必見!陶器の正しいお手入れ方法とは
しかし、「使っているうちにニオイがでてくる」「シミが怖くて使わずじまい……」
というお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は自宅で簡単にできる「陶器のお手入れ」についてまとめてみました。ぜひご一読ください。
目次
使用前に行う「目止め」とは
『美濃焼』や『瀬戸焼』、これらは海外からも注目されており、非常に人気の高い「陶器」です。
全体的に厚みがあることから熱伝導率が低く、熱湯を注いでも割れないことから「丈夫」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、実はとても繊細な一面を持ちます。
ここで簡単に陶器の原料について説明いたしましょう。
陶器の原料は粘土や石です。
1100℃から1300℃の高温で焼き上げを行っており、ガラスのように光を通すことはありません。
また、陶器には目には見えない小さな穴が無数にあるという特徴を持ちます。
もうお気づきになった方もいらっしゃると思いますが、この「穴」に食材の油や汁などが入りこむと、汚れとなります。
ちなみに、多くの陶器には「釉薬(ゆうやく)」と呼ばれるガラス質の膜が塗られており、表面上はツルツルとしているように見えますが、奥の層はザラザラとした材質になっています。
でもご安心ください。
「目止め」というコーディング作業を行うことで、このニオイや汚れを防ぐことができます。
目止めのやり方
目止めはご自宅で簡単にできます。
【用意するもの】
・米のとぎ汁(もしくは小麦粉や片栗粉を溶かした水)
・食器を浸けておくことができる大きさの鍋
【方法】
1.米のとぎ汁が入った鍋に、食器を浸す
≪ポイント≫
全体的にコーティングが行き届くよう、しっかり浸しましょう。
複数の食器を入れる場合は器と器が当たらないよう注意してください。
2.弱火で15分から20分ほど煮沸する
3.火を止め、冷ます
≪ポイント≫
急に冷たい水をかけるなど、温度差が激しくなるようなことはしないでください。食器が破損してしまう場合があります。
4.水洗いをして、表面の水を拭く
5.1日程度自然乾燥させる
≪ポイント≫
表面の水分がなくなったように見えても、陶器の奥の層はまだ水分を含んでいます。しっかり乾燥させてから食器棚にしまうようにしてください。
目止めを行うタイミングや回数について
ここでは、
「目止めのやり方はわかったけど……どのくらいやったほうがいいの?」
「目止めは新品のうちじゃないと意味がない?」
という疑問について解説いたします。
いつ行う?
一番効果的なタイミングは「購入後、使用する前」です。
一度家庭用の中性洗剤で表面の汚れを落としたあと、目止めを行いましょう。
なお、使っているうちに目止めの効果は薄れます。そのため、半年~1年に一度程度、定期的に目止めをすると良いでしょう。
しかし、もうすでにニオイがついているもの、ひび割れがあるものには効果はありません。この場合は後半でご紹介する『ニオイやシミがついてしまったら……』をご参照ください。
回数は?
初回の目止めは2~3回繰り返すといいといわれています。
しかし、陶器によっては「2~3回で十分」としているものもあるので、指示がある場合はその指示を守るようにしてください。
目止めしないとどうなる?
結論からいうと、目止めをしなくても陶器を使用することはできます。
目止めをしなくてもニオイやシミが発生しない場合もありますが、これは使用頻度が少ない、またニオイがつかないような使い方をしている場合に限ります。
言い換えれば、使用の仕方、載せるものによっては数回の使用でニオイがついてしまうこともある、とういうことです。
これを防ぐためにするのが「目止め」ですので、大事にしたい陶器には目止めをするようにしましょう。
「磁器」にも目止めが必要?
陶器と磁器をまとめて「陶磁器」と呼ぶことがあるため、磁器にも目止めが必要なのではないか?と思われた方もいらっしゃると思いますが、磁器は原料のほとんどは石です。
陶器とは異なり、「水を通しにくい」という特徴があるため、基本的には目止めは不要です。
しかし、中には粘土成分が多い「半磁器」と呼ばれる食器も存在します。こうした器は目止めが必要な場合があるので、よく確認するようにしましょう。
使う前にサッと水にくぐらせよう
また、毎回できるお手入れの中に「水にくぐらせる」というものがあります。
これは陶器の「吸水性の高さ」を利用したもの。無数の穴にあらかじめ水を含ませることで、においや汚れがつきにくくなるのです。
目安として、だいたい5分くらい水に浸してから使うとよいでしょう。
また水という性質上、目止めほどの効果はありません。目止めをしていない場合の補助として行うことを推奨します。
使い終わったらすぐに洗って乾燥
いくら目止めをしていたとしても、味のついた液体物や油を使用した料理を乗せている限り「絶対に汚れない」ということはありません。
当然、長時間そのままにしていれば、次第に小さな穴に液体物や油が浸透します。
そのため「使用したらすぐ洗う」ということを心がけるようにしましょう。また、洗ったあとにしっかり拭き上げをして乾燥させることがポイントです。
前述したように、見えない「層」の部分には水分が含まれています。
「洗浄→拭き上げ→乾燥」
この一連の作業はセットにしてあげるようにしてください。
拭き上げは必要?
「食器を洗ったあと、拭き上げをせずに水切りラック(または水切りマット)で自然乾燥している」
という方は多いと思います。
しかし、残った水滴が「水垢」となるためこの方法はあまりおすすめできません。水垢は、水に含まれるミネラルやカルキが残ったものが白く固まったものです。
水分は蒸発して空気中に放出されますが、完全に蒸発することなく一部が残留します。釉薬が塗られている陶器の場合、水垢がつくと見た目の美しさを損ねてしまいます。
出来る限り一度拭き上げをして乾燥するようにしてください。
ニオイ、シミがついてしまったら……
「カビっぽいニオイがする」
「料理のニオイが取れない……」
そんな場合は、下記の方法をお試しください。
【用意するもの】
・クエン酸(適量)
・水
【方法】
1.クエン酸を溶かした水に陶器を入れる
≪ポイント≫目止めと同じように、陶器が浸るようにするのがポイントです。
2.沸騰する
3.しばらく放置し冷ます
4.取り出し水洗いを行い、拭き上げをして乾燥させる
こちらの方法でも取れないしつこいニオイや、油ジミがある場合には重曹を用いた方法をお試しください。
【方法】
1.重曹を溶かした水に1日程度浸けておく
2.水洗いをして、拭き上げと乾燥を行う
また、油じみの場合はその場所に重曹を振りかけ、軟らかいスポンジでこするという方法も有効です。
しかし重曹は研磨の作用があるため、強くこすりすぎると傷がつくおそれがあります。
この方法を実施する場合は、力をいれすぎたり、硬いものでこすったりしないように注意してください。
陶器は「育てるもの」
どれだけしっかりお手入れをしていても、陶器は時間の経過とともに風合い、色合いが変わることがあります。
しかし、自然界の原料を使用している以上、この経年変化を止めることはできません。
ある程度の変化は「味」として楽しむようにしましょう。
まとめ
いかがでしょうか。
食事を華やかにしてくれる陶器は、お手入れをしてあげれば長く使うことができます。今回ご紹介したお手入れはご家庭にあるものでできるものばかりですので、ぜひ実施してみてください。
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