カメラのレンズメンテナンスの流れ・注意点まとめ
また、レンズのメンテナンスを怠って機能が低下したり、カビが生えたりしてしまうと、レンズの価値を下げてしまうことにもつながります。レンズを買取店に引き取ってもらおうと思ったとき、思ったよりも低い価値しか付けられなかった……という結果になってしまう可能性があるわけです。
そういう意味でも、普段のメンテナンスを行うことは重要なポイントであるといえるでしょう。
とはいえ、カメラ初心者の方は「レンズってどうやってメンテナンスしたらいいの?」と思うことも多いでしょう。
そこで今回は、カメラレンズのメンテナンスの流れや、メンテナンスの際に注意したいポイントについてまとめてみたいと思います。
目次
レンズメンテナンスの流れ
では、さっそくメンテナンス(クリーニング)の流れについて見てみましょう。
ここでは、メンテナンスにあたって用意すべきものと、具体的な流れについて解説していきます。
用意するものは?
レンズメンテナンス(クリーニング)の際に使用するアイテムは、以下の3点です。
・ブロワー
・クリーニングペーパー
・クリーニング液
ブロワーは、埃を飛ばすための道具です。ゴムやシリコンで出来ており、握りの部分を握ると先端の送風口から風が出る仕組みになっています。
クリーニングペーパーは、クリーニング液をしみ込ませてレンズを拭くためのアイテムです。 繊細なレンズの表面を傷つけない、きめの細かいペーパーとなっています。
ちなみに、カメラ専門店などではレンズメンテナンスに必要な上記のようなアイテムがすべて揃っている「クリーニングキット」も販売されています。
まずはそちらを購入して使用することをおすすめします。
クリーニングの流れ
必要な物が揃ったら、いよいよレンズのメンテナンス(クリーニング)を始めていきましょう。
基本的には、以下のような流れで行います。
(1)ブロワーでレンズの表面の埃などを飛ばす
まずは、レンズの表面にブロワーを向け、空気を送り出して埃や砂粒などを飛ばします。
この際には、レンズを下に向けて持つのがおすすめです。
レンズを上に向けた状態でブロワーをかけると、いったんレンズの表面から舞い上がった埃が再び落下してきてレンズに付着することがあります。
これではブロワーをかける意味がありません。
しかし下にしていれば、埃が再び付着するのを防ぐことができます。
ちなみに、下の『NGポイント』のところでも紹介しますが、ブロワーをかけないままクリーニングペーパーを使ってしまうと、かえってレンズの表面を傷つける可能性があるので注意しましょう。
外出先でレンズのメンテナンスを行うときなど、ついついブロワーを使うのを忘れてしまいがちですが、レンズを良好な状態で保つためにも気をつけましょう。
(2)クリーニング液をしみ込ませたペーパーで拭く
ブロワーで目立つ埃や砂粒などを飛ばすことができたら、クリーニングペーパーにクリーニング液をしみ込ませ、レンズの表面を優しく拭いていきます。
この際、レンズの中央を拭き、円を描くようなイメージで中央から外側に拭いていくというのがコツです。
そうすることで、ムラがなくしっかりと拭き取ることができます。
レンズメンテナンスのNGポイント
いかがでしょうか。
レンズのメンテナンス(クリーニング)の流れは上記の通りです。
ここでは、メンテナンスを行う際に気をつけたい注意点・NGポイントをまとめてみたいと思います。
初心者の方は特にやってしまいがちなポイントなので、注意しましょう。
ティッシュやハンカチでレンズを拭く
カメラのレンズはガラス製ですが、「ガラス」といっても窓ガラスに使われているものとは異なります。「光学ガラス」という特殊なガラスであり、繊細で傷つきやすく、衝撃に弱いという性質を持っています。
そんなレンズに対して、ティッシュペーパーやハンカチを使うのはNGです。
外出先で汚れてしまったときなど、ついついメガネのレンズでも拭くような感覚でハンカチやティッシュペーパーをポケットから引っ張り出してしまいがちですが、それらで拭いたりこすったりすると、微細なダメージを受けてしまう可能性があります。
結果的にレンズの寿命が短くなってしまったり、画質が悪くなってしまったりする原因になります。
レンズを拭く際には、必ず専用のクリーニングペーパーやクロスを使用するようにしましょう。
いきなりクリーニングペーパーで拭く
これは『レンズメンテナンスの流れ』のところで説明したことでもありますが、ブロワーを使って埃や微細な砂などを飛ばさず、いきなりクリーニングペーパーを使用するのはNGです。
埃や砂がレンズとクリーニングペーパーとの間にある状態であり、レンズの上を転がり、こすれて微細な傷を作ってしまいます。いわば、レンズに紙やすりをかけているのと同じようなことになってしまいます。
必ずブロワーで表面をきれいにしてから、クリーニングペーパーを使うようにしましょう。
レンズキャップの清掃を怠る
ブロワーを使って埃を飛ばし、クリーニング液をしみ込ませた専用のクリーニングペーパーでレンズを拭き終わったらOK……というわけではありません。
レンズ自体のメンテナンス(クリーニング)はOKですが、もうひとつやっておかなければならないことがあります。
それは、「レンズキャップの清掃」です。
レンズキャップは、レンズにかぶせて汚れや衝撃から守るためのものですが、レンズキャップの清掃を行わない場合、キャップの内側に付着した埃や汚れがレンズの表面に移ってしまう可能性があります。 せっかくレンズをきれいにしたのに、掃除していないキャップをかぶせたせいでまた汚れてしまった……となっては意味がないので、しっかりレンズキャップの清掃も行うようにしましょう。
メンテナンス後の「保管」にも注意!
カメラのレンズは、「高温の環境」「湿度が高い環境」に置かれると劣化が早まる性質があります。メンテナンス後にレンズを保管する際は、その点にも十分に注意しましょう。風通しの悪い押し入れの中などに置いておくと、湿気でカビが発生したりすることもあるので要注意です。
メンテナンスが面倒なときは専門業者にお任せ!
いかがでしょうか。
今回は、カメラレンズのメンテナンス(クリーニング)やNG項目について解説してきました。
こうして見ると、レンズのメンテナンスはそれなりに手間がかかりますし、気をつけるべきポイントも多くあります。
また人によっては、「一応やってみたけどちゃんと出来ているか不安……」ということもあると思います。
そんな場合には、カメラ専門店やメーカーが提供しているメンテナンスサービスを利用するのがおすすめです。カメラのプロがきちんと細かい部分まで清掃を行い、理想的な状態を保つことができます。
また、部品ごとに分解してメンテナンスを行うオーバーホールを行ってくれるところもあります。
ぜひ参考にしてみてください。