カメラの絞り(F値)とは?撮影に役立つ豆知識をご紹介します!
さらに「絞り開放」や「絞り優先AE」を使いこなすことで、写真撮影のバリエーションを増やすことも可能です。当コラムを読めばカメラの基礎知識をつけることができますので、ぜひ最後までご覧ください。
カメラの絞り(F値)とは
カメラを使っていると「絞り」や「F値」といった言葉を、目にしたり耳にしたりする機会も多いと思います。カメラをはじめたばかりの頃、最初につまずくのがこの「カメラの絞り(F値)」です。
カメラの絞り(F値)とは、レンズから入る光の量を調整する部分のことです。
レンズ内には何枚かの金属板があり、これを”絞り羽根”と呼びます。絞り羽根を動かし穴の大きさを変えることで、カメラに取り込む光の量を調整できる仕組みになっています。
「F値」とは、レンズの明るさを示す指標として用いられる値のことです。
F値のFは「Focal」の略で、日本語でいう「絞り値」を意味します。
そして、このF値はF2・F2.8・F5.6・F8…のように、基準値が決まっているのが特徴です。
F値を小さくすると絞りが開くため、レンズを通る光の量は多くなります。
逆にF値を大きくすると絞りが絞られるため、レンズを通る光の量は小さくなります。
暗い場所で撮影する際は、この絞り(F値)を小さくする(開放する)ことで、より多くの光を取り込むことが可能です。明るい場所で撮影する際は、この絞り(F値)を大きくする(絞る)ことで、光がたくさん入りすぎるのを防ぐことができます。
このようにカメラの絞り(F値)には、カメラに取り込む光の量、すなわち「露出」をコントロールするという大きな役割があります。
カメラの「絞り開放」とは
カメラの『絞り開放』とは、レンズの絞りを「最も開いた状態」のことをいいます。
つまり、使用するそのレンズで一番F値を小さくした状態のことです。
絞り羽根を最大限まで開放することで、レンズから最も光が入る状態となり、シャッタースピードも早くなります。また、レンズごとに”最も小さな絞り値”は異なるのが特徴です。
この絞り値は「開放絞り値」や「開放F値」とも呼ばれ、その絞り値はレンズに製品名と一緒に記載されています(ズームレンズの場合、使用する焦点距離によって開放絞り値も変わるため、変動する絞り値が記載されています)。
開放絞り値の小さいレンズを「明るいレンズ」といいますが、焦点距離が固定の単焦点レンズは構造が単純のため、明るいレンズが比較的多く、反対に構造が複雑なズームレンズは開放絞り値が大きいレンズが多いのが特徴です。
そして、カメラの絞りでコントロールできるのは、露出だけではありません。
絞りにはピントの合う範囲を決める「被写界深度」を調整する機能があり、この機能を利用することで写真の印象を変える効果を発揮させることもできます。
たとえば、こちらの花の写真。
カメラの絞りを開いてF値を小さくすると……
写真は参考用に用意したものですが、このように背景をボカした写真を撮ることが可能です。
基本的にはF値が小さくなるほど被写界深度(ピントの合う範囲)が狭くなり、背景がボケる量が大きくなりますので、カメラの絞りを開放すれば、背景のボケを最大限に生かした撮影もできます。
被写界深度を決めるのは「開放絞り値(開放F値)」以外にも、「被写体との距離」や「レンズの焦点距離」といった要素も関係しますが、カメラの絞りを開放することで、より多くの光とより大きな背景のボケが得られることは知っておいて損はありません。
「今よりもっとカメラの絞りを開放した写真を撮ってみたい」とお考えでしたら、高い描写力を持った明るいレンズが、リーズナブルな価格から購入できるオールドレンズがお勧めです。
オールドレンズは単焦点レンズが多くズーム機能は基本的に利用できませんが、高級なズームレンズよりも明るいF値のレンズを安く買うことができるため、背景がボケた写真をお手軽に楽しんでみたい方に最適です。
オールドレンズの詳細については、下記の記事も合わせてご覧ください。
カメラ初心者の方は【絞り優先AE】がオススメ
ここまで「カメラの絞り(F値)」や「カメラの絞り開放」について解説いたしました。
カメラの絞りで「露出(光の量)」や「背景のボケ具合」をコントロールできることを、知っていただけたと思います。
しかし、ワンランク上の写真を撮ろうとお考えなら、カメラの絞りと密接な関係にある「シャッタースピード」や「ISO感度」についても理解する必要があります。
なぜなら、写真の露出を決めるのは「絞り」だけではないからです。
最適な露出で撮影するためには、絞り値(F値)に応じてシャッタースピードを変更したり、撮影する場所の明るさに合わせて最適なISO感度(カメラが光をとらえる能力を表す値)を選び、取り込む光の量を適正に調整しなければいけません。カメラ初心者の方であれば、非常に難しく感じてしまうことでしょう。
でも、せっかく覚えた「絞り」を使いこなしたいですよね…?
そんなときにオススメなのが、『絞り優先AEモード』です。
絞り優先AEモードとは、撮影者が絞り値(F値)を決めると、カメラがシャッタースピードを自動で設定してくれるモードのことです。
AEモードのAEは「Auto Exposure」の略で、自動で露出を決める機能のことをいいます。
この絞り優先AEモードに加え『ISOオート機能』も利用することで、ISO感度やシャッタースピードの難しい設定は、撮影状況に応じてカメラが自動で行ってくれますので、撮影者は絞り値(F値)の設定に集中して写真を撮ることが可能です。
絞りをコントロールすることで、背景をボカした写真を撮る、もしくは背景までクッキリと写った写真を撮ったり、と上手に使い分けることができます。
絞り優先AEは基本的に動きのない被写体に向いており、たとえば風景や花などを被写界深度を考えながら、ピントの合う範囲や背景のボケ具合などを上手く調整して撮影するのに最適です。
絞り優先AEモードは、コンパクトデジタルカメラにも一部搭載されていますが、より背景をボカした写真撮影をするなら、一眼レフあるいはミラーレス一眼の方が機能的には優れています。また、普段からカメラを使う人にとっては「一番使いやすいモード」といわれるほど、便利で優れた機能です。
お持ちのカメラに「絞り優先AEモード」が搭載されており、まだ使ったことがないという方は、この機会に活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回の福ちゃんコラムは「カメラの絞り(F値)とは?」というテーマについて、カメラ初心者の方にむけて解説いたしました。
当コラムをご覧いただいたことで、カメラの基礎知識である「絞り」や「F値」に加え、「カメラの絞り開放」や「絞り優先AE」に関する知識も増え、以前よりもカメラや写真に対する世界観が広がったのではないでしょうか。
すべてを一度に理解するのは難しいかもしれませんが、「絞りを開ける=F値を小さくする」「絞りを絞る=F値を大きくする」ということがわかるようになるだけでも、脱カメラ初心者として大きく前進できます。
慣れるまで時間はかかりますが、カメラの絞りを覚えて使いこなせるようになると、自然とレンズに対する知識も身に付きますし、撮影テクニックも向上するので覚えておいて損はありません。
本格的に絞りを使うとすれば一眼レフがメインとはなりますが、これまで絞りを全く意識せずに写真撮影をしてきたという方は、この機会に絞りを意識した撮影にチャレンジしてはいかがでしょうか。
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