カメラの「レンズフィルター」の選び方&付け方のポイントについて
・お手持ちのレンズに合ったフィルターを選ぶためのポイントとは?
・フィルターの基本的な付け方とは?
・フィルターを選んだり付けたりする際に注意したいこととは?
など、気になる点についてまとめてみました。
目次
そもそもそのレンズ、フィルターは付けられる?
ここでは、レンズに付けるフィルターの選び方や、具体的な付け方について解説いたします。しかし、レンズフィルターを付けるためには、まずは「そもそもフィルターを付けられるレンズかどうか」をチェックする必要があります。
レンズフィルターを付けるられるレンズには、レンズの周りに「ネジ山」があるのをご存知でしょうか。
「ネジ山」とは、フィルターを回して留めるための「らせん状のギザギザ」のことです。これがあればフィルターを付けることは可能ですが、まれにネジ山が入っていないレンズもございます。
このようなレンズは、フィルターの装着を想定して作られていないため、フィルターを付けることはできません。
せっかくフィルターを購入しても無駄になってしまいますので、事前に確認しておきましょう。
さまざまな機能を持った「レンズフィルター」5種類を紹介
「レンズフィルター」といっても、フィルターによって単純に傷を防ぐものから、反射光や明暗を調節できるものまでさまざまです。
下記では、取り付けるフィルターを選ぶ前に、さまざまな機能を持った「レンズフィルター」を5種類ご紹介いたします。
保護フィルター
保護フィルターは文字通りレンズを傷や汚れから保護するフィルターで、プロテクトフィルターと呼ばれることもあります。
保護フィルターだけでも、機能が実にさまざまです。
たとえば、単純に傷を防ぐ保護フィルターをはじめ、マジックのインクさえも拭き取れる「撥油効果」をもったレンズフィルターも販売されています。
レンズについた傷は、修理に高額な費用がかかってしまいます。しかし、保護フィルターをつけていれば、万が一の際も保護フィルター代の数千円だけで済みますので、つけておいて損はないでしょう。
PL・C-PLフィルター
PLフィルターは2枚のガラスの間に偏光幕というものが入っており、反射光などを調整する機能を持っています。(偏光フィルターと呼ばれることもございます。)
また、オートフォーカスや露出を自動で調整できるデジタルカメラには、C-PLフィルター(円偏光フィルター)を選びましょう。
反射光を調整することで、どのようなことが可能になるのでしょうか。
たとえば、窓ガラス越しに反射による写り込みを減らすことが可能です。
ほかにも水面の反射も防ぐことが可能なため、水中を優雅に泳ぐ魚なども綺麗に撮影することが可能になります。
さらに、PLフィルターにはコントラストを強くする効果もございます。たとえば、少し霞んだ青空をより濃い青色で表現したいときなどに効果的です。
NDフィルター
NDフィルターは端的に言えば、写真を暗くするフィルターです。
それだけなら、絞りやシャッタースピードで解決できてしまいそうですよね。しかし、このNDフィルターを使用することで、日中にスローシャッターで動きのある写真を撮る際に、明るく写り過ぎるのを防ぐ効果がございます。
また、背景をぼかして撮りたいときには絞りを開放して撮ることになりますが、その際にも明るくなり過ぎるのを防ぐ効果も。
NDフィルターには暗さの種類が多数ありますので、ご自身の用途に合ったものを探しましょう。
クロスフィルター
クロスフィルターは、光のクロス(十字)状の光の線をつくりだす効果のあるフィルターです。
イルミネーションや夜景など、キラキラした表現をするときに役立ちます。
ソフトフォーカスフィルター
ソフトフォーカスフィルターは、柔らかい雰囲気を作り出す効果があります。
はっきりと写り過ぎてしまうデジタルカメラでも、レトロ風な写真が撮れることが特徴です。
「レンズフィルター」の選び方
○レンズの「口径サイズ」を確認する
◯フィルターの「枠の厚さ」を確認する
◯フィルターの「透過率」を確認する
ポイントとしては、上記の3点が挙げられます。
それぞれどのようなことなのか、詳しく見てみましょう。
レンズの「口径サイズ」を確認
レンズにはそれぞれ「口径サイズ」というものがございます。「口径」とは、筒状のモノの「内側の直径」を意味する用語です。
カメラレンズの場合、レンズの側面かキャップの裏側に口径サイズが記されています。
たとえば口径サイズが58mmの場合、
・Φ58mm
・Φ58
のように表記されています。(「Φ」は「直径」を意味する記号で、「ファイ」や「マル」と呼ばれています)
レンズ保護フィルターは、上記の口径サイズに合わせて選ぶ必要がございます。
レンズの口径サイズに対して大きすぎたり小さすぎたりするフィルターを選んでしまった場合、うまく装着することができません。
合わないサイズのフィルターを無理やり装着すると、フィルターがまっすぐにならず、ななめになってしまうことがあるので要注意です。
フィルターがななめになってしまうと、光の乱反射で上手に写真が撮れなかったり、そもそもフィルターの役割を果たさずゴミがレンズに付着してしまったりすることがございますので、注意が必要です。
フィルターの「枠の厚さ」を確認
