織屋・桝屋高尾とは?買取相場はどのくらい?

今回は、織屋の桝屋高尾(ますやたかお)を取り上げます。
京都に桝屋高尾あり」として知られる名店ですが、特に「ねん金綴錦」という技術を確立したことで知られており、きらびやかでありながらも決して派手すぎず、優雅な落ち着きに満ちた質感の着物や帯を数多く世に送り出しています。

とりわけ、「ねん金綴錦」の技術を確立した初代・高尾弘はこの技術を惜しみなく使って多くの美しい着物や帯を手がけており、高い評価を得ています。状態に寄りますが、人気が高いブランドの品物ということで高価買取が期待できるでしょう。

というわけで、ここでは桝屋高尾の歴史や、桝屋高尾が確立した「ねん金綴錦」という技術について、また作品紹介や買取相場の紹介もしてみたいと思います。

桝屋高尾の歴史紹介

織屋・桝屋高尾とは?買取相場はどのくらい?

桝屋高尾は、1935年に京都の西陣で生まれた高尾弘が創始した織屋です(織屋は機織りを手がける業者のことですが、桝屋高尾では機織りも含めた全工程を手がけて着物を生み出しています)。

高尾弘の父はもともと織屋を営んでいましたが、太平洋戦争が激化する中で政府の方針によって土地を明け渡すようにと求められ、強制撤去されることになりました。

ほどなく終戦を迎えたものの、父はその直後に死去。17歳になっていた弘は、若くして父のあとを継ぎ、慣れないながらも家業をこなしていました。

しかし、夢中で過ごす毎日の中、生活の援助をしてくれていた叔父の高尾菊次郎に「博物館を巡れ」とアドバイスを受け、実際に京都中の博物館を巡り、さまざまな展示物を眺める生活に入ります。

ただ漫然と展示物を眺めるのではなく、その中で美的感覚を養え」というのが菊次郎のアドバイスの真意であり、弘は無意識にそれに従い、やがて美的感覚を研ぎ澄ましていくことになります。

さらに、弘は陶芸家の河井寛次郎をはじめとする芸術家と親しく交際し、民芸運動を主導していた柳宗悦に傾倒するなどしてさらに学びを深くしていきました。

1960年、高尾弘は桝屋高尾を設立。優れた着物や帯を制作するかたわら文化事業にも積極的に関わり、豊富な知識と確かな技術を買われて古い名物裂の復元を手がけるなどして注目されます。

そして1978年、桝屋高尾のもとに愛知県名古屋市の徳川美術館から当時は技法が失われてしまった「無地ねん金裂」の復元を依頼されることになります。

試行錯誤の末にその依頼を見事にこなした高尾弘ひきいる桝屋高尾は、その名を不動のものとします。

そして以後は、「無地ねん金裂」の復元を行う中で確立した技術をもとに「ねん金綴錦」を編み出し、これを有効活用して多くの作品を手がけていくことになります。

その技術は代替わりをしたあとも受け継がれ、現在に至っています。

5年の歳月をかけた「ねん金綴錦」の技術

織屋・桝屋高尾とは?買取相場はどのくらい?

すべての始まりは、1978年に愛知県名古屋市にある徳川美術館からの依頼でした。

徳川美術館は、かつて江戸時代に徳川御三家のひとつである尾張徳川家を中心に、200年以上の太平の世を築いた徳川家の遺品を数多く所蔵している美術館です。

そんな歴史ある美術館から依頼されたのは、当時はもはや技法が失われてしまった「無地ねん金裂」の復元でした。桝屋高尾の代表・高尾弘は、長きにわたる試行錯誤をスタートさせることになります。

真綿の糸に金箔を巻き付けて作られた特殊な金糸を使って布を織り上げていくという繊細な技術を要する「ねん金裂」を再現し、それをもとに「ねん金綴錦」という技法を確立するまでには、実に5年間という長い年月を必要としました。

しかし、若い頃から美的感覚を研ぎ澄ます訓練を積み、名だたる芸術家たちと親交を深めていた高尾弘は、見事にその仕事を成し遂げました。

そして現在も「ねん金綴錦」の技術を用いて作られた着物や帯は、多くの着物愛好家の間で親しまれています。

桝屋高尾の作品紹介

織屋・桝屋高尾とは?買取相場はどのくらい?

桝屋高尾は、その長い歴史の中で数多くの着物や帯を生み出していますが、ここではその中から2つ紹介してみたいと思います。

ねん金綴錦袋帯「花籠異文・薄銀地」

こちらは、桝屋高尾が誇る「ねん金綴錦」の技術を使って織り上げた袋帯です。

薄い銀の地色に、淡い青をはじめ多彩な色合いがミックスされ、さらに金箔を巻いた真綿の糸が上品なアクセントとなっている独特のデザインが印象的です。

花のようであり、幾何学模様のようでもある「花籠異文」という模様は非常に美しく、品格の高さを感じさせます。

見る角度によって多彩な光沢を見せ、表情を変えるところも魅力的です。

袋帯 西陣織 手織り「双龍二重連珠円文 オリーブ×紫」

桝屋高尾といえば、ねん金綴錦」というイメージを持たれることが多いですが、桝屋高尾は創業以来ずっと「ねん金綴錦」一筋でやってきたわけではありません。

若い頃から一心に美術に向き合い、美的感覚を磨いてきた高尾弘がリードする桝屋高尾は、そもそも優れた着物や帯を数多く手がけていた織屋でした。

こちらの作品は、まさしくそのような桝屋高尾のスピリットが息づいている袋帯です。

丁寧な手織りで仕上げられた上品な西陣織の逸品で、パッと見た感じでは重厚感や高級感が感じられますが、使い心地は意外なほどソフトでかろやか。見た目の美しさや品の良さだけでなく、使い心地の良さも追及しているところが桝屋高尾ならではの特徴といえるでしょう。

桝屋高尾の着物買取価格はどれくらい?

織屋・桝屋高尾とは?買取相場はどのくらい?

今もな優れた着物や帯を世に送り出している老舗の桝屋高尾。

その作品は、現在進行形で多くの作品が出回っているので希少性の高さという点ではそれほどでもありませんが、しかしながら緻密なデザインと細部にまでこだわり抜いた堅実な仕上がりは高く評価されており、特に上品な着物がお好きな方からは高い人気と需要を誇ります。

買取相場の目安としては5万円ほどではありますが、もちろん品物によって価格は異なってきますし、着物の場合、現在の価値が将来にわたってずっと変わらないというわけではありません。見る時期によって価値は大きく変化するので、将来的には5万円以上の価値がつくことも十分に考えられるでしょう。

また、着物の場合は「見る時期」だけでなく「見る人」によって価値が変わってくることがあります。

たとえば着物の買取を受け付けている業者としては私たち福ちゃんのような買取業者や、街のリサイクルショップ、古着店などがあります……が、実際のところリサイクルショップや古着店ではすぐに買い手がつきにくい着物はなかなか買い取ってくれないか、本来の価値には合わない安い価格で引き取られてしまうケースが少なくありません。

着物の正確な価値を知るスタッフがいないお店が多いために、そのようなことが起きるわけです。

というわけで、桝屋高尾の着物を売却したいとお考えの方には、着物の買取に関する豊富な知識・経験を有する業者を利用することをおすすめします。

私たち福ちゃんもまた、着物の査定・買取に関する知識や経験については自信がございます。優秀な査定士が揃っており、しっかり査定させていただいたうえで適正価格を提示いたします。

査定のご依頼は無料で承っておりますので、ぜひ気軽にお申し付けください!

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