知っておきたい!洋食器の並べ方やマナーについて
「テーブルマナーが不安」、
「お客様をお招きすることになったのだけど、食器の並べ方がわからない……」
などというお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は「洋食器のマナー」をテーマとし、食器のセッティングやカトラリーを使う順番についてご説明したいと思います。ぜひ参考にしてみてください。
目次
洋食器には並べ方があるって本当?
「正しい並べ方」は存在します。
しかし、状況や場所によっては簡略化しても問題はありません。
こちらの記事では、フォーマルな場での正しい並べ方やマナーを主に紹介していきます。
テーブルセッティングの方法
フォーマルの場合
料理は基本的に「1品ずつ」です。
前菜とスープ、またはスープと魚料理など、他の料理が一緒に並ぶことはありません。
一般的には下記のような流れで料理が提供されます。
1.前菜
2.スープ
3.魚料理
4.肉料理
5.デザート
6.カフェ
魚料理や肉料理のあとにお口直しのシャーベットが登場するなど「一部例外」もありますが、だいたいこのような順番で料理が運ばれます。
1品ずつ置くのがルールであるフォーマルの場では、お料理が乗っているお皿が中心に置かれます。
このお皿の両端に、カトラリーが置かれます。
右側にはナイフとスープスプーンが、左側にはフォークが置かれます。
このとき、ナイフの刃は必ずお皿がある方に向けて置かれています。この向きは「敵意はございません」という意思表示をするものであるため、提供する側と食事をする側、どちらであっても徹底するようにしましょう。
ちなみに、お料理の左上にはパンが置かれます。
「料理は一品ずつなのでは?」
しかし、洋食の場合、このパンは「お口直し」の位置付けとされており、メニューの一部としては数えられません。
パンはお料理を食べたあと、次の料理を待つときに食べるようにしましょう。前菜の前に食べるのはマナー違反です。
なお、肉料理や魚料理に添えられたソースをつけるのはマナーの範囲内ですが、スープに浸して食べるのはマナー違反ですので注意しましょう。
次にグラスですが、これはお料理の奥に置くのがマナーとされています。
好みのお酒を希望した場合、卓上に複数グラスが並ぶことがありますが、この場合、グラスの背が高い順に置くのが一般的です。
最後にナプキンですが、これは前菜のお皿の上に置かれています(フォークの左側に置かれることもあります)。食事をする間は膝のうえにかけておくようにしましょう。
なお、結婚式の披露宴など時間が限られている中での食事の場合、
「食べるスピードが明らかにゆっくり」「写真撮影で離席していた」
などの場合のみ料理が重なるシーンがありますが、スタッフが勝手に置いていくことはありません。
カジュアルの場合
カジュアルな洋食の場合、カトラリーを「カトラリーレスト」と呼ばれる土台にあらかじめセットされていたり、カトラリーセットに入った状態で提供されたりすることが多いです。
また料理の順番も簡素化され、「前菜とメイン」のように同時提供されることもあります。
カトラリーを使う順番
ズラリと並ぶカトラリー。
「自分で選んでいいの?」
「使いやすいものを使っていいの?」
と思われたこともあると思いますが、これには「外側から使う」というルールがあります。
つまり、最初の前菜のときには一番右に置かれているナイフと一番左側に置かれているフォークを使います。
また、スープが登場する場合は、スープスプーンを使ってください。
一般的なスプーンより丸っこく、深めに作られているものが「スープスプーン」です。
間違ってしまった場合
途中で間違えていることに気付いた場合、店側から注意を受けることはありません。本来そのカトラリーを使うべき料理のときに、新しいものを持って来てくれます。
しかし、せっかく気付いたのであれば「正しいお作法」で食事をしたいもの。
そんなときは、静かにスタッフの方を探してみましょう。大きな声で「すみませ~ん」という必要はありません。
フォーマルな場では必ずテーブルを担当してくれているスタッフがいますので、すぐに目が合うことでしょう。
「間違えてしまったのですが……」
といえば、すぐに新しいものを持って来てもらえます。
食事中や食事後はどうする?カトラリーの並べ方
「食事中、パンを取りたくなったり、お水やワインを取りたくなったりしたどうするの?」
「食事が終わったあと、カトラリーはどうすればいい?」
ここではそんな疑問について解説します。
食事中
食事中カトラリーを置きたくなったら、メインのお皿の上にカトラリーを置きます。
このとき、「ハの字」になるように置いておきましょう。
また、持ち手(柄)の先がテーブルに接するのはマナー違反です。柄もしっかりお皿の上に乗るように置いてください。
食後(次の料理を待っているとき)
次の食事が来るまでのあいだは、カトラリーを平行に並べ、お皿の上でカトラリーが斜めになるよう置きます。
このとき柄は右下、カトラリーの先は左側を向いているのが正解です。
ただし、国によって色々おき方があります。
相手や周りに合わせておくようにすると間違いないので、よく見て臨機応変に対応しましょう。
その他のテーブルマナー
ここでは、覚えておきたい「その他のテーブルマナー」についてご紹介します。
ナプキンについて
ナプキンは自分の膝の上にかけます。
また、口を拭くときはこのナプキンを使用してください。
自分のハンカチを使うということは「この店のナプキンは汚い」「使いたくない」という意思表示になってしまいます。
お手洗いに行くなどで離席する際は、チェア(椅子)の上に置いておきましょう。
お手洗いに行くことは本来「あまりよくないこと」ですが、数時間も我慢をすることのほうが体によくありません。できれば「次のお料理が出る前」など、タイミングを見て席を離れるようにしてください。
食事中について
魚料理や肉料理などを最初にすべてを一口サイズに切り分けてから食べる行為はマナー違反です。一口ずつ切り分けて食べるようにしてください。
また、右手でナイフ、左手でフォークを持つのは基本中の基本。食べ慣れていないからと、右手でフォークを持ったり、料理にかぶりついたりするのはご法度です。
食べ慣れていないことがマナー違反になることは絶対にありません。大切なのはマナーを守ろうとする気持ちなのです。
カトラリーを落としてしまったら
カトラリーを落とすと音がします。
「恥ずかしい」「申し訳ない」などと自分で拾ってしまう方がいますが、その必要はありません。基本的にはスタッフの方が気付いてくれますので、軽く会釈をして新しいものを受け取りましょう。
スタッフの方が気づいていない場合は、黙って手を挙げ、「新しいものをお願いします」と伝えてください。
このときも大きな声を出す必要はありません。
すべての食事が終わったら
お店をあとにするときにはナプキンを軽く丸めてテーブルの上に置いてください。置く位置はお皿がない場合は正面、ある場合は正面に近い場所です。
ポイントは「軽く丸めておく」ということ。
実は、きれいにたたんでしまうと「美味しくなかったです」という意思表示になってしまいます。クシャクシャすぎない程度に丸めておきましょう。
加減に迷ったら、「四角く見えないようにたたむ」というのもひとつの手です。
まとめ
いかがでしょうか。
中には「知らなかった……」というマナーもあったのではないかと思います。
色々とお伝えしましたが、大切なのは「食事と会話を楽しむこと」です。マナーはとても大切なものですが、これに気を取られて食事が楽しめなくなっては元も子もありません。
できることから取り入れ、食事を楽しんでみてください。