レンズフィルターは、「通常枠」「薄枠」「超薄枠」という3種類に分けられます。
それぞれフィルターの枠の「厚み」が異なります。
通常のレンズであれば、どれを選んでも基本的にはOKですが、「広角レンズ」に付けるフィルターを選ぶ際には注意が必要です。
広角レンズの場合、「通常枠」や「薄枠」だと、写真を撮る際に枠の影が映り込むことがございます。
撮る写真の仕上がりにも影響するので、この場合は「超薄枠」を選びましょう。
フィルターの「透過率」を確認
「写真を撮るときはとにかく画質にこだわりたい」という方は、フィルターの透過率をチェックしましょう。
透過率とは、光を通す量を示す数値です。
数値が高ければその分だけ多くの光がフィルターを透過し、レンズの持つ繊細な表現力を引き出します。
数値が高いフィルターはその分だけ価格も高くなりますが、「安さよりも画質を優先したい」という方は、数値が高いものを選ぶのがオススメです。
「レンズフィルター」の付け方
レンズのフィルターは、レンズにかぶせてネジ山を合わせ、回して装着する「ネジ式」が基本です。
具体的な取り付け方としては、以下のような手順で進めていきます。
【1】レンズとフィルターをきれいに拭く
【2】フィルターの向きを確認してレンズと平行にする
【3】フィルターをゆっくり右に回してネジ山を留める
事前にレンズとフィルターを拭くのは、指紋や埃などをしっかり除去するためです。
レンズやフィルターに指紋や埃を付けたままにしていると、撮った写真の画質が悪くなってしまいます。場合によっては、フィルターとレンズの間に残ったゴミがカビの原因になってしまうこともございます。
専用のクリーニングペーパーなどを使い、しっかり拭いたうえで取り付けるようにしましょう。
「レンズフィルター」を付ける際の注意点
レンズフィルターは上記のような手順で取り付けますが、その際にはいくつか注意すべきことございます。
とくに気をつけたいのは、
・フィルターのガラス面に触れない
・フィルターを締めすぎない
といった点です。
それぞれについて、詳しく見てみましょう。
フィルターのガラス面に触れない
フィルターをレンズに装着する際、ガラス面に触れないように注意しましょう。とくに、フィルターの内側のガラスに触れないようにすることが大切です。
ガラス面に触れてしまうと、その部分に指紋が付き、写真を撮ったときの仕上がりに影響します。
画質が悪くなってしまう原因になってしまうわけです。
フィルターを締めすぎない
ネジ山を限界まで回してギュッと締めてしまうと、フィルターが取れなくなってしまう可能性がございます。フィルターは、レンズに固定できればひとまずOK。
交換したいときにすぐ取り外しができるよう、適度にゆるみを持たせることがオススメです。
なお、フィルターが取れなくなってしまった場合、無理やり力を込めて取ろうとするのは厳禁です。場合によっては、レンズが破損してしまったり、カメラ本体に不具合を生じたりすることもございます。
まずはレンズをカメラ本体から取り外し、レンズに負担をかけない方法で取り外しましょう。
具体的には、
・ゴム手袋をつけ、摩擦の力を利用して取り外す
・フィルターの枠をつかんで回す「レンズフィルターレンチ」を使う
といった方法がございます。
レンズフィルターレンチは1,000円程度で購入できます。
まずはゴム手袋を装着してチャレンジし、それでも外れなければレンズフィルターレンチを使ってみましょう。(もともと家にレンズフィルターレンチがある場合は、初めから使用するのがオススメです)
「レンズフィルター」は付けっぱなしで大丈夫?
「レンズのフィルターってずっと付けっぱなしでも大丈夫?」
「写真を撮るときとか保管するときは取り外さなくてもOK?」
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
結論からいえば、フィルターはずっと付けっぱなしでもOKです。
むしろ、頻繁に取り付けたり外したりしていると、手がすべってレンズを傷つけてしまったり、落として破損させたりしてしまう可能性がございます。その危険性を考慮すると、「付けっぱなしのほうが安全」といえるでしょう。
ただし、撮影条件によってはフィルターをつけていることによって発生する、ハレーションや反射が写真に写り込んでしまう場合がございます。デジタルカメラであれば、一度試し撮りして画像を確認し、取り外しが必要であれば適宜取り外しましょう。
また、長期間にわたって保管する場合は、ゴミがたまることもございますので、定期的に取り外して掃除をすることをオススメします。
・ブロワーでゴミや埃を飛ばす
・専用のクリーニング液をクリーニングペーパーなどにしみこませて拭く
といった内容でOKです。
なお、水道水などで水洗いすることはオススメしません。特に水道水の場合、水以外に入っているさまざまな成分が結晶化し、水垢になる可能性がございますので要注意です。
いかがでしょうか。
ぜひ、上記のようなお手入れの方法も押さえたうえで、フィルターは正しく選び、正しく装着して正しく使うことを心がけましょう。
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