トーンホールのスキマをなくして完全にふさぐ機能を持っている部品で、フルートのクリアな音色を演出するには欠かせません。
しかし、このタンポは何度も使用しているうちにダメージを受けてすり減ったり、水分がたまってふやけて劣化してしまったりします。そこで、定期的に交換する必要があるのです。
フルートのタンポの寿命はどのくらい?
フルートのタンポの種類としては、「フェルトタンポ」や「フィッシュスキンタンポ」などさまざまな種類のものがあり、それぞれに寿命は微妙に異なります。
たとえば、フルートのタンポとして最もよく使われているフィッシュスキンタンポは、価格が安いわりに機能性が高いというメリットがある一方、劣化が早いという性質があります。
一方、フェルトタンポは寿命がやや長いものの、すぐに水分がたまって品質が悪くなってしまいがちです。
具体的には、水分のためにタンポがでこぼこになり、十分にトーンホールをふさがなくなってしまいます。結果的にフルートの音が上手く出なくなってしまうので、そうなってしまうと交換の時期であるといえます。
そんなタンポですが、平均すると大体2年くらいであるといわれています。
ただし、頻繁に練習で使っているなどフルートをよく使う人の場合は、目安の2年を待たずしてタンポの劣化に気づくという場合もあるようです。
タンポの劣化を防ぐ手入れ方法について
タンポが劣化する理由は、何といってもフルートをたくさん使うことであるわけですが、もうひとつ「水分がたまる」というのも理由のひとつです。
フルートに息を吹き込む際、呼気に含まれる微細な水分がフルートの中を通ってタンポに付着し、それがたまりたまって劣化につながってしまうわけです。
特に「フェルトタンポ」は、素材のフェルトが水分を含みやすい性質があるため、より劣化しやすいという特徴があります。
そんなタンポの劣化を防ぐためには、こまめに水分を拭き取るなどの手入れを行う必要があります。水分を拭き取るのには、クリーニングペーパーを使うのが良いでしょう。
ただし、タンポをゴシゴシこするように拭き取ると、水分だけでなくタンポの表面に塗布されている防水剤を剥ぎ落してしまうことになる場合があるので注意が必要です。
優しくさっと撫でるようなイメージで拭き取るのがおすすめです。
タンポの交換は楽器店に任せるのがおすすめ!
日常的にさまざまな手入れを行っていたとしても、いつかタンポが劣化するときはやってきます。その場合にはタンポの交換をしなければならないわけですが、自分でやるのはあまりおすすめしません。
タンポの交換は、キイに付いている古いタンポを取って新しいものに付け直すだけなので簡単に思われますが、作業を行うためにはキイを取り外す作業が必要で、人によってはキイを傷めてしまうことも考えられます。
このように、自分で行うタンポ交換には限界があるので、なるべくプロにお任せするのがおすすめです。タンポ交換は、フルートを扱っている楽器店などですぐにでも行ってもらうことができます。
料金も高くて3,000円程度が目安で、それほど高額ではありません。安全にタンポを交換し、スムーズに良好な状態の新しいフルートが手に入ると思えば安い出費と考えることもできますので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